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エッチしたい!

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俺の名前は王寺 基治おうじ もとはる

大学病院で脳神経外科医をしている。手術の腕が良いと評判になり、あっという間に業界では有名人になってしまった。
外来には全国から大勢の患者が訪れ、予約枠はいつもいっぱい。何ヶ月待ってでも俺に診て欲しい、手術をして欲しいという患者が後を絶たない。

若くして大学病院の脳外科ホープ。メディアにも大々的に取り上げられ、すでに何冊か出している著書も、執筆中に次の本の出版が決まるほど好評だ。
人生の全てが順調にいっている。周りから見たらそうだろう。

それでも俺は今、ストレスで爆発しそうだった。

エッチしたい!


俺の毎日は多忙で、プライベートに割ける時間がほとんどない。
恋人を作る時間が全くないのだ。

病院と家との往復。
帰宅してからも、学会のための論文を書いたり、治療や手術の手順確認、出版のための準備などに追われている。誰かに出会ったり、恋人になるまでのデートを重ねる時間が全然ないのだ。

欲求不満は良くない。
性欲は、食欲、睡眠欲に並ぶ人間の3大欲求の一つなのだ。
その上俺は元々性欲が強い方だ、と思う。
精力には自信があるし、どんなに疲れていても性的欲求は毎日のようにこの身を襲う。

あまりに欲求不満状態が長く続き過ぎて、仕事をしていてもふとした時に性欲が爆発しそうになってハッとする。
このままでは医師として、仕事にも影響が出かねんと危機感を抱き始めた。

この危機を乗り切るため、俺は考えた。
恋人を作る時間を捻出するのは難しいし、出来たとしても関係を築き上げるために定期的に会えるという保証はできない。
会わなければいけない関係性、というのもまたストレスの元凶になったりするものだ。

とりあえず、エッチしたい。エッチできればそれで良い。
そういう方向にシフトすることにした。

ありがたいことに俺はかなりモテる。
院内、院外問わず、エッチする相手を得ることは可能だろう。
まずはエッチしてみてから、恋人になるかどうか熟考する!

俺はそう決意した。

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