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浮気相手の男爵令嬢を妊娠させた?色々と好きにやられたようなので、チョットいたずらしちゃいますね。 後編
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風雨が激しくマリアに襲いかかるが、そんなものはものともしないといった感じで歩みを進めるマリア。
ハルトの部屋から廊下に出て直ぐに、メッセージの魔法で呼びつけておいた馬車がマリアの前へと止まると、マリアはゆっくりと乗り込む。
マリアは、怒りの表情のまま客車の扉を閉めると、客車の中に待機していた執事のセバスチャンが差し出すタオルを、無言のまま受け取り、ビショビショに濡れた髪へとあてる。
「さて、どおしてくれようか………まずは、あの書類…絶対にあやしいのよね……。」
マリアは髪を乾かしながらメッセージの魔法を飛ばす。
『ちょっと調べて欲しいことがあるの………』
激しい豪雨で視界を奪われた馬車は、ブラン侯爵邸を抜けた辺りで停車する。
マリアは仕方がないと、その場でメッセージの相手の返事を待つ……。
稲妻が、馬車の側にある樹に落ち、火の手が上がるが、雨が直ぐに消し去る………
暫くして、マリアの元にメッセージの魔法が飛んで来ると、調べさせた答えが伝えられる………。
「そう、やはりあの妊娠はウソだったのね……」
ワナワナと、怒りに震えるマリア。
「我がノワール伯爵家を、よくもバカにしてくれたわね……ヴェール男爵の令嬢だったかしら?まぁ、ハルトの浮気に気付かないほど日和っていた私の責任も有るわよね……さてどうしてくれようか……」
ノワール伯爵家は、代々裏家業に精通する貴族であった事から、マリアも幼い頃から英才教育を受けていた……。
しかし、ハルトと婚約し、平穏な家庭を築くように父親に言われ、闇からは足を洗った事がいけなかったと思うマリア………。
そっと、客車の窓から外を覗き、マリアは口角を上げる。
「この立派な庭にちょっと悪戯することにしましょう♪まぁ、あの女に妊娠なんて嘘をつかれたとは言え、ハルトも私を裏切ったんだしね……この罠に気付ければ 、貴方の暮らしは守れるからね♪まっ、嘘の妊娠に気付かない奴に分かるかは……ふふふふふ♪」
そう言うと、マリアは執事のセバスチャンと共に、泥にまみれながらも、庭に仕掛けをして実家のノワール伯爵領へと帰って行くのだった………
3ヶ月後…………
「さて、セバスチャン、ブラン侯爵の庭には、何色のお花が咲いているかしら?」
マリアはハルトの性格、屋敷の事情も知った上で、執事のセバスチャンに確認をとる。
「はいお嬢様、赤やオレンジの花が咲き乱れております。何より、お嬢様がお屋敷をお離れになられてから手入れを怠っているようでして、気付いてはいないかと………」
そう淡々と報告するセバスチャン。
マリアはその言葉に満足したように微笑むと、次にもう一件の仕掛けに関しても質問する。
「そう♪後、医者を使って書類偽装したヴェール男爵家には手はず通りしてくれたかしら?」
マリアの問いに、こちらの答えも淡々と答えるセバスチャン。
「はい、脱税と密輸に関する偽造書類を作成して、ヴェール男爵家の書庫に紛れ込ませております。」
そう言って、軽く会釈をする。
マリアは満足そうに頷きながら、
「そう♪まっ、これもキチンと書庫の管理をしていれば、防げる事だから。」
にたにたと笑うマリア。
セバスチャンはそんな主人の姿を見て、追加の報告をする。
「お嬢様、ヴェール男爵家の書庫は相変わらず埃に……」
『でしょうね』と言わんばかりにマリアは、
「あら♪それは残念ね♪」
すべての報告を聞いて、満足そうな主人の意を汲み、セバスチャンは、
「はい。それではお嬢様、これよりすべての件を通報致しますが、よろしいでしょうか?」
すると、マリアは悪魔のような笑みを浮かべ、
「ええ、宜しくね♪」
数週間後………
ソフィアの実家、ヴェール男爵家は脱税と密輸の罪により、爵位剥奪。
ブラン侯爵家、ハルトは麻薬の栽培の容疑により検挙され、投獄。
マリアの実家であるノワール伯爵家との関係も切られていたことから最終的には没落するのだが、それはまた別のお話。
