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37.仲が良いのは素晴らしいこと
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「あ。すみません失礼しました。」
開けた扉を即座に閉めた。閉じた扉の向こうから「あらあら、良いのよもぅ、いらっしゃい?」とオリヴィアさんの朗らかな声が聞こえて来たが、義兄と義姉のいちゃいちゃを見てしまったらそちらが良くてもこちらは良くない!仲良く幸せそうにキスし合っている2人が鮮明に思い出されて顔に熱が集まりつつも、頭をふるふる降ってそれを無理やり追い出した。
温暖な気候と言っても寒い日はやってくる。つい2~3日前は日向であれば外でもお昼寝出来そうなくらいぽかぽかだったのに、今日は朝から曇り空で風が吹いていてここに来てから1番寒い日だった。
それでも僕はこれが冬なの?と未だに信じられない気持ちも少なからずある。
そんな今日は夕食の後、領地の勉強に精を出し始めた僕のために、ブレアと一緒に書物を選びに談話室へと足を運んだ。それにしてもオリヴィアさんに教えて貰っているマナーはだいぶ形になってきたと思う。今日も迷うことなくしっかり出来たし、お義父さんも「うんうん、上手になってきてるの」と言って貰えた。その言葉が嬉しくて尻尾がピーンと張ってから先がふにゃふにゃと動いてしまうのは我慢できなくて皆に笑われちゃったけど。領地の勉強も、この前ウィリアムさんに確認してっと渡された紙が、僕の情報なのに僕が殆ど分からないという自体に自分なりに恥ずかしい気持ちとそのままでは駄目だという危機感があった。僕はお貴族様の次男のお嫁。外向的なお仕事は殆どウィリアムさんとオリヴィアさんがやるから気にしなくていいとブレアは言うけど、絶対ないとは言いきれないし、その時に知りません分かりませんは嫌だし、何より僕は知らない方より知っている方が絶対に良いと思うんだ。だから勉強したいって言ったらなんとブレアは専任の先生を付けようとしたから慌てて断った。お金をかけてもらうのはなんか違うと思ったし、何よりそういうものは既にここに書物として置いてあることを知っていたから。それでも引こうとしてくれないから「もしこれで上手く勉強出来なかったらその時は付けてね」って言ったらとりあえず引いてくれた。お金持ちの田舎貴族恐るべし。
「あぁ。2人のいちゃこらなんて昔からだから気にしなくていい。本人達もそう言ってただろう?」
そう言って扉を開けて入ろうとするブレアを慌てて止める。
「お2人が宜しくても僕には無理無理無理無理!」
2人が仲睦まじくイチャイチャちゅっちゅしてる横で真面目に本を探すなんて無理。っていうかあんな幸せそうなオリヴィアさんの笑顔見ちゃったら僕もブレアとキスがしたくなって来ちゃうじゃんかー!
と思ってはたと考えた。
そっか、あれ見て僕もブレアにキスしてもらいたくなっちゃったんだ。
そう思ったらなんだか顔が、いや体がぼっと熱くなって、ブレアの顔の唇に視線が行ってしまって、何日か前にあの唇が、舌が、僕の体を這っていたのを思い出してしまって、更に体が熱くなってしまった。
わー!僕のバカー!こんな所でキス以上のことを思い出して想像するなんてただの変態ー!
僕の心の中なんぞ露知らずなブレアが再度扉を開けようとするので慌ててその間に体を滑り込ませた。
「うん?顔が赤いな?熱でもあるのか?」
とブレアと扉の間に入り込んで阻止した為に近かったブレアの顔が更に近づいてコツンとおでこに当たる。
ひやぁぁあ!ブレアの顔が間近に!いや落ち着け僕!それは割といつもの事だ!しょっちゅうある事なのに変な想像しちゃったから心臓が有り得ないくらいの鼓動を披露しちゃったわけで、それに僕はそういう事に多感な時期だから所謂健全って言うやつで!って何言ってんだ僕はそもそもそういう想像が変態なんだよ僕のバカー!
