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聖者のそれ2

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頭の中が痺れる。
ケツの奥まであれを挿れられて。
身体に力が入らない。

聖者の手が、ペタペタと宥めるように俺の背中を叩く。
それがムカつく。

「早くっ…動けっ…」

あくまで余裕の聖者にイラついたら

「せっかちだな」

と笑われた。
本当にムカつく。
こいつのこの余裕はどこから来てるんだ。
聖者が笑いながら腰を揺すり始めた。
そう、出し入れではなく、ほんの軽く揺さぶられる。

「っ…ぁあっ…!?っ…あっ……」

悪魔には与えられたことのない類の刺激に戸惑う。
悪魔は基本的にガサツで乱暴だ。
いきなり突っ込まれたり、人ではあり得ない長さのものを勢いよく出し入れされたり、なんてのはしょっちゅうだったけど。
こういうのは…。

揺さぶられるたびに、俺の上半身が聖者の上半身にぶつかる。
温かい身体。
人間の身体。

………っ…クソっ…!

懐かしい記憶の蓋が開きそうになり、無理矢理閉める。

ダメだ…思い出すな……

ぎゅっと目を瞑って耐える。
思い出したらダメだ…
思い出したら…俺は……

だから代わりに、俺も腰を揺らし始めた。
もっと強い刺激を求めて。
そうしたら、記憶からは目を背けられるから。

「足りないか?」

聖者の笑い声に頷く。

足りない。
もっと強い刺激でなけりゃ。
ダメだ。
もっともっと。
何も考えられなくなるくらいでなけりゃ…。
だから……

「…もっとくれ……」

甘えた声で、聖者に縋る。

もうこいつに、どう思われようと構わない。
淫乱だと思われようと。
まるで女のようだと思われようと。
流石悪魔に散々抱かれただけあると笑われようと。


だから…俺のこと、どう思っても他にどう扱っても構わないから…



優しくだけは、しないでくれ………




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