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第三十六話 魔法学園長の座
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学園長室を出ると、アルフレッドがいつものように、浮遊して、現れる。
「おはよう、ローラ。おっと、新・魔法学園長様と言った方が良かったかな?」
アルフレッドは、からかうようにローラに話しかける
「も、もう、止めて下さい。でも、そう呼ばれることになれなくてはいけないのですよね?」
ローラは、照れながらも、真剣にそう考え、こたえる
「ああ、そうだな。この魔法学園の改革は、この国の未来に関わる重大な事業のひとつだ。だから、恥ずかしいとかではなく、君は自信を持って、魔法学園長として、働いて貰わなくては困るからな。」
「ええ、わかったわ、アルフレッド。でも、実力主義の魔道師のなかで………。」
アルフレッドが不安を口にするローラの言葉を遮り、
「まぁ待て、そんなに、魔道師の実力主義を気にするなら、カールを副学園長にして、君を支えるようにしよう。わかったな?カール!」
突然の話に、戸惑いながらカールが応える。
「はい!って………ほ、本当ですか?私が副学園長?で、でもそれでは、アルフレッド様の親衛隊としての私の席は……。」
少し残念そうな気持ちを表すカールに、
「ああ、それは、私にとっても痛手ではあるが、ローラを支え、ここまで学園に尽くしてくれた君の功績に報いるにはこれが一番かと思ったのだが……嫌か?」
アルフレッドが優しく問いかけると、
「全く嫌では無いです。と言ったら、嘘になりますが、副ではありますが、魔法学園長として、実力を認められたものとして、嬉しくもあります。」
正直な気持ちをカールがこたえ、
「うん、うん、そう言ってくれるなら、私も安心してまかせられる。頼んだぞ、カール!」
アルフレッドはカールの両肩を力強く叩く。
「はい!お任せ下さい!」
次々と決まる話に、ローラは、
「あ、あの~、学園長の私の立場は?それよりも、カールが学園長の方がよいのではないですか?」
「ん?それはいかんぞ!その場合、カールがローラに気兼ねして、動きづらくなる。何よりローラ、君は学園長の前に、私の妻だ。自信を持って学園長の任に邁進してくれ!」
「いえ、ですから魔道師としての……」
「ん?まだ続けるのか?わかった!そうまで言うなら、ローラ、君も副学園長だ!そして、私が学園長になる。しかし、私は他にやりたい事もあるからな。代行として、全てはローラ、君に任せよう。そして、カールも副学園長として、ローラを支える。よし、完璧だな、決まりだ!」
こうしてローラは副学園長となり、カールは引き続き、ローラを支えるようになった。
「おはよう、ローラ。おっと、新・魔法学園長様と言った方が良かったかな?」
アルフレッドは、からかうようにローラに話しかける
「も、もう、止めて下さい。でも、そう呼ばれることになれなくてはいけないのですよね?」
ローラは、照れながらも、真剣にそう考え、こたえる
「ああ、そうだな。この魔法学園の改革は、この国の未来に関わる重大な事業のひとつだ。だから、恥ずかしいとかではなく、君は自信を持って、魔法学園長として、働いて貰わなくては困るからな。」
「ええ、わかったわ、アルフレッド。でも、実力主義の魔道師のなかで………。」
アルフレッドが不安を口にするローラの言葉を遮り、
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「ああ、それは、私にとっても痛手ではあるが、ローラを支え、ここまで学園に尽くしてくれた君の功績に報いるにはこれが一番かと思ったのだが……嫌か?」
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正直な気持ちをカールがこたえ、
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アルフレッドはカールの両肩を力強く叩く。
「はい!お任せ下さい!」
次々と決まる話に、ローラは、
「あ、あの~、学園長の私の立場は?それよりも、カールが学園長の方がよいのではないですか?」
「ん?それはいかんぞ!その場合、カールがローラに気兼ねして、動きづらくなる。何よりローラ、君は学園長の前に、私の妻だ。自信を持って学園長の任に邁進してくれ!」
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こうしてローラは副学園長となり、カールは引き続き、ローラを支えるようになった。
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