「熱は無いようだが、体調が良くなさそうだから部屋でゆっくりするか。」
そう言って離れてい来そうになるブレアのガッシリとした体を覆っている服をぎゅっと掴んで引き留めた。僕はブレアとキスがしたいんだ!
「だ、大丈夫。体調は、悪く、ない。ぇっと、だから、ゆっくりじゃなくて、ぇっと僕も、ブレアと、その、キス、したい⋯⋯んむっ!」
心の勢いはどこへやら。恥ずかしさと共に何とか必死に伝えたら返事の代わりに噛み付くようなキスが降ってきた。
口が開いたままだったからブレアの舌の侵入を拒むものは無く、僕の口内を縦横無尽にじゅる、ぐちゅっとわざと音を立てるように舐め尽くして行き、僕とブレアの混ざった唾液が飲み込みきれなくて口の端から零れていった。
「あの2人も仲良くて嬉しいわ」「そうだね仲良いね」と扉の向こう側から2人の朗らかな声が聞こえてきてここが何処だったか再認識する。っていうか僕たちがここでキスしてるのバレてるじゃん!
未だに僕の口に吸い付くブレアの肩をドンドンと叩くが逆にぎゅうっと抱きしめられて、僕の口内で暴れ回るブレアの舌が僕の弱いところだけを刺激し始めた。
待って待って、それはダメ、ここではダメ!せめて部屋に戻ってから待って待って、気持ちよすぎるからー!
ブレアが仕上げと言わんばかりに1番弱い上顎を一気に責め立てると、僕の腰からは呆気なく力が抜けて立てなくなってしまった。
そんな僕を横抱きにしていっぱい顔にキスを降らせながらブレアはギラついた瞳でニヤリと「ゆっくりはダメなんだろう?」と僕に囁いて部屋に向かって歩き出した。
あ、これ僕明日の朝起きれないやつじゃん。と思いつつも、この後ブレアとする行為に喜びと期待でドキドキが止まらなかった。
開けた扉を即座に閉めた。閉じた扉の向こうから「あらあら、良いのよもぅ、いらっしゃい?」とオリヴィアさんの朗らかな声が聞こえて来たが、義兄と義姉のいちゃいちゃを見てしまったらそちらが良くてもこちらは良くない!仲良く幸せそうにキスし合っている2人が鮮明に思い出されて顔に熱が集まりつつも、頭をふるふる降ってそれを無理やり追い出した。
温暖な気候と言っても寒い日はやってくる。つい2~3日前は日向であれば外でもお昼寝出来そうなくらいぽかぽかだったのに、今日は朝から曇り空で風が吹いていてここに来てから1番寒い日だった。
それでも僕はこれが冬なの?と未だに信じられない気持ちも少なからずある。
そんな今日は夕食の後、領地の勉強に精を出し始めた僕のために、ブレアと一緒に書物を選びに談話室へと足を運んだ。それにしてもオリヴィアさんに教えて貰っているマナーはだいぶ形になってきたと思う。今日も迷うことなくしっかり出来たし、お義父さんも「うんうん、上手になってきてるの」と言って貰えた。その言葉が嬉しくて尻尾がピーンと張ってから先がふにゃふにゃと動いてしまうのは我慢できなくて皆に笑われちゃったけど。領地の勉強も、この前ウィリアムさんに確認してっと渡された紙が、僕の情報なのに僕が殆ど分からないという自体に自分なりに恥ずかしい気持ちとそのままでは駄目だという危機感があった。僕はお貴族様の次男のお嫁。外向的なお仕事は殆どウィリアムさんとオリヴィアさんがやるから気にしなくていいとブレアは言うけど、絶対ないとは言いきれないし、その時に知りません分かりませんは嫌だし、何より僕は知らない方より知っている方が絶対に良いと思うんだ。だから勉強したいって言ったらなんとブレアは専任の先生を付けようとしたから慌てて断った。お金をかけてもらうのはなんか違うと思ったし、何よりそういうものは既にここに書物として置いてあることを知っていたから。それでも引こうとしてくれないから「もしこれで上手く勉強出来なかったらその時は付けてね」って言ったらとりあえず引いてくれた。お金持ちの田舎貴族恐るべし。
「あぁ。2人のいちゃこらなんて昔からだから気にしなくていい。本人達もそう言ってただろう?」
そう言って扉を開けて入ろうとするブレアを慌てて止める。
「お2人が宜しくても僕には無理無理無理無理!」
2人が仲睦まじくイチャイチャちゅっちゅしてる横で真面目に本を探すなんて無理。っていうかあんな幸せそうなオリヴィアさんの笑顔見ちゃったら僕もブレアとキスがしたくなって来ちゃうじゃんかー!
