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第三十一話 ローラの結婚初夜
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披露宴が終わり、ベッドにアルフレッドと一緒に入る。
初夜と言うものらしいが、ここ最近は、学園の改革や学園長就任後の準備、そして、結婚式の準備も重なり、なかなか二人で共に夜を過ごす事は無かったので、とても久しぶりの事である。以前に、もう初めては終えているとはいえ、気持ちの無い、ましてや本当に愛する人の顔がちらついてしまい、ローラにとっては、辛い時間となっていた。
「ローラ、大丈夫かい?」
優しくローラの髪を撫でながら、アルフレッドが声をかける。
「ええ、気にせずに、好きに動いてアル。」
少し苦痛に顔を歪めながら、ローラが応える。
「でも、ローラが辛そうでな。」
ベッド上ではいつもの残虐さは消え、優しさのみでローラに接するアルフレッド。
「多分私は、こう言う行為が、苦手みたいね……ごめんなさい。」
ローラが苦し紛れの良いわけをしながら、アルフレッドにこたえ、
「そうか、それなら……ごめんな。すぐにすませよう。」
アルフレッドはローラを気遣いながらも、ローラの中で果てた。
本来愛し合う者同士なら、こんなこともなく、行為に没頭し、お互いに気持ちが昂るところなのだろうけど、ローラの愛はアルフレッドとは別のところにあるため、この行為がローラにとって、気持ち良いとは成らず、相変わらず、痛みのみであった。そんな結婚初夜を終え、ローラは先の結婚生活を不安に思うのであった。
~~~~~~翌朝~~~~~
「おはようローラ。」
隣でアルフレッドが先に目覚めていた。ローラはだるさの残る身体をおこし、
「おはよう、アル、昨日は色々な事があったから、まだ疲れが取れないわ。」
「そうか、パレードでは緊張をさせてしまったしな。」
ローラの髪を撫でながら、アルフレッドが語りかける。
「そんなことはないわ、アルが隣にいたから、そこまでの恐怖は感じなかったの。でも、周りで人を殺めていても、何も感じない事に、慣れてきている自分が、怖いの。」
ローラが自分の正直な気持ちを話すと、
「ん?そうなのか?降りかかる火の粉は払うのが当然だろう?まぁ、ローラもそのうち完全に慣れるさ、」
アルフレッドは気にすることは無いと、あっさり返されてしまった。この事に、ローラは不安を覚えたが、
「そうね、人は慣れていく生き物だものね。……」
なんて、返してみた。
「疲れているなら、もうしばらくここに滞在してリフレッシュしてから学園に帰るか?」
「ええ、そうね、………でも、あまり閉鎖したままだと、生徒達も困ってしまうし、」
「まぁ、そう焦らなくてもいいぞ。ローラは新しい学園長になるんだ、そんな君が再開の始めから疲れた表情でいたら皆が不安がるぞ。皆の為にも、しっかり休めよ。」
「そうね、ありがとう。」
こうしてローラはしばらく身体を休め、学園に戻るのだった。
初夜と言うものらしいが、ここ最近は、学園の改革や学園長就任後の準備、そして、結婚式の準備も重なり、なかなか二人で共に夜を過ごす事は無かったので、とても久しぶりの事である。以前に、もう初めては終えているとはいえ、気持ちの無い、ましてや本当に愛する人の顔がちらついてしまい、ローラにとっては、辛い時間となっていた。
「ローラ、大丈夫かい?」
優しくローラの髪を撫でながら、アルフレッドが声をかける。
「ええ、気にせずに、好きに動いてアル。」
少し苦痛に顔を歪めながら、ローラが応える。
「でも、ローラが辛そうでな。」
ベッド上ではいつもの残虐さは消え、優しさのみでローラに接するアルフレッド。
「多分私は、こう言う行為が、苦手みたいね……ごめんなさい。」
ローラが苦し紛れの良いわけをしながら、アルフレッドにこたえ、
「そうか、それなら……ごめんな。すぐにすませよう。」
アルフレッドはローラを気遣いながらも、ローラの中で果てた。
本来愛し合う者同士なら、こんなこともなく、行為に没頭し、お互いに気持ちが昂るところなのだろうけど、ローラの愛はアルフレッドとは別のところにあるため、この行為がローラにとって、気持ち良いとは成らず、相変わらず、痛みのみであった。そんな結婚初夜を終え、ローラは先の結婚生活を不安に思うのであった。
~~~~~~翌朝~~~~~
「おはようローラ。」
隣でアルフレッドが先に目覚めていた。ローラはだるさの残る身体をおこし、
「おはよう、アル、昨日は色々な事があったから、まだ疲れが取れないわ。」
「そうか、パレードでは緊張をさせてしまったしな。」
ローラの髪を撫でながら、アルフレッドが語りかける。
「そんなことはないわ、アルが隣にいたから、そこまでの恐怖は感じなかったの。でも、周りで人を殺めていても、何も感じない事に、慣れてきている自分が、怖いの。」
ローラが自分の正直な気持ちを話すと、
「ん?そうなのか?降りかかる火の粉は払うのが当然だろう?まぁ、ローラもそのうち完全に慣れるさ、」
アルフレッドは気にすることは無いと、あっさり返されてしまった。この事に、ローラは不安を覚えたが、
「そうね、人は慣れていく生き物だものね。……」
なんて、返してみた。
「疲れているなら、もうしばらくここに滞在してリフレッシュしてから学園に帰るか?」
「ええ、そうね、………でも、あまり閉鎖したままだと、生徒達も困ってしまうし、」
「まぁ、そう焦らなくてもいいぞ。ローラは新しい学園長になるんだ、そんな君が再開の始めから疲れた表情でいたら皆が不安がるぞ。皆の為にも、しっかり休めよ。」
「そうね、ありがとう。」
こうしてローラはしばらく身体を休め、学園に戻るのだった。
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