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診察室
しおりを挟む「碓氷先生。今いいですか?」
久々に大学に顔を出したら教授にお使いを頼まれた。
「あれ、王寺、珍しいね。どうした?」
碓氷 綾人。泌尿器科の医師。女性のような綺麗な顔立ちをした線の細い彼は、肩まで伸びた茶色の髪を首の後ろで一本にまとめて止めている。後ろ姿は女性そのものだ。
医師は気難しい人間が多い。変わり者が多いし、一般的な常識が通用しないことが日常茶飯事。
そんな業界で、この先輩は唯一常識人として俺が頼りにしている先輩だった。
いつも穏やかで余裕があり、イライラしているところは見たことがない。
忙しい生活のはずなのに、彼はいつもニコニコしている。
(きっと性生活が充実してるんだろうな・・・!)
「田中教授に頼まれたんですよ。この資料返しておいて欲しいって。」
どさっとデスクに置くと、彼は苦笑した。
「これ全部?王寺、持ってきてくれたんだ。ありがと。」
お礼しなきゃね、と言う先輩の言い方が、なんだか懐かしく思えた。
彼はとても面倒見の良い先輩で、学生時代はよく色々なことを相談したものだ。
泌尿器科の外来。夕方は人が誰も居なくてガランとしている。
物音ひとつ聞こえない。いつもたくさんの人間でごった返している場所が静かだと妙に不気味で落ち着かなかった。
「最近はどう?仕事はうまくいってるの?恋愛は?」
碓氷先生がデスクにマグカップをコトン、と置く。
コーヒーのいい香りに包まれる。
患者さんが座る椅子に腰掛けて、先生と向き合う。
「まぁ、仕事は上手くいっています。」
「恋愛は?」
「全然ダメで。欲求不満で爆発寸前でした。」
「また?君、学生時代もそんなこと言ってたよね。」
相談するならこの人だ、といつも思う。
「もっと色々なことに挑戦してみたいんですけど・・・勇気が出なくて。」
弘樹や羽柴先輩と寝て思ったことがある。
(後ろに挿れられるのってそんなに気持ちいいのか・・・?)
彼らは俺のペニスでとても気持ちよさそうにしていたから。
「碓氷先生・・!う・・・後ろでイッたことって・・・ありますか・・?」
シーンと静まり返っている外来に想像以上に声が響いた。
「・・・・あるよ。」
しばしの沈黙に緊張してしまった。急にこんな話をして引かれたのかと思い、汗が吹き出す。
「・・・気持ちイイのかなぁ・・・って。」
碓氷先生は、コーヒーを一口飲んでデスクに置くと、診察台を指差した。
「そこに横になってごらん。後ろでイクのがどれほど気持ちイイか、特別に僕が教えてあげるよ。」
(え・・?え・・・?!この診察台で・・・?!)
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