と思ってはたと考えた。
そっか、あれ見て僕もブレアにキスしてもらいたくなっちゃったんだ。
そう思ったらなんだか顔が、いや体がぼっと熱くなって、ブレアの顔の唇に視線が行ってしまって、何日か前にあの唇が、舌が、僕の体を這っていたのを思い出してしまって、更に体が熱くなってしまった。
わー!僕のバカー!こんな所でキス以上のことを思い出して想像するなんてただの変態ー!
僕の心の中なんぞ露知らずなブレアが再度扉を開けようとするので慌ててその間に体を滑り込ませた。
「うん?顔が赤いな?熱でもあるのか?」
とブレアと扉の間に入り込んで阻止した為に近かったブレアの顔が更に近づいてコツンとおでこに当たる。
ひやぁぁあ!ブレアの顔が間近に!いや落ち着け僕!それは割といつもの事だ!しょっちゅうある事なのに変な想像しちゃったから心臓が有り得ないくらいの鼓動を披露しちゃったわけで、それに僕はそういう事に多感な時期だから所謂健全って言うやつで!って何言ってんだ僕はそもそもそういう想像が変態なんだよ僕のバカー!
「熱は無いようだが、体調が良くなさそうだから部屋でゆっくりするか。」
そう言って離れてい来そうになるブレアのガッシリとした体を覆っている服をぎゅっと掴んで引き留めた。僕はブレアとキスがしたいんだ!
「だ、大丈夫。体調は、悪く、ない。ぇっと、だから、ゆっくりじゃなくて、ぇっと僕も、ブレアと、その、キス、したい⋯⋯んむっ!」
心の勢いはどこへやら。恥ずかしさと共に何とか必死に伝えたら返事の代わりに噛み付くようなキスが降ってきた。
口が開いたままだったからブレアの舌の侵入を拒むものは無く、僕の口内を縦横無尽にじゅる、ぐちゅっとわざと音を立てるように舐め尽くして行き、僕とブレアの混ざった唾液が飲み込みきれなくて口の端から零れていった。
「あの2人も仲良くて嬉しいわ」「そうだね仲良いね」と扉の向こう側から2人の朗らかな声が聞こえてきてここが何処だったか再認識する。っていうか僕たちがここでキスしてるのバレてるじゃん!
未だに僕の口に吸い付くブレアの肩をドンドンと叩くが逆にぎゅうっと抱きしめられて、僕の口内で暴れ回るブレアの舌が僕の弱いところだけを刺激し始めた。
待って待って、それはダメ、ここではダメ!せめて部屋に戻ってから待って待って、気持ちよすぎるからー!
ブレアが仕上げと言わんばかりに1番弱い上顎を一気に責め立てると、僕の腰からは呆気なく力が抜けて立てなくなってしまった。
そんな僕を横抱きにしていっぱい顔にキスを降らせながらブレアはギラついた瞳でニヤリと「ゆっくりはダメなんだろう?」と僕に囁いて部屋に向かって歩き出した。
あ、これ僕明日の朝起きれないやつじゃん。と思いつつも、この後ブレアとする行為に喜びと期待でドキドキが止まらなかった。
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