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第五章・ミャンマー行きの予定が何故か雲南へ
サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 178
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第二十八話
中国とラオス国境の町・モーハンへ到着したのは十二時半を少し過ぎた頃だった。
モーハンからラオス方面のバスは既に無いと、モンラーのバスターミナルの窓口で聞いていた。
チケットがあるならそこで買えたのだが、「没有」(メイヨー)と言われてあきらめた。
モンラーからの車中での会話で、ラオス人女子大生のシーとレックはラオス北部のルアンナムターという町へ行くことが分かった。
国境を越えた先にはバスはないが、どうやってルアンナムターへ行くのかと訊くと、「親戚が迎えに来てくれている」と言うのだ。
「それなら僕もその親戚の車に乗せてもらえないかな?ルアンナムターで泊まろうと思う」
国境まで来たが、モーハンでは泊まりたくない。
一刻も早くラオスへ入国したい。僕の気持ちはかなり焦っていた。
そこに彼女たちの救いの言葉があった。
「分かりました、頼んでみます。おそらく大丈夫」
レックが天使のように微笑ながら言った。
ラオス人の若い女性は本当に可愛い人、綺麗な人が多い。
今回の旅行でも、タイのノンカイから国境を越えて、ビエンチャンへのトゥクトゥックに途中から乗り込んできた二人の女性が、内田有紀と宮崎あおいだった。(似ているという意味ですよ、念のため)
街中を散歩していてもスリムな体躯、細くて長い足の女性が目に付く。
それがどこの国でも同様だが、年齢とともに贅肉がつき始め、中年以降は完全な肝っ玉母さん風に変貌してしまうのは年輪の残酷さか。
シーとレックは現役のビエンチャン大学生(ラオスではトップらしい)、顔付きから頭の良さが窺える。
年末年始の冬休みを利用して、二人で中国の昆明へ一週間ほど旅行に行ってきたらしい。
大学は新年の4日から早々と始まるので、ルアンナムターの実家へ帰っても、3日にはビエンチャンに戻らなければいけないのだとか。
モーハンに到着してバスを降りると、彼女たちはバッグの他に大きな袋を手に持っていた。
僕はバックパックだけなので、「重いから僕が持つよ」と二人の手から手提げ袋を二つ預かってイミグレーションに向かった。
中国のパスポートコントロールを抜けてラオスのイミグレーションについた頃には、実は両手が限界に近いくらいであった。
他でもない二人から「持ってあげるよ」と言って預かった手提げ袋が意外に重たかったからである。
レックが「Are you tired?」と聞くので、「No.I has gotten excited. 」と意地を張って訳の分からない返答をしたら、二人は噴出していた。
日本のオヤジが強がりを言っているよ、って感じだったのか?
さて、僕の入国手続きだけが随分時間がかかって、彼女たちが待ってくれているのか不安になったが、建物から出てみると僕を待ってくれていた。
そしてレックが指差す方向を見ると、綺麗なワゴン車が止まっていた。
レックが彼女の身内の男性に僕を紹介した。
僕は「ありがとう」を連発して、彼の勧めに従ってワゴン車の後部席に乗り込んだ。
ワゴン車は10人程度が乗れる大型で、韓国の現代社のものであった。
彼女たちと僕と運転する男性と中年の女性が二人の、計六人を乗せてルアンナムターへ向かって出発した。
往路は夜中で分からなかったが、山道は比較的綺麗に舗装されていて快適。
二人の大学生と知り合った幸運を心の中で神に感謝したのであった。
中国とラオス国境の町・モーハンへ到着したのは十二時半を少し過ぎた頃だった。
モーハンからラオス方面のバスは既に無いと、モンラーのバスターミナルの窓口で聞いていた。
チケットがあるならそこで買えたのだが、「没有」(メイヨー)と言われてあきらめた。
モンラーからの車中での会話で、ラオス人女子大生のシーとレックはラオス北部のルアンナムターという町へ行くことが分かった。
国境を越えた先にはバスはないが、どうやってルアンナムターへ行くのかと訊くと、「親戚が迎えに来てくれている」と言うのだ。
「それなら僕もその親戚の車に乗せてもらえないかな?ルアンナムターで泊まろうと思う」
国境まで来たが、モーハンでは泊まりたくない。
一刻も早くラオスへ入国したい。僕の気持ちはかなり焦っていた。
そこに彼女たちの救いの言葉があった。
「分かりました、頼んでみます。おそらく大丈夫」
レックが天使のように微笑ながら言った。
ラオス人の若い女性は本当に可愛い人、綺麗な人が多い。
今回の旅行でも、タイのノンカイから国境を越えて、ビエンチャンへのトゥクトゥックに途中から乗り込んできた二人の女性が、内田有紀と宮崎あおいだった。(似ているという意味ですよ、念のため)
街中を散歩していてもスリムな体躯、細くて長い足の女性が目に付く。
それがどこの国でも同様だが、年齢とともに贅肉がつき始め、中年以降は完全な肝っ玉母さん風に変貌してしまうのは年輪の残酷さか。
シーとレックは現役のビエンチャン大学生(ラオスではトップらしい)、顔付きから頭の良さが窺える。
年末年始の冬休みを利用して、二人で中国の昆明へ一週間ほど旅行に行ってきたらしい。
大学は新年の4日から早々と始まるので、ルアンナムターの実家へ帰っても、3日にはビエンチャンに戻らなければいけないのだとか。
モーハンに到着してバスを降りると、彼女たちはバッグの他に大きな袋を手に持っていた。
僕はバックパックだけなので、「重いから僕が持つよ」と二人の手から手提げ袋を二つ預かってイミグレーションに向かった。
中国のパスポートコントロールを抜けてラオスのイミグレーションについた頃には、実は両手が限界に近いくらいであった。
他でもない二人から「持ってあげるよ」と言って預かった手提げ袋が意外に重たかったからである。
レックが「Are you tired?」と聞くので、「No.I has gotten excited. 」と意地を張って訳の分からない返答をしたら、二人は噴出していた。
日本のオヤジが強がりを言っているよ、って感じだったのか?
さて、僕の入国手続きだけが随分時間がかかって、彼女たちが待ってくれているのか不安になったが、建物から出てみると僕を待ってくれていた。
そしてレックが指差す方向を見ると、綺麗なワゴン車が止まっていた。
レックが彼女の身内の男性に僕を紹介した。
僕は「ありがとう」を連発して、彼の勧めに従ってワゴン車の後部席に乗り込んだ。
ワゴン車は10人程度が乗れる大型で、韓国の現代社のものであった。
彼女たちと僕と運転する男性と中年の女性が二人の、計六人を乗せてルアンナムターへ向かって出発した。
往路は夜中で分からなかったが、山道は比較的綺麗に舗装されていて快適。
二人の大学生と知り合った幸運を心の中で神に感謝したのであった。
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