「ハルト様もソフィアさんも、人を裏切る事に長けているのに、自分の守りはザルだったのね……ちょっとした悪戯のつもりだったのに両家とも没落だなんて、やり過ぎちゃったかしら?てへ、ペロ♪」
ハルトの部屋から廊下に出て直ぐに、メッセージの魔法で呼びつけておいた馬車がマリアの前へと止まると、マリアはゆっくりと乗り込む。
マリアは、怒りの表情のまま客車の扉を閉めると、客車の中に待機していた執事のセバスチャンが差し出すタオルを、無言のまま受け取り、ビショビショに濡れた髪へとあてる。
「さて、どおしてくれようか………まずは、あの書類…絶対にあやしいのよね……。」
マリアは髪を乾かしながらメッセージの魔法を飛ばす。
『ちょっと調べて欲しいことがあるの………』
激しい豪雨で視界を奪われた馬車は、ブラン侯爵邸を抜けた辺りで停車する。
マリアは仕方がないと、その場でメッセージの相手の返事を待つ……。
稲妻が、馬車の側にある樹に落ち、火の手が上がるが、雨が直ぐに消し去る………
暫くして、マリアの元にメッセージの魔法が飛んで来ると、調べさせた答えが伝えられる………。
「そう、やはりあの妊娠はウソだったのね……」
ワナワナと、怒りに震えるマリア。
「我がノワール伯爵家を、よくもバカにしてくれたわね……ヴェール男爵の令嬢だったかしら?まぁ、ハルトの浮気に気付かないほど日和っていた私の責任も有るわよね……さてどうしてくれようか……」
ノワール伯爵家は、代々裏家業に精通する貴族であった事から、マリアも幼い頃から英才教育を受けていた……。
しかし、ハルトと婚約し、平穏な家庭を築くように父親に言われ、闇からは足を洗った事がいけなかったと思うマリア………。
そっと、客車の窓から外を覗き、マリアは口角を上げる。
「この立派な庭にちょっと悪戯することにしましょう♪まぁ、あの女に妊娠なんて嘘をつかれたとは言え、ハルトも私を裏切ったんだしね……この罠に気付ければ 、貴方の暮らしは守れるからね♪まっ、嘘の妊娠に気付かない奴に分かるかは……ふふふふふ♪」
そう言うと、マリアは執事のセバスチャンと共に、泥にまみれながらも、庭に仕掛けをして実家のノワール伯爵領へと帰って行くのだった………
3ヶ月後…………
「さて、セバスチャン、ブラン侯爵の庭には、何色のお花が咲いているかしら?」
マリアはハルトの性格、屋敷の事情も知った上で、執事のセバスチャンに確認をとる。
「はいお嬢様、赤やオレンジの花が咲き乱れております。何より、お嬢様がお屋敷をお離れになられてから手入れを怠っているようでして、気付いてはいないかと………」
そう淡々と報告するセバスチャン。
マリアはその言葉に満足したように微笑むと、次にもう一件の仕掛けに関しても質問する。
「そう♪後、医者を使って書類偽装したヴェール男爵家には手はず通りしてくれたかしら?」
マリアの問いに、こちらの答えも淡々と答えるセバスチャン。
「はい、脱税と密輸に関する偽造書類を作成して、ヴェール男爵家の書庫に紛れ込ませております。」
そう言って、軽く会釈をする。
マリアは満足そうに頷きながら、
「そう♪まっ、これもキチンと書庫の管理をしていれば、防げる事だから。」
にたにたと笑うマリア。
セバスチャンはそんな主人の姿を見て、追加の報告をする。
「お嬢様、ヴェール男爵家の書庫は相変わらず埃に……」
『でしょうね』と言わんばかりにマリアは、
「あら♪それは残念ね♪」
すべての報告を聞いて、満足そうな主人の意を汲み、セバスチャンは、
「はい。それではお嬢様、これよりすべての件を通報致しますが、よろしいでしょうか?」
すると、マリアは悪魔のような笑みを浮かべ、
「ええ、宜しくね♪」
数週間後………
ソフィアの実家、ヴェール男爵家は脱税と密輸の罪により、爵位剥奪。
ブラン侯爵家、ハルトは麻薬の栽培の容疑により検挙され、投獄。
マリアの実家であるノワール伯爵家との関係も切られていたことから最終的には没落するのだが、それはまた別のお話。
「ハルト様もソフィアさんも、人を裏切る事に長けているのに、自分の守りはザルだったのね……ちょっとした悪戯のつもりだったのに両家とも没落だなんて、やり過ぎちゃったかしら?てへ、ペロ♪」
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