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淫らな想像
しおりを挟む結局、修斗と宗の二人に挟まれて眠ることになった。
宗が隣にいるだけで、落ち着かない。
顔だけは無駄に良い彼の寝顔が、目の前に迫っている。
彼の吐息が聞こえるほどの至近距離に、気になって全然眠れなかった。
彼は、一体何を考えているのだろう。
いつかの夜、私の中に侵入してきた彼の指に与えられた快楽を思い出して、悶々とした一夜を過ごした。
「お前、昨日の夜、俺の顔を見ながら淫らな想像してたよね?」
宗の鋭い一言に、私は目に見えて動揺した。
(な・・な・・・起きてたの?!このムッツリ男・・・・!?)
修斗は仕事のために、朝早く出かけて行った。
宗と二人きりの部屋。
彼は淹れてくれたコーヒーを、コトンと私の前に置く。
「やっぱり、指だけじゃ足りなかった?お前も、一応大人の雌なんだね。」
「な・・私は別に・・・っ」
椅子に座っている私の背後から、彼の手が伸びてきて、あの夜のように太ももに触れる。
「繕うなら、もっと上手くやらないと。お前の考えは、いつも見え見えなんだよ。」
確かにあの夜の興奮を思い出して悶々としていたのだけれど、絶対に認めたくないと意地を張ってしまうほどに、彼の態度は意地悪だ。
(宗さんのテクニック・・・・やっぱりヤバイ・・この男・・・・)
太ももに触れる指の動き。
耳元で聞こえる、彼の吐息。
「もっと俺を楽しませてくれよ?」
チュッと私の耳に口付けると、彼は私から離れ向かい側の席につく。
何事もなかったようにコーヒーを一口飲むと、綺麗な顔で微笑んだ。
彼に触れられた部分が、熱を持っている。
もっとしてほしい。
私の本心は、そう告げていた。
ドキドキしてしまう自分が悔しい。
彼にはいつも好き放題、やられてばかりだ。
彼をギャフンと言わせてやりたい!という願望が、胸の中に渦巻いていた。
「おはよう、ユミちゃん。って、宗さん・・・なんでアンタがここにいるんだよ?」
朝食を運んできた大我が、警戒心剥き出しで宗を見る。
パートナーだというのに、二人が絡むといつもややこしい状況に陥ってしまう。
「見てわからない?事後だよ、事後。」
大我の方をチラリとも見ずに、宗は優雅にコーヒーを飲んでいる。
「ちょっ・・意味わかんないけど、意味深な言葉言うのやめてください・・・!」
「ユミちゃん・・!ほんっとに宗さんとは何もないんだよな・・?!」
(あぁ・・・この流れ・・なんだか嫌な予感がする・・・)
「大我君、ユミの口からそんな淫らなこと言わせる気?」
「淫らってなんだよ・・!?宗さん、俺のユミちゃんに手出すなってあれほど言ってんのに・・・!」
「おい、地味女!!この前の告白の返事、今日こそは聞かせてもらうぞ!!」
バン、と扉を開けて勢いよく入り込んできた栄華に、ギャアギャア言い争っていた大我と宗が一瞬にして静かになる。
「告白って・・どういうことかな、栄華?」
「お前まさか、ユミちゃんにハニトラ仕掛けてんじゃねぇだろうなぁ?」
ニコニコしながら目はまるで笑っていない宗と、今にもキレそうな血管を浮かべてガンを飛ばす大我に出迎えられた栄華は、状況をまるで飲み込めず、キョトンとした顔で私を見つめてきた。
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