上 下
40 / 61

幻聴

しおりを挟む
乱暴に奥を突かれる。

「ほら、私は君にこういうことをしても構わないのだろう?」

珍しい、リチャード様の意地悪な声。
揺さぶられながらコクコクと頷く。背中に回した手に、少しだけ力を込めて。

奥…ぐちゃぐちゃ…っ…

あまりに強い刺激に、意識が飛びそうになる。

「本当にいやらしい…」

リチャード様が、首を強く吸う。

「綺麗に跡がついたな」

「あ…そんな…」

その位置では、服で隠せない…
困ってリチャード様を見つめる。

「構わないだろう?」

意地悪そうに笑われて、仕方なく頷いた。まだ怒っているのだろうか。以前、リチャード様のすることなら全て受け入れると言ったことを…。

「どうするつもりだ?この跡」

リチャード様の舌が、首につけた跡をペロリと舐めた。

「んっ…」

声が出てしまった私をくすりと笑って、何度もそこを舐める。

「はっ…あっ…あっ…」

息を荒げる私を、リチャード様が笑う。

「気持ちいいか?」

低い笑い声にゾクリと身を震わせながら頷いた。跡…は困るのだけれど、リチャード様に舐められるの…気持ちいい…

「…気持ちいい…です…」

「もっと気持ちよくして欲しいか?」

「………はい」

「…いいだろう」

いきなりリチャード様が中に挿入っていたモノを抜いた。

「え…?」

そして、抜いたばかりのそこへ、また奥まで挿れられる。

「んっ…あっ…」

そしてまた完全に抜かれてしまい、何を思う間もなくまた奥まで…

「あっ…い…やっ…」

思わず口から漏れた拒絶の言葉。

「ダメか?私は君にこういうことをしてはいけないか?」

私を試すようなリチャード様の瞳。
首を横に振った。

「して…くださいっ…リチャード様の…思うままにっ…」

「本当にいいのか?」

抜かれる。
そして返事も待たずに、また挿入ってくる。

「ぁああああっ…」

頭…おかしくなりそうっ…

挿れてすぐ抜かれて。
私の中は空っぽになる。
そしてすぐにまた押し当てられて。

「続けていいか?」

訊ねられて頷いた。
だってリチャード様は、そうしたがってる…
頷きと同時にまた一番奥まで…

「ぁああああっ…ああっ…ぁああっ…」

目から涙が零れる。

完全に抜かれて、一から挿入し直されるのはキツい。
一度は深く繋がった身体が、離れてまた繋ぎ直される。奥まで一気にかき分けられて、一番奥に到達して。
なのにまた出ていってしまう。いつもみたいに途中でまた引き返してこずに、完全に出ていってしまう。
あれだけ深く絡みあっていたのに、離れていってしまう。
それが切ない。

リチャード様はポロポロと涙を零す私を見下ろしながら抜き差しを繰り返す。もう身体の感覚がおかしい。

「こういう君を抱くのも…酷く興奮するな」

ぼそりと呟かれた言葉に、肌が粟だった。
リチャード様が私に興奮している…。身体は辛いけれど嬉しい。
頬にリチャード様の手が伸ばされた。

「もっと泣け。私のミリア…」

あ…また…幻聴…

リチャード様が、言うはずもない言葉。何かの聞き間違いだとわかっている。
なのに嬉しくて、リチャード様の名前を小さく呼んだ。

「リチャード様…」

「私のリチャード様」そう呼べたらどれだけいいだろう。そう思いながら

「リチャード様…リチャード様…」

繰り返し、呼んだ。
小さな声で。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

【完結】堕ちた令嬢

マー子
恋愛
・R18・無理矢理?・監禁×孕ませ ・ハピエン ※レイプや陵辱などの表現があります!苦手な方は御遠慮下さい。 〜ストーリー〜 裕福ではないが、父と母と私の三人平凡で幸せな日々を過ごしていた。 素敵な婚約者もいて、学園を卒業したらすぐに結婚するはずだった。 それなのに、どうしてこんな事になってしまったんだろう⋯? ◇人物の表現が『彼』『彼女』『ヤツ』などで、殆ど名前が出てきません。なるべく表現する人は統一してますが、途中分からなくても多分コイツだろう?と温かい目で見守って下さい。 ◇後半やっと彼の目的が分かります。 ◇切ないけれど、ハッピーエンドを目指しました。 ◇全8話+その後で完結

【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。

三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。 それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。 頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。 短編恋愛になってます。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

5人の旦那様と365日の蜜日【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
気が付いたら、前と後に入ってる! そんな夢を見た日、それが現実になってしまった、メリッサ。 ゲーデル国の田舎町の商人の娘として育てられたメリッサは12歳になった。しかし、ゲーデル国の軍人により、メリッサは夢を見た日連れ去られてしまった。連れて来られて入った部屋には、自分そっくりな少女の肖像画。そして、その肖像画の大人になった女性は、ゲーデル国の女王、メリベルその人だった。 対面して初めて気付くメリッサ。「この人は母だ」と………。 ※♡が付く話はHシーンです

【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜

茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。 ☆他サイトにも投稿しています

【R18】彼の精力が凄すぎて、ついていけません!【完結】

茉莉
恋愛
【R18】*続編も投稿しています。 毎日の生活に疲れ果てていたところ、ある日突然異世界に落ちてしまった律。拾ってくれた魔法使いカミルとの、あんなプレイやこんなプレイで、体が持ちません! R18描写が過激なので、ご注意ください。最初に注意書きが書いてあります。

つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福

ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨ 読んで下さる皆様のおかげです🧡 〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。 完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話に加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は是非ご一読下さい🤗 ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン♥️ ※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。

処理中です...