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彼女
しおりを挟む「私は・・・浅葱のこと・・・・」
ーーーピンポーン。
浅葱の告白に返事をしようと、口を開いたところで、インターホンが鳴り響く。
まるでインターホンの音が聞こえていないかのように、黙ったまま私を見つめる浅葱の本気度が、胸をぎゅっと苦しくさせた。
ーーーピンポーン、ピンポーン。
鳴り止まないインターホンに、見つめ合う視線を逸らす。
ドキドキしたまま玄関の扉を開けると、そこには「清楚」を絵に描いたようなロングヘアの美しい女性が立っていた。
「澪ちゃん、どうしたの?」
キラキラした彼女に思わず見惚れていると、背後から浅葱の声が響く。
「浅葱君、久しぶり。近くに来たから、寄ってみたの。」
(うわ~声までかわいい・・・!!一体誰なの、この美女は・・・!?)
彼女が微笑むと、ますますキラキラ度が増して、目がチカチカする。
「澪・・さん?え~っと・・・」
訳が分からず、浅葱と彼女を交互に見ると、彼女がとびきりの笑顔を私に向けて会釈した。
「はじめまして。私、桜坂 澪と申します。」
美女は、名前まで可愛いらしい。
小花柄のワンピースがよく似合う華奢な肩、細い足首、サラサラのストレートヘア。
彼女が動くたびに、フローラルな良い香りが漂う。
男だったら絶対好きになる「守ってあげたい彼女」の理想像が具現化したみたいな存在だ。
「澪ちゃんは、御影の彼女。」
「・・・・・え?」
御影の、彼女・・・?
本当に驚いた時、人間は気の利いたリアクションなんてとれないのだと、私はこの時初めて知った。
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