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シレーヌへの出立準備

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イデアルの街は、魔の森、ランフォーレグより分けて貰う木々から、木工品を作り、販売することにより、大いに栄えていた。街から都市への道も見えてきたそんな時、マリアにシレーヌへの領地替えの文が届く。 

「………マルタンを新領主とし、マリアを伯爵から侯爵への昇爵に伴い、シレーヌへの………なんですって!領地替え?」

「みたいですな、一応領土は5倍になりますが……あそこは……」

「砂漠の町よ!オアシスはあるけれど、町の規模からしたら今の十分の一……。私は何かしたのかしら?」

「まぁ、イデアルを大きくしすぎたので、厄介払いかと……。」

「ガブリエル!それはどういう事?」

「まぁ、政治的なことですな……優秀過ぎる人物にはよく降りかかる妬みかと……。」

「そ、そんな……私は廃墟のイデアルを立派な都市にするべく……。」

「王国の侯爵となっては、仕方のない事かと。」

「ん~。よし!今度はシレーヌを立派な都市にしてみせるわ!」

「いえ、聞いてました?私の話……。」

「ええ、でもシレーヌの町が発展すれば、民衆もまた、豊かな暮らしができるはずよ!」

「はぁ、マリア様は前向きな方ですね。」

「領主が根暗でどうするの?私が率先して明るく振る舞えば皆は付いてきてくれるはず!まずは、砂漠が問題ね。ランフォーレグに相談するのが一番ね!」

マリアはすぐに魔の森へ向かうと、

「ランフォーレグ!相談があるの、聞いてくれるかしら?」

「「ん?マリアか。どうなされた?」」

「私は、これから砂漠の町に行くことになったの。砂漠の大地を緑にするにはどうすれば良いか、教えてくれない?」

「「砂漠は、砂の大地、土があり、水が潤えば緑は根付く、しかし、砂地を土にすることも、砂地は水を通してしまう為、潤す事も難しい。」」

「そうよね~。水を操れるモンスターなんて存在しないかしら~?」

マリアはおねだりするような口調で話かける。

「「ふはははは!マリアはそんな一面も持っているのか?まぁ、私からの餞別に、生命の種を二つあげよう。そして、ソヒーも連れていくがよい!必ず役に立つだろう。」」

「ありがとう!ランフォーレグだ~い好き!」

「「ん~、なんか気味が悪いぞ。」」

「ひっど~い!……なんてね、ありがとう。感謝するわ!」

「「ふ、しかし、人間の世界も大変だのう」」

「ええそうね、貴方とは暫くお別れね……本当に色々とありがとう。イデアルが栄えたのも全て貴方の支えがあったからこそ……領主はマルタンに変わるけど、彼なら心配なく貴方とやっていけると思うわ。」

「「マルタンか、あやつなら大丈夫だろう。私の身体を、手入れする手際も、悪くなかったからのう。」」

こうしてマリアは準備を終え、旅立つのだった。



















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