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第二十四話 城下町にて

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城下町はとても賑わっていた。

アルフレッドは、1メートル程の高さを、浮遊しながら、ローラの少し先をすすむ。 

「やっぱりとても賑わっていますね。」

周りの商店を見回し、ローラが言う。

「ああ、私の自慢の都市だ。まぁ、古くから、王都として、栄えてきたから、当たり前ではあるのかな。」

アルフレッドには珍しく、謙虚な物言いに、

「いえ、魔物殲滅をした広大な土地から採れる鉱石や、治安良くなったことから来る、流通網の発達も影響してのこの賑わいなんですものね。アルフレッド殿下の都市と胸を張って言っても良いんじゃないですかね。」

ローラがすかさずアルフレッドの功績だと話す。

「ん?そうだ。なんだ、全てわかっているのか。」

少し驚き顔でアルフレッドが返したので、

「いえ、ほとんど父の受け売りです。」

「うん、うん、そんな正直な所も好きだぞ、ローラ。」

アルフレッドが振り返り、笑顔で返す。

「え、あ、ありがとうございます。」

「しかし、そこまで理解しているとは、お前の父上は見る目があるな。………よし、新しい王宮とこことを繋ぐ領地をノアに治めてもらおうかな。」

「え?そ、それは?」

「この、今いる王都周辺はこれから私の領地になる。そして、キース次期国王は街道の整備などにより、ここよりは各国と連携のとりやすい場所に移ってもらうからな。まぁ、近いうちに遷都するってことだ。」

「え?あ、あの物凄いことを街中でしゃべってますけど………殿下。」

ローラが慌てて言うと、

「お、そうだったな。国家機密だ。誰もしゃべるなよ!」

「「はい!」」

周りから揃って返事が返る!

「え?周りの人達、聞いていたの?」

「ふ、まぁ、私の話を聞いていれば、金儲けにつながるからな。ほら、そこの大きな間口の商店があるだろう?あそこなんかは、魔物殲滅の時の話を聞いていた奴の所だ。話を聞く前は小さな屋台でしかなかったがな。」

「す、凄い……。」

「そうだな、やっぱり、情報というのは価値があるらしい。と言うわけで、ローラ、周りを見回してごらん。」

ローラが見ると、聞き耳を立てている商人が何人もいた。

「さっき言ったように、私は誰にもしゃべるなとは言ったが、その為に買い付けや、人を雇うなとは、言ってない。私はたまにこうして城下を回って話をするからな。まぁ、遷都したとしても、ますますこの都市は賑わう、と言うことだな。」

自信家のアルフレッドが笑う。
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