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不良

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(家庭教師の先生とセックス・・・私のBL人生・・・・充実しまくり?!)

花奈は自分の身に起きている幸せを、噛み締めていた。
幼馴染、クラスメイトの親友、家庭教師。

順調にBLセックスライフを楽しんでいる。

ルンルンと鼻歌を歌いながら廊下を歩いていると、曲がり角で長身の男とぶつかった。

漫画の中の世界のように大げさに転がるライト。

「った・・・ぁ・・・・」

「痛え・・な・・・っ!!お前、どこ見て歩いてんだ!!」

目の前で怒鳴り声を上げたのは、どう見ても不良の男子高校生。もちろんイケメン。
黒髪に白のメッシュを入れたガタイの良いその男は、ライトを見下ろしながら頭に怒りマークを浮かべている。

(キタコレ!角を曲がってぶつかって恋に落ちちゃう黄金のパターンのやつ!!)

垂れ目で睨みつけられても、快感しか湧いてこない。
ピアスをして、だらしなく服を着崩した彼からはタバコの香りがしている。

「ご・・ごめん、・・・えっと、森川・・?痛たた・・・ごめん、手貸して・・?」

上目遣い攻撃。ライトの上目遣いが通じない相手などこの世にいない。
相手が不良だろうがヤクザだろうが、この世界では全員がライトの顔にひざまずくだろう。

「な・・・どんくせぇなぁ。お前。おら。」

手を差し伸べた彼は、服装はともかく素材は王子そのもの。疑いようのないイケメンだ。
いくら凄んでガンを飛ばしても、イケメンは隠せない。垂れ目の甘いマスクが、花奈の興奮を煽った。

(ああだこうだ文句を言いながらも、手は差し出してくれる・・・イケメン・・・・♡)

すっかり目がハートマークになってしまった花奈は、次のターゲットを彼に設定する。

森川もりかわ 凌二りょうじ。同じクラスの生徒で、煙草はもちろんのこと、噂では毎日喧嘩に明け暮れているらしい。

(男の子は少しくらいヤンチャな方が良いよね・・・♡)




「ねぇ、森川。今日一緒にお昼食べない?」

「はぁ・・・お前、何なんだよ。しつけぇなぁ。」

ライトはことあるごとに森川に声をかけ誘うという原始的な作戦に出ていた。

「ダメ・・・?」

ライトの上目遣いに彼は「う・・」と一瞬動きを止め顔を赤めるが、なかなか落ちない。

「ねぇねぇ、森川。移動教室一緒に行こ。」

音楽の授業で部屋を移動する。他のクラスメートたちは皆とっくに移動してしまった。
がらんと静まり返った教室に、森川と二人きり。

「お前なぁ・・・良い加減にしろよ。」

彼は怒ってライトの手首をとる。
ギリっと彼の手に力がこもり、痛みが走った。

「痛・・・っ・・・森川・・・っ」

「あんましつけぇと犯すぞ。」

(それそれ、その展開・・・・・!!)

花奈は不良の本領発揮が待ちきれず、よだれを垂らしながら彼の目を見つめていた。



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