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『彼との未来』

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突然、ぐらりと視界が大きくかたむいた。

「キャ・・・っ・・・」

綺麗な星空が、目の前に迫る。
世界が暗転し、私は意識を手放してしまった。


ゆみ・・・好きだよ・・・っ・・・俺・・もう・・・我慢できない・・っ」

(え・・?!え・・・っ・・嘘・・え~~~!?)

私の上に乗り激しく腰を振るあられもない姿の海音あまねに、目が覚めたばかりの私は危うくまた失神しそうになる。

「弓の中・・気持ちいい・・・」

(私・・・海音さんと・・・エッチしてる・・・・?!)

信じられない光景に、息を呑む。
ただでさえ回転の悪い頭が、完全にフリーズしてしまった。

「どうしたの?気持ちよくない・・?」

黙り込んだ私を心配そうに見つめている彼の顔が、あまりにイケメンすぎて昇天しそうになる。

「そ・・・そんなこと・・・」

「弓、大好きだよ。弓とするの久しぶりだから・・・ごめんね、抑えがきかなくて、」

(久しぶり・・・?え・・・どういうこと・・・・・?!それにしても海音さんの身体・・・すごい・・・エロすぎるぅ・・・♡)

混乱したままよこしな気持ちで彼を見上げていると、またしてもグラリと世界が回転するようなひどい眩暈に襲われた。

「私・・・あれ・・・?なんか・・・気持ち悪い・・・・」

グラグラする・・・と口にした途端、視界がまた黒く染まっていく。

(どうなってるの・・・・?私、どうなっちゃうの・・・・?)


♢♢♢


「弓さん・・・!俺を見て?」

私を呼ぶ彼の声が聞こえて、ハッと正気に戻る。

「あれ・・?あ、海音・・・さん・・・・?」

気づくと私は、混浴風呂の脇に設置されたベンチに、寝転んでいた。

「え・・・?!ここどこ・・・?!」

「大丈夫そうだな。弓ちゃん、のぼせて倒れたんだぜ?覚えてねぇ?」

航雅の言葉で、我に返る。

そうだった。
私は間違えて混浴露天風呂に入ってしまい、その後彼らが入ってきて、出るに出られず長湯してしまったのだ。

海音と航雅の麗しき裸体に、鼻血を吹き出しそうになり慌てて目をそらす。

「あ、ごめんね。俺たちも着替えないと、」

「悪い、弓ちゃんが倒れたから心配で、俺ら服着るの忘れてたわ。」

腰にタオルを巻きつけただけのエロすぎる二人のイケメン医師に見下ろされ、私はまた意識を手放しそうになる。

(じゃあ・・さっきの海音さんの姿は・・・・未来の一部が見えたの・・・・?)

私は男性とベッドインすると、相手の未来が見えるという特殊能力を持っている。
倒れた時、私を抱えて運んでくれた海音と裸で触れ合ったことで、彼の未来が見えたのかもしれない。

(私と海音さんは・・・愛し合う運命ってこと・・・・?!)

裸で倒れて醜態を晒したというのに、私は反省どころか浮かれまくる気持ちを抑えられなかった。

(私と海音さんのエッチな未来・・・・!!よっしゃ勝ち確・・・・!!)


「大丈夫?弓さんが着替えるの、俺らで介助するね?」

「まだ脈早くね?弓ちゃん、大丈夫かぁ?」

航雅が慣れた手つきで私の手首に触れ脈をとる。彼ら二人は医者だ。
イケメン医師二人に介抱される喜びを、全身で贅沢に味わう。

(脈が早いのは・・・海音さんとのエロシーンを見て、ドキドキしてるからです・・・・っ!!)

彼との明るい未来に、私はいつまでもドキドキが止まらなかった。


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