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僕の母様と父様
2.衝撃の発言
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「ガイ!あれほど勝手に行くなって言ったのに!なんでガイが先陣切って突っ込んでるの!」
「い、イルっ。大丈夫だよ、魔獣や魔物じゃ無いんだしこれくらい俺なら楽勝、だったでしょ?」
茶髪の中に黒い耳が生えたお兄さんが駆け寄ってきて、僕たちを助けてくれた彼に怒っている。
助けてくれた人がガイさんで、黒いイヌミミの人がイルさんか。名前は間違えないように覚えないと。
「そーいう問題じゃなくて!ガイは守られるべき立場なんだからっ」
「イルっ、しー。そんな大きな声出したら起きちゃうでしょ。」
そう言って、ガイさんは腕の中に抱えている、穏やかに眠っている俺の弟を示した。
そういえばガイさんにずっと抱っこさせたままだった。それにガイさんがイルさんの言った通りに守られるべき立場だったら、ずっと抱っこして貰っているのはマズイかもしれない。
「ガイ、何その子。誰かに代わってもらいなよ、そもそもガイ子供苦手でしょ?」
ガイさん子供苦手だったの!?イルさんもさっきよりなんだから苛ついているみたいだし、早急に弟を回収しないと。
「あの、」
「この子は特別~!見て、俺の服握って離さないの、めっちゃ可愛い!」
僕の発した言葉は届かず、ガイさんはイルさんに見て見て~とガイさんの腕の中ですやすや眠る弟を見せている。
「はぁ~?」
納得が言っていない返事を返すイルさんの眉間に皺が凄い寄っている。
顔が整っていて綺麗な分、不機嫌さが如実に現れていた。
あ、やっぱり弟は回収した方が良さそうだ。
「あの、」
「ガイウス様。今すぐとは言いませんが我々も今回のガイウス様の行動力に関して申し上げたいことがございまして。」
「げ、レオン・・・。」
僕の発した声は、今度はすっと現れたレオンと呼ばれた金髪の鎧を着た剣士に阻まれた。ネコ族特有のさんかく耳がぴょこんと生えている。
ガイさんじゃなくて 、ガイウスさんだったか。呼ぶ前に正しい名前が分かってよかった。あれ、愛称で呼び合う仲って事はそれほどこの2人は仲が良いって事だよね。どう見てもイヌ族のイルさんと、ガイウスさんの種族はなんだろう?兎に角お2人は愛称で呼び合うような仲ということで、うん、ガイウスさんを呼ぶ前で良かった。
「そうですよぅ。以前とは違うんですから勝手に突っ走るのやめて下さいよ~。」
今度はミルクティ色の垂れ耳のイヌ族の背の高い人が現れた。
「そもそも隣で馬に乗ってたのに、いとも簡単に先に行かせないで下さいよミッキィさん。」
「はぁ?私の所為にするんですか?行かせたのはレオンも同じでしょうに!」
「どう考えてもガイウス様を止めることが出来たのは、後ろにいた私よりも隣に居たミッキィさんでしょう?」
「その発言は護衛の立場としてはどうなんですかぁ?そもそもですねぇ、、、」
金髪鎧の人がレオンさん、垂れ耳の人がミッキィさん、と覚えようと頭の中で反復していたら、お2人が言い争いを始めてしまった。
え、お2人はもしかして仲が良くない・・・?
どうしたらよいものかとオロオロしていると視界の端っこでガイウスさんが言い争う2人から静かに距離を取りつつ、僕に手招きをしていた。
僕もガイウスさんを真似て静かに距離を取りつつ近づく。
「ごめんね、あの二人いつもあんな感じだからさ、気にしないでっていうのも難しいと思うけど、まぁそのうち慣れるから。」
あれがいつものなのか。
「はい、分かりました。それで、あの、すみません、弟をずっと抱いて下さっていて、僕が抱っこしますので、」
「だーめ。」
僕が弟を受け取ろうと両手を差し出すと、ガイウスさんはそれを避けるように背中を向けた。
それから肩越しに振り返って「ねぇ、君たちの名前を教えて?」と聞いてくる。
「えと、弟がルナで、僕がソラ、と言います。」
「へぇ!弟くん、月の光みたいに綺麗な髪色してるもんね!」
まさか、ルナが月を意味する言葉だという事を知ってる人が居るだなんて。この単語は今は使われてはいないのに。
「そっかそっか。ルナとソラ。うん、ソラ、よろしくね!」
ガイウスさんは何やら1人で納得してから僕に笑顔を向けた。
それから片手でルナを支えて、空いたもう片方の手で僕の手を握って、イルさんの元へ。
ガイウスさん、細身なのに力あるんだなと思いながらつれられていく。
「あ、イルっ、あのね、この子がルナで、こっちがお兄ちゃんのソラって言うんだよ。」
「え?、うん、そうなんだ?え、兄弟なの?」
あまりにも見た目が似ていない兄弟のルナと僕。
イルさんの反応は特に不快にも思わない程のありきたりな感想であった。
「うん、だって色は違うけど耳の形も尻尾もそっくりだよ?」
「え?」
イルさんは僕とルナ初めて視線を合わせて何度か往復をしたけれど「わかんないよ」と呟いた。
「ところで他にも子供は居たのにどうしてこの子達だけ特別対応なの?」
僕も疑問に思っていたことをイルさんはガイウスさんに問いてくれた。
「ん?だってこの子達俺たちの息子だから!」
「は?」
「え?」
「ん?」
数秒の間が過ぎて、僕以外の3人の声が重なった。
え?息子?俺たちのってガイウスさんとイルさんの?
