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第一話 幼馴染みの婚約式
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公爵令嬢のローラには、二人の幼馴染みがいた。
「今日はヘンリーとグレースの婚約式ね……。寂しくなるわ。」
「何を言ってるのローラ?もう会えなくなるわけじゃ無いじゃないの。何より学校で毎日会っているでしょ?今までと何も変わらないわよ。」
「そうだぞローラ、グレースの言う通り、何も変わらないさ、この式だって、父上の具合が思わしくないから、婚約を急いだだけで、これからも三人は一緒だ!」
「そうよ。あの時も約束したじゃない。」
~~~10年前~~~
「ちょっと、グレース遅いわよ、早くして、ヘンリー様のお茶会に遅れるじゃない!」
「ご、ごめんなさい、ローラ。ヘンリー様とお会いするから、なかなか服が決まらなくって……。」
「もう!グレースはヘンリーの事となると大変ね。でも、本当に彼の事が好きなのね。」
「ええ、あの方は、ブロンドの髪に、吸い込まれるような蒼い瞳をしていて、とても整った顔立ちに、何より、誰にでも優しくせっする素敵な方なのよ。」
「へ~、そうなのね。」
「もう!ローラったらそんな素っ気ないふりして、貴女もヘンリー様を素敵だと思わない?」
「さあ、どうかしら、さっ行くわよ!」
ローラはグレースの手を引き、ヘンリーの家の庭を走り抜ける。すると、綺麗に刈り揃えられた芝生の庭に、二人の話にでていた、綺麗な顔立ちの男の子が立っている。
「お姫様方、僕のお茶会においで頂き、ありがとうございます。」
そんな挨拶をするヘンリーの後ろには、大きなテーブルがあり、真っ白なクロスを広げた上には、スコーンや、プティフール、飾り切りされたフルーツなどが、可愛らしい彫刻の施された木製の置物の上や、お皿に上品に盛り付けられていた。
「わぁ、本当にヘンリーはセンスが良いわね。」
「ありがとう、ローラ。さっ、こちらにどおぞ。」
ヘンリーが椅子を引き、ローラを座らせる。
「ありがとう、ヘンリー。」
「グレースも、こちらにどおぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
「今日は皆集まってくれてありがとう。」
「はいはい、挨拶はいいからはじめましょう。」
こうして楽しい時間は過ぎ、
「ローラ、君に伝えないと行けないことがあるんだ。」
「なによ、あらたまって、」
「グレース、こっちに、」
グレースはヘンリーのそばに立ち、
「僕たちの両親の間で、二人は将来結婚することになったんだ。」
「ん?結婚?婚約ってこと?」
「まぁ、正式な婚約式はずっと先の事になるとは思うけど、ローラには祝福してもらいたくて、今日の会を開いたんだ。」
「え、じゃあ、もう三人で遊べなくなるの?」
「いや、そんなことはないさ、これからも三人はいつも一緒だよ。」
「本当に?絶対よ!」
「ん?ローラ、そんな強く言わなくたって大丈夫さ。」
「そうよ、ローラ、この幼馴染み三人は私とヘンリー様が結婚してもずっと変わらないわよ。」
~~~~~~~~~~~~~~
「そうだったわね。ずっと一緒よね。」
「その通りよ。安心して、ローラ。」
「ああ、安心して僕の家に、遊びに来れば良いんだよ。何よりこれからは、ここにグレースが、いるから呼びに行く手間が省けるぞ。」
「はは、確かに、前向きにとらえればその通りね。」
「だろう?」
こうして私の幼馴染みの二人の婚約が成立したのだった。
「今日はヘンリーとグレースの婚約式ね……。寂しくなるわ。」
「何を言ってるのローラ?もう会えなくなるわけじゃ無いじゃないの。何より学校で毎日会っているでしょ?今までと何も変わらないわよ。」
「そうだぞローラ、グレースの言う通り、何も変わらないさ、この式だって、父上の具合が思わしくないから、婚約を急いだだけで、これからも三人は一緒だ!」
「そうよ。あの時も約束したじゃない。」
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「ちょっと、グレース遅いわよ、早くして、ヘンリー様のお茶会に遅れるじゃない!」
「ご、ごめんなさい、ローラ。ヘンリー様とお会いするから、なかなか服が決まらなくって……。」
「もう!グレースはヘンリーの事となると大変ね。でも、本当に彼の事が好きなのね。」
「ええ、あの方は、ブロンドの髪に、吸い込まれるような蒼い瞳をしていて、とても整った顔立ちに、何より、誰にでも優しくせっする素敵な方なのよ。」
「へ~、そうなのね。」
「もう!ローラったらそんな素っ気ないふりして、貴女もヘンリー様を素敵だと思わない?」
「さあ、どうかしら、さっ行くわよ!」
ローラはグレースの手を引き、ヘンリーの家の庭を走り抜ける。すると、綺麗に刈り揃えられた芝生の庭に、二人の話にでていた、綺麗な顔立ちの男の子が立っている。
「お姫様方、僕のお茶会においで頂き、ありがとうございます。」
そんな挨拶をするヘンリーの後ろには、大きなテーブルがあり、真っ白なクロスを広げた上には、スコーンや、プティフール、飾り切りされたフルーツなどが、可愛らしい彫刻の施された木製の置物の上や、お皿に上品に盛り付けられていた。
「わぁ、本当にヘンリーはセンスが良いわね。」
「ありがとう、ローラ。さっ、こちらにどおぞ。」
ヘンリーが椅子を引き、ローラを座らせる。
「ありがとう、ヘンリー。」
「グレースも、こちらにどおぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
「今日は皆集まってくれてありがとう。」
「はいはい、挨拶はいいからはじめましょう。」
こうして楽しい時間は過ぎ、
「ローラ、君に伝えないと行けないことがあるんだ。」
「なによ、あらたまって、」
「グレース、こっちに、」
グレースはヘンリーのそばに立ち、
「僕たちの両親の間で、二人は将来結婚することになったんだ。」
「ん?結婚?婚約ってこと?」
「まぁ、正式な婚約式はずっと先の事になるとは思うけど、ローラには祝福してもらいたくて、今日の会を開いたんだ。」
「え、じゃあ、もう三人で遊べなくなるの?」
「いや、そんなことはないさ、これからも三人はいつも一緒だよ。」
「本当に?絶対よ!」
「ん?ローラ、そんな強く言わなくたって大丈夫さ。」
「そうよ、ローラ、この幼馴染み三人は私とヘンリー様が結婚してもずっと変わらないわよ。」
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「そうだったわね。ずっと一緒よね。」
「その通りよ。安心して、ローラ。」
「ああ、安心して僕の家に、遊びに来れば良いんだよ。何よりこれからは、ここにグレースが、いるから呼びに行く手間が省けるぞ。」
「はは、確かに、前向きにとらえればその通りね。」
「だろう?」
こうして私の幼馴染みの二人の婚約が成立したのだった。
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