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第一部

13 越えてしまった

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「………ん………いいよ…」

気づいた時には、そう答えていた。

「っ…本当っ…」

泣きそうな顔で私を見る彼に頷く。

「うん…いいよ……」

もう一度はっきり答えて、身体から力を抜いた。
こんな泣きそうな顔をした子どもを突き放せない…

けれど、彼が性急に入れようとしたので慌てて止めた。

「待ってっ…!」

「っ…何……?やっぱりダメ……?」

歯を食いしばり、ギリギリのところで止まっているような彼の表情。

「っ…そうじゃ…なくて……その………ゆっくり…して…お願い…」

流石にこんなに大きなものを、勢いよく入れられるのは怖すぎた。
青い顔で伝えると、拒否ではなかったことにほっとしたのか彼の表情が少し柔らかくなった。

「ん……ゆっくりだね…わかった……」

甘さを感じさせる彼の返事に、頬が赤くなる。
こんな子どもと、なんて会話をしているのか…。まるで恋人同士みたい…

けれど、ゆっくりと入ってきたそれに、それのこと以外何も考えられなくなった。中がグッと押し広げられていく圧迫感に眉を寄せる。

っ…本当にっ…おっき…いっ……

「…大丈夫…?おねーさん……」

気遣わしげな顔をする彼に頷く。

「ん…平気……」

…本当は平気ではないけれど、他に言いようがない。今さら拒んだら、彼はまた泣いてしまうだろう。私がちょっと耐えれば済むならっ……

「…わかった………ごめんね?おねーさん……」

私が無理しているのに気づいたのか、眉を下げて唇を噛んで、それでも彼はゆっくりと腰を進める。

「んっ…んっ…んぅっ…」

身体を押し広げる痛みに強張る自分の身体を宥め、無理矢理微笑んでみせた。

「大丈夫…だから……」

自分に言い聞かせるように呟いて、彼の動きに合わせて息を吐く。彼はぎゅっと眉を寄せて、ゆっくりゆっくりそれを入れてくる。

おっきい…っ……

ジリジリと中に入ってきたそれが、遂に一番奥まで入った。
先っぽ…当たってる…。
はあはあと、浅い息を吐く。
ギチギチに詰め込まれて苦しい。

「っ…も…動いていい…?」

彼の苦しげな声。
けれど

「待ってっ…!」

それを止めた私の声は、悲鳴染みていた。彼が驚きに目を見張って硬直する。

「っ…ごめんなさい…でも…お願い…もう少し待って……」

馴染むまで、もう少しだけ待って欲しかった。
細い腕を掴んで必死に懇願すると、素直にコクリと頷いてくれた。
…こういうところは、本当に子どもなのに…

「…でも…キスはしてもいい?」

返事をする間も無く頭を持ち上げられ唇を合わせられた。

「んっ…んぅっ…」

唇とあそこと、重ね合わせられ中に入り込まれて。頭がクラクラする。

「おねーさん…おねーさんっ…」

キスの合間に切なげに囁かれて、身体の中が反応してしまう…

「おねーさんっ……」

何度も呼ばれて切なくなって、気づいたら舌を絡めていた。
小さな舌を絡め取る。
息も絡まる。

…こんなこと…しちゃ…ダメだけどっ…でも…もう…もっとダメなこと…しちゃってるし……

まとまらない頭で言い訳をして…彼のサラサラな髪に触れ頭を抱きしめながらキスをする。
小さくて柔らかな舌が、ぎこちない動きだけれどちゃんと応えてくれる。それが嬉しい。

ん…キス…気持ちいい…キス…気持ちいいっ…

夢中でキスしていたら、中が彼のものに馴染んだような感覚があった。押されるだけだった中が、彼のものを包み込むような…

「っ…おねーさんっ…もう…動いても…平気っ…」

それに気づいたのか、彼が切羽詰まった顔で囁いた。

あ…凄く我慢して、待っていてくれたんだ…

そう思ったら、どうしようもないほどの愛しさが湧き上がった。

「ん…いいよ……」

ぎゅっと両腕で抱きしめ直して促すと、彼は頷いて腰を動かし始めた。



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