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聖者の愛撫2

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「なんだ。本当にイったな」

ニヤニヤと笑われて睨みつけた。

「悪いか!」

こちとら悪魔仕込みの高感度ボディなんだよクソがっ!

「まさか」

クスリと笑った聖者が、また俺の鎖骨を舐め始めた。

「誘惑しに来たとか言ってる奴が不感症だったらがっかりだろ?」

低く色気のある声が腹に響く。
っ…本当にっ…腹の立つっ……

「っ…あ…んっ…」

あえなく喘ぎ声が漏れる。
言いたいことは色々ある。

あんた、聖者の癖に言ってること悪魔と変らないぞ!っていうか何でそんなに躊躇いが無いんだよっ…俺男だぞっ…
そもそも聖者って、女も男も知らない清らかな身体と心の持ち主じゃないのかよっ…

でもどれも言葉にはならない。
聖者の両手がゆっくりと背中を撫で、下へとおりていく。

「んっ…んんっ…何すっ…」

「ん…?おまえが言ったんだろう?抱いてくれと」

聖者の大きな手が、ウエストの部分から中に突っ込まれた。下着の隙間から入れられた手に、直に尻を揉まれる。
節くれだった、大きく男らしい手。

「んっ…あっ…やっ…」

だからこいつっ…何でこんなに躊躇がないんだっ…

悔しいことに、力強く揉まれると身体がゾクゾクと震えてしまう。
散々悪魔たちに身体を弄り回されてきた成果だ。

「んっ…んんっ…ゃっ…」

「声を我慢している場合か?おまえは俺を堕落させにきたんだろう?」

耳元で笑う、余裕綽々な声がムカつく。

「っ…くっ…そうだっ…けどっ…」

「なら全力で誘わなければ無理だぞ?俺は、神の忠実な僕だからな」

「っ…バカ言えっ…こんなに簡単に会ったばかりの男に手え出す奴のどこがっ…忠実なっ…あっ…」

「神の僕であることと、おまえを抱くことは何も矛盾していない」

「っ…!?…そんなバカなっ…」

「人が人を抱くだけだ。何も問題はない」

「っ…俺っ…男っ…」

問題大有りだろっ…!?

「ここまで真っ平らな胸を見ればわかる」

っ…そういう事だけどそういう事じゃねえっ…!

「神の僕がっ…男とヤっていいのかよっ…」

「いいに決まってる。神は男にも穴を与えた。サイズも位置も、性交に適した穴をだ。だから罪などである筈がない。おまえがこうされて感じているのが、何よりの証拠だ」

そんなの初耳だっ…ていうかそれ聞いたらきっと神様ブチキレるぞっ…

「っ…だけどっ…俺はっ…夢で散々悪魔に抱かれてっ…」

そう、俺の身体は穢れきっている…。

………だから聖者らしく、ちょっとは躊躇しろよっ…!

そう思うのに、聖者は全く気にした様子がない。

「そうなのか?なら俺が抱いて、真っ当な人の道に引きずり戻してやらないとな?今代の聖者として」

どういう理屈だっ…!
っていうか、それは絶対に真っ当な道じゃねえっ…!

もう意味がわからない。
俺の予定では、拒む童貞のこいつに跨って、握って扱いて逃げられなくしてやって、泣きながら「やめてくれ」と懇願するこいつのものを俺のケツの穴に無理矢理入れさせて搾り取ってイかせて、男相手に快楽を感じた罪の意識で「もう聖者じゃない。穢れてしまった!」って絶望させてやる筈だったのに!

なんか思ってたのと全然違うっ!

「っ…おまえみたいな奴がっ…聖者だなんてっ…聞いて…ないっ…」

何で俺ばっかり喘がされてるんだよ!絶対おかしいだろ!
…悪魔に抱かれまくった男に躊躇しないとか、いったいこいつの頭ん中どうなってーー

「それはおまえの調査不足だな」

涼しい顔で、俺の尻を揉み続ける聖者。

それはそうかもしれないけど、聖者がこんな奴だなんて普通誰も思わないだろ!
悪魔たちだって『聖者は童貞』って前提で話してたしっ……

「んあっ…もうっ…揉むなあっ…」

乱暴に尻を揉まれているだけなのに、前が反応してしまっている。

「何だ。もう挿れて欲しいのか?いやらしいな。流石は悪魔の僕だ。だがもう少し待て。まだその気になれん」

「んああっ…違っ…」

何でそうなるんだよ!

「何が違うか知らんが、おまえも男だ。わかるだろう?勃つものが勃たんと挿れようがない」

それはわかるけどそうじゃない!

「っ…何でそんなやる気満々なんだよっ…」

「ん?それはまあ…好みの相手に誘われたら普通断らんだろう」

「っ…おまえそれでも聖者かっ…俗っぽすぎるぞっ…」

「ああ、よく言われる。だが、普通の人間の心を解してこそ聖者だ。そう思わんか?」

「っ…思わねーよっ…あっ…やめっ…」

あろうことか、聖者は俺の腰を持ち上げると口でズボンのボタンを外しやがった。なんつーいやらしいっ…

「やめっ…あっ…」

「何言ってる。脱がさなきゃ色々続きができんだろうが」

三つあったボタンを全て外され、ズボンのウエストの部分を歯で噛まれ引きずり下ろされた。下着ごと一緒に。

俺のそれが、勢いよく聖者の目の前に飛び出した。聖者から与えられる刺激に反応してしまっているものが。

すぐさまそれの根元を握られる。

「んぅっ…」

思わず腰を、聖者に向けて突き出すようにしてしまう。


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