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お出かけ

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メグが外に出かけたがっている。
まぁ、夏だし出かけたくなる気持ちはわかる。

だが一つ問題があった。
外でメグに『ご主人様』と呼ばせるほど、僕は常識を棄ててない。

つまり、呼び名をどうするかだ。

苗字?今さら?
名前?それはなんか嫌だ。
ダーリン?…却下だボケ。
あなた?…沈めるぞ。

…ということで結局ーー



「お兄ちゃん!こっちです!」

「待て、メグ。走るな」

になった。
なんだこの状況。

僕の言うことをよく聞く褒美に、行き先を一つ選ばせてやったら、水族館を選びやがった。
なんだこの浮かれデート&家族スポットは。

まぁ、まだ動物園を選ばなかっただけマシだとは思うがな。
臭くてかなわん。あんな所。

で、今メグは、イルカショーの席とりのために、最前列へ走って行ってしまった。

「おい、転ーー」

言ってるそばから、バランスを崩してこけそうになっていた。意外にも運動神経はいいのか、持ち直していたけれど。
まったく、床が濡れているんだから気をつけろ。

阿呆な奴隷にため息をついて、そちらへと歩いて行く。

「おい、ここ水かぶる席だろう」

席前の注意書きに、そう書いてある。
うんざりしながら言ったのに、メグは目を輝かせた。

「そうなんですか?やってみたいです!」

「ずぶ濡れになるぞ」

そう言うと、メグはしゅんとした。

「ダメ…ですか?」

じっと見つめられて悩んだ。
ダメと言いたいところだが、そもそもここへ来たのはこいつへの褒美だしな…。

「まぁ、いいだろう」

真夏日だから、どうせすぐ乾くだろ。
そう思って、譲歩してやった。

「お兄ちゃん大好き!」

メグが嬉しそうに思いきり抱きついてきた。

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