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第三十三話 ヘンリーの告白、ヘンリー視点
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ローラが久しぶりに僕の屋敷に訪ねて来たんだ。
僕は嬉しくてたまらなかった。
毎日、毎日、毎日、毎日、グレースに罵倒されて過ごす日々に身体は痩せて、心は疲れきってしまったんだ。
先日、ローラが結婚すると知らせが入って、結婚式の招待状も届いたけど、グレースにいくなと怒鳴られたんだ。そして、ローラの結婚式の翌日には、何処か虫の居所が悪かったのか、
「何で上手くいかないの?私は、私は、……何で!」
と、うわ言のような事を叫びながら、つかみかかられたんだ。
そんなこともあって、僕はグレースとの婚約を破棄しようかななんて、思っていた。
そんなところに、昔よりも綺麗になったローラがあらわれる。……これは運命なのか?と思ったりもしたけれど、冷静に考えれば、彼女の後ろには、あの、アルフレッド王子がいるんだ。しかも、もう彼女と結婚している。頂点まで登った僕の心は再び地獄の底に落ちたような気分だったよ。でも、一縷の望みをかけて、僕は今、考えていることをローラに伝えてみたんだ。
「ここだけの話、もう、婚約破棄を考えているんだ。」
「そんな、あんなに二人とも幸せそうだったのに。」
そう話す君が動揺しているのがわかったよ。
「ああ、そうだね。あのときはそうだったのかも知れないね。でも、今は全てが壊れてしまったんだ。…………」
「ごめんなさい、私、何もしてあげられなくて……」
「良いんだよ。ローラ、君が僕の事を気にして、こうして訪ねて来てくれただけで、僕は幸せさ。ところで、学園はどんな感じなんだい?」
「順調に再開に向けて準備しているわ。カリキュラムも大幅に変わるから、ヘンリーもよろしくね。」
「ああ、わかった。でも、ローラはもう、学生ではないんだね。一緒に卒業したかったよ。」
「そうね、ごめんなさい、これからは、学園の経営を頑張るから、ヘンリーも応援してね。」
「ああ、そうだな。陰ながら応援しているよ。」
「ありがとう。グレースに、会えないわよね。」
「ごめんな。彼女は近頃は全く部屋から出ようとしないんだ。」
「そう。わかったわ。ごめんなさい、大変な時に……ヘンリー、貴方にだけでも会えて良かったわ。また、来るわね。」
「ああ、また、……今日はありがとう。」
そうして、君は僕の屋敷を後にした。この後グレースに何を言われるんだろう……。本当に婚約破棄がちらついていたよ。
僕は嬉しくてたまらなかった。
毎日、毎日、毎日、毎日、グレースに罵倒されて過ごす日々に身体は痩せて、心は疲れきってしまったんだ。
先日、ローラが結婚すると知らせが入って、結婚式の招待状も届いたけど、グレースにいくなと怒鳴られたんだ。そして、ローラの結婚式の翌日には、何処か虫の居所が悪かったのか、
「何で上手くいかないの?私は、私は、……何で!」
と、うわ言のような事を叫びながら、つかみかかられたんだ。
そんなこともあって、僕はグレースとの婚約を破棄しようかななんて、思っていた。
そんなところに、昔よりも綺麗になったローラがあらわれる。……これは運命なのか?と思ったりもしたけれど、冷静に考えれば、彼女の後ろには、あの、アルフレッド王子がいるんだ。しかも、もう彼女と結婚している。頂点まで登った僕の心は再び地獄の底に落ちたような気分だったよ。でも、一縷の望みをかけて、僕は今、考えていることをローラに伝えてみたんだ。
「ここだけの話、もう、婚約破棄を考えているんだ。」
「そんな、あんなに二人とも幸せそうだったのに。」
そう話す君が動揺しているのがわかったよ。
「ああ、そうだね。あのときはそうだったのかも知れないね。でも、今は全てが壊れてしまったんだ。…………」
「ごめんなさい、私、何もしてあげられなくて……」
「良いんだよ。ローラ、君が僕の事を気にして、こうして訪ねて来てくれただけで、僕は幸せさ。ところで、学園はどんな感じなんだい?」
「順調に再開に向けて準備しているわ。カリキュラムも大幅に変わるから、ヘンリーもよろしくね。」
「ああ、わかった。でも、ローラはもう、学生ではないんだね。一緒に卒業したかったよ。」
「そうね、ごめんなさい、これからは、学園の経営を頑張るから、ヘンリーも応援してね。」
「ああ、そうだな。陰ながら応援しているよ。」
「ありがとう。グレースに、会えないわよね。」
「ごめんな。彼女は近頃は全く部屋から出ようとしないんだ。」
「そう。わかったわ。ごめんなさい、大変な時に……ヘンリー、貴方にだけでも会えて良かったわ。また、来るわね。」
「ああ、また、……今日はありがとう。」
そうして、君は僕の屋敷を後にした。この後グレースに何を言われるんだろう……。本当に婚約破棄がちらついていたよ。
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