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『濃密な誕生日』
しおりを挟む「雫さんのピアノ、どうだった?」
「桜雅君、雫さんから聞いてたの?」
桜雅と雫は、仲が良い。
彼らはお互いにどんなことでも共有し理解しあっているので、妻の私の出番が無いことも多々あった。桜雅の出産時、妻である私よりも、夫の雫の方が完璧なサポートをしていたことを思い出す。
彼らの結束は固い。
「雫さんの様子が変だったから探り入れたら、繭ちゃんにピアノを聴いてもらいたいって言うから、すげーびっくりして。」
「すごく感動して泣きっぱなしだったよ、私。」
「俺も繭ちゃんを感動させられるようなことがあれば良いんだけど、雫さんの話聞いて敵わねぇって萎えたわ。」
私の誕生日を祝いたいという夫たちの気持ち。
それだけで充分だ。私は世界一幸せな妻であるという自信がある。
「だから今日は、こっちで繭を泣かせようかと思って。」
ふわりと身体が宙に浮く感覚に、私は思わず間の抜けた声を上げた。
お姫様抱っこされ、彼のベッドへと運ばれる。
お世辞にもスタイルが良いとは言い難い、ぽっちゃり系の私を軽々と持ち上げる彼の腕力。
「俺の身体でたっぷり奉仕してやっから、覚悟しろよ?」
私をベッドへ押し倒すと、彼はTシャツを脱ぎ捨て、美しい身体を披露する。
産後の身体をすぐに本調子に戻し、毎日トレーニングに励んでいた夫の完璧な肉体。
「ほら、どこがイイのか、ちゃんと口で言ってみ?」
グチュグチュと卑猥な音をたて、ゆっくりと内側へ擦り付けられる彼の立派な肉棒に、私はよがり狂っていた。
「やだ・・ぁ・・・桜雅・・くん・・っ・・・そこ・・・」
「ここがイイんだよなぁ?繭は。中がすげぇヒクヒクしてて、俺も気持ちい。」
焦らすように核心はつかず、ゆるゆるとペニスを出し入れする。
結合部を見ながら意地悪な笑みを浮かべる彼は、最高に官能的な表情をしていた。
「桜雅君・・っ意地悪しちゃヤダァ・・・・」
大きく脚を広げ、彼のペニスを求める。
擦って欲しい部分へ導こうと、腰がいやらしく揺れるのを抑えられない。
「やらしいな、繭・・・腰揺れてるけど?そんなに俺ので突いて欲しいの?」
雫に感動させられて泣いた数時間後には、こんな風に桜雅に泣かされている。
彼がこれほど意地悪な抱き方をするのは、初めてだった。
「ちゃんとおねだり出来たら、何回でもイかせてやっから、なぁ、お前の口から聞きたい。」
彼に「お前」呼びされると、どうしてこんなに興奮するのだろう。
カチカチのペニスで何度も内側を往復しながら、イイところに充ててくれない彼の意地悪に、私の理性は限界だった。
「お願い・・っ・・・桜雅君の・・ッ・・・おっきいの・・・ここにちょうだい・・っ」
お腹に手を当ててイイところを指さすと、彼が一気に欲情したのがわかる。
「よく出来ました、今すぐイかせてやるよ。」
身体を起こして、ペニスを上向きにお腹の内側を擦る。
視界がチカチカするほどの快感が下半身を支配し、私は脚を大きく広げたままビクビクと痙攣した。
「あっ・・・すごい・・ぃ・・・イックぅ・・・・・!!!!」
激しい快楽にビリビリと全身が震える。
「出るっ・・・!!あ・・・繭・・・っ繭・・・ッ!!!」
見せつけるように私のお腹の上に射精した彼は、ペニスを中へ戻し腰をブルブル震わせながら残りの精液を中に吐き出した。
(・・・桜雅君・・・っエロすぎる・・・ぅ・・・・!!!)
射精し終えた彼は、萎える気配のないペニスをそのまま最奥へと打ちつけた。
「あぁっ・・もうダメっ・・・・」
「今日はいっぱい泣かせるって言っただろ?お前ん中最高・・またすぐイク・・・っ」
ガンガン激しく腰を打ちつける彼の息が上がり、喘ぎ声が漏れる。
「あぁ~・・すげ・・ッ・・・出る・・っ・・・」
ペニスを引き抜こうとした彼の腰を脚で挟んでホールドした。
「お腹じゃなくて・・・・全部中に出して・・ぇ・・っ」
「繭っ・・・!・・あ~・・・止まんねぇ・・ッ」
彼は私のお腹の中に、何度も濃厚な精を放った。
♢♢♢
「繭ちゃんって時々すげぇ大胆なことするよなぁ。」
時間ギリギリまで抱き合って、慌てて服を着る。
秘密の逢瀬のようで、なんだかとても新鮮だった。
「桜雅君が・・・興奮させるからでしょ。。」
先に着替え終えた彼が、私のブラウスのボタンを止めてくれる。
「誕生日おめでとう。俺の、奥さん。」
愛する夫の腕の中で、私はまだ始まったばかりの幸福な誕生日を過ごしていた。
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