僕の母さんと父さんはお空の高い高いところに居ますけれど?
「い、イルっ。大丈夫だよ、魔獣や魔物じゃ無いんだしこれくらい俺なら楽勝、だったでしょ?」
茶髪の中に黒い耳が生えたお兄さんが駆け寄ってきて、僕たちを助けてくれた彼に怒っている。
助けてくれた人がガイさんで、黒いイヌミミの人がイルさんか。名前は間違えないように覚えないと。
「そーいう問題じゃなくて!ガイは守られるべき立場なんだからっ」
「イルっ、しー。そんな大きな声出したら起きちゃうでしょ。」
そう言って、ガイさんは腕の中に抱えている、穏やかに眠っている俺の弟を示した。
そういえばガイさんにずっと抱っこさせたままだった。それにガイさんがイルさんの言った通りに守られるべき立場だったら、ずっと抱っこして貰っているのはマズイかもしれない。
「ガイ、何その子。誰かに代わってもらいなよ、そもそもガイ子供苦手でしょ?」
ガイさん子供苦手だったの!?イルさんもさっきよりなんだから苛ついているみたいだし、早急に弟を回収しないと。
「あの、」
「この子は特別~!見て、俺の服握って離さないの、めっちゃ可愛い!」
僕の発した言葉は届かず、ガイさんはイルさんに見て見て~とガイさんの腕の中ですやすや眠る弟を見せている。
「はぁ~?」
納得が言っていない返事を返すイルさんの眉間に皺が凄い寄っている。
顔が整っていて綺麗な分、不機嫌さが如実に現れていた。
あ、やっぱり弟は回収した方が良さそうだ。
「あの、」
「ガイウス様。今すぐとは言いませんが我々も今回のガイウス様の行動力に関して申し上げたいことがございまして。」
「げ、レオン・・・。」
僕の発した声は、今度はすっと現れたレオンと呼ばれた金髪の鎧を着た剣士に阻まれた。ネコ族特有のさんかく耳がぴょこんと生えている。
ガイさんじゃなくて 、ガイウスさんだったか。呼ぶ前に正しい名前が分かってよかった。あれ、愛称で呼び合う仲って事はそれほどこの2人は仲が良いって事だよね。どう見てもイヌ族のイルさんと、ガイウスさんの種族はなんだろう?兎に角お2人は愛称で呼び合うような仲ということで、うん、ガイウスさんを呼ぶ前で良かった。
「そうですよぅ。以前とは違うんですから勝手に突っ走るのやめて下さいよ~。」
今度はミルクティ色の垂れ耳のイヌ族の背の高い人が現れた。
「そもそも隣で馬に乗ってたのに、いとも簡単に先に行かせないで下さいよミッキィさん。」
「はぁ?私の所為にするんですか?行かせたのはレオンも同じでしょうに!」
「どう考えてもガイウス様を止めることが出来たのは、後ろにいた私よりも隣に居たミッキィさんでしょう?」
「その発言は護衛の立場としてはどうなんですかぁ?そもそもですねぇ、、、」
金髪鎧の人がレオンさん、垂れ耳の人がミッキィさん、と覚えようと頭の中で反復していたら、お2人が言い争いを始めてしまった。
え、お2人はもしかして仲が良くない・・・?
どうしたらよいものかとオロオロしていると視界の端っこでガイウスさんが言い争う2人から静かに距離を取りつつ、僕に手招きをしていた。
僕もガイウスさんを真似て静かに距離を取りつつ近づく。
「ごめんね、あの二人いつもあんな感じだからさ、気にしないでっていうのも難しいと思うけど、まぁそのうち慣れるから。」
あれがいつものなのか。
「はい、分かりました。それで、あの、すみません、弟をずっと抱いて下さっていて、僕が抱っこしますので、」
「だーめ。」
僕が弟を受け取ろうと両手を差し出すと、ガイウスさんはそれを避けるように背中を向けた。
それから肩越しに振り返って「ねぇ、君たちの名前を教えて?」と聞いてくる。
「えと、弟がルナで、僕がソラ、と言います。」
「へぇ!弟くん、月の光みたいに綺麗な髪色してるもんね!」
まさか、ルナが月を意味する言葉だという事を知ってる人が居るだなんて。この単語は今は使われてはいないのに。
「そっかそっか。ルナとソラ。うん、ソラ、よろしくね!」
ガイウスさんは何やら1人で納得してから僕に笑顔を向けた。
それから片手でルナを支えて、空いたもう片方の手で僕の手を握って、イルさんの元へ。
ガイウスさん、細身なのに力あるんだなと思いながらつれられていく。
「あ、イルっ、あのね、この子がルナで、こっちがお兄ちゃんのソラって言うんだよ。」
「え?、うん、そうなんだ?え、兄弟なの?」
あまりにも見た目が似ていない兄弟のルナと僕。
イルさんの反応は特に不快にも思わない程のありきたりな感想であった。
「うん、だって色は違うけど耳の形も尻尾もそっくりだよ?」
「え?」
イルさんは僕とルナ初めて視線を合わせて何度か往復をしたけれど「わかんないよ」と呟いた。
「ところで他にも子供は居たのにどうしてこの子達だけ特別対応なの?」
僕も疑問に思っていたことをイルさんはガイウスさんに問いてくれた。
「ん?だってこの子達俺たちの息子だから!」
「は?」
「え?」
「ん?」
数秒の間が過ぎて、僕以外の3人の声が重なった。
え?息子?俺たちのってガイウスさんとイルさんの?
僕の母さんと父さんはお空の高い高いところに居ますけれど?
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