【完結】愛する人には婚約者がいました。～愛する人もその婚約者も私の幼馴染みだから、私は二人を祝福することに決めたんです。～

第十一話 幼馴染みの食事会 ヘンリー視点

やはり、ローラは学園長室から出てきた。最近は何かと学園内をあちらこちらに走り回って、いたからここで張っていれば逢えるんじゃないかと思っていたらドンピシャだった。ローラは最近休んでいないんじゃないか？と、心配になる。今日は思いきって食事会に誘って見た。グレースもローラの事が、気になっていたようだから、ローラを屋敷によんだら喜んでくれるだろう。ローラを誘い、屋敷に戻って、グレースにローラが今晩、夕食を、一緒に摂る為に屋敷に来ると話すと、

「そんなこと、勝手に決めないでよ、ヘンリー！」

「ああ、ゴメン。でも、グレースが最近ローラは何をしているのかと気にしていたから、一緒に食事でもしながら話をしたら君も喜ぶかと思って呼んだんだよ。」

「あ～、そうね、確かに、最近忙しそうにしていたしね……。分かったわ、ヘンリー、ありがとう。ごめんなさいヘンリー、今少し気分がすぐれなかったのよ……。ローラを屋敷に呼んでくれてありがとう。」

「いや、良いんだ。でも、君の気分が優れないなら、延期しようか？」

「いえ、良いのよ。それで、何時ごろ来るって？」

………。グレースは本当はローラと会いたくないのか？とこの時は思ったんだ……

そんなこともあって、ローラが来るのが遅れて来たけど、グレースも、ローラの事を心配している様子だったし、僕の思い過ごしかな？なんて、思うことにした。

しかし、アルフレッド殿下は凄い方のようだ。ご自分は王位を継がずに、キース殿下を支える……そんなことを言って、あれだけの影響力があれば、裏から操ったりするのだろうか………学園内はローラによって、改革が進められているし、ローラは生徒でありながら、もう学園を支配しているのも同然みたいだしな。

ああ、僕の初恋の君は、ドンドンと遠い存在になってしまうね。

最近はご無沙汰だけど、君が殿下との婚約した話が聞こえてきた頃は、毎晩の様にグレースと夜を共に過ごす事が多かった。

そんなときも、グレースを抱きながら、ローラ、君の事を考えてしまう愚かな僕がいるんだ。

ああ、これがローラだったならどんなに幸せだろうと思いながらグレースを抱く日々は、僕の心を蝕んで行ったよ。婚約をして、グレースを抱いて、それでも君を想う……僕は本当に最低な男のようだ。

それでも、いつも想うよ君の幸せを。

心から君を心配する事だけが、今僕に出きることだろう。

しかし、グレースの言う月のものとはなんだろう……何かを毎月、配達でもお願いしていたかな？