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未知の生命体との遭遇

176 完結編

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 運営委員会室では、呪い樹海の後始末をどうすべきかの思案中、
入り口ドアがノックされた。

 ノックしたのは、闇樹海の二万年老樹霊と、葉を茂らせまとった二人の老樹霊であった。

「本日は、呪い樹海の炎から守っていただいたお礼に参りました。」
といって、葉を茂らせまとった二人の老樹霊娘は片膝をついた。

「あなたたちは、大事なこの惑星の守り精霊様です。
老樹を守るのはガイア女神様の従僕の義務です。」
と、映像から流れる情景に暗い気持ちにさせられていたが、
子供たちの守り精霊が現れたことで、
にこやかな顔になったパトラは満面笑顔で挨拶した。

 一際部屋が真っ赤になり、ガイア女神の降臨を感じさせた。

「我が伴侶よ。我が分身よ。我が家族眷属よ。そして、トーマス元帥殿。
この惑星住民に代わって、お礼を述べる。
今日までよく耐え抜いて頑張ってくれました。
我が伴侶の言うところの、死後は涅槃である輪廻することのない永遠の魂が残る世界に招待しよう。」

「伴侶?涅槃?輪廻?」
と、トーマス元帥は理解できない言葉だらけで、驚きを含め大声を上げた。

 鹿島は静かに立ち上がり、トーマスに頭を下げた。
「この惑星に降り立った時に出会ったガイア女神様の言葉を、俺は半分しか報告しなかった。すまん!」
と、トーマスに頭を下げたまま謝りだした。

「あとの半分を今聴けるのでしょうか?」
「【六常の仁、礼、信、義、智、絆、を持つものよ世に平和と安泰を成して。
仁、礼、智、信、孝、節、悌(てい)、義、絆、九つの徳を持て、
我が伴侶となる愛しい人。】と言われた。」

「我が伴侶となる愛しい人。か?で、承諾したのですか?」
「いつの間にか承されていた。」

 トーマス元帥は怪訝気にマーガレットに目を向けた。

「もちろん私たち、分身全員は承諾したわ。」

 鹿島は、トーマス元帥からの追及をかわそうと思ったのか、

「輪廻と涅槃は、俺の故郷での死後の世界のことだ。
人は死んだら、輪廻転生して再び生を受け、
前世で善い行いをしたものは、一時天国で暮らし、よい母親や父親の家庭に転生して生まれる。

 さらに多くの徳を持ち得た人、人の価値を悟ったものは、涅槃で転生することなく永遠の命を授かり、煩悩を払い、悟りを極めることが出来るらしい。

前世で悪行三昧であったものは、蟲や獣に生まれ変わる。との言い伝えだ。」

「涅槃とは、いい所なのか?隊長の説明だと、いい所とは思えないが?」

 マーガレットは何かを理解した様子で、
「コーA.I。怪物タローが亀亜人から受けた接待状態と、
ロボの故郷惑星住人の生活ぶりを話して。」

「タローが受けた接待は、仮想空間で、自分が望む通りの世界で暮らせる、仮想世界であったろうと思われます。

ロボの故郷惑星住人達は肉体を捨て去ったようで、何らかの形で意識だけを残し、永遠の生を続けながら、日々に必要な物の生産は機械任せで、自分だけの世界で自由に生活しているようです。」

「俺が子供の頃はまり込んでいた、バーチャル.リアリティー.スぺースゲームかい?」
と、鹿島は怪訝な顔をした。

「それが、閣下の言われる天国や涅槃の世界じゃないの?」
「実は、俺もよくは、わからん。」

「そうです。その世界は、ただ戯れて、生を謳歌しながら、何の不安も悩みもない無の世界であったが、その世界では有を創り出せる人々がいる世界で、そこで私は生まれました。」
とガイア女神様はにこやか顔になった。

「なんでも創り出せると?」
「いろんな微粒子を結合させて、生命体を誕生させることができます。
どの様な生命体が生まれようと、その能力を最大限に活用できる手助けもできるということです。
だが、人間の造り出す物品は必要がないし、宇宙船は想像も技術も持ち合わせていないので、創り出せませんが、私たち精神体は、ただある場所以外なら、宇宙への旅は自由にできます。」

「ある場所以外?」
「コーA.Iが発見した絶対零度の空間と、それを吐き出した別の世界です。」
「絶対零度の空間を吐き出した別の世界?」
「あなた方が、ブラックホールとよんでいるその先の世界です。
我が伴侶のあこがれの彼岸とは、ブラックホールの事だと感じました。
ブラックホール彼岸先には、なに者も行く事ができない世界です。」

「ブラックホールから吐き出された、絶対零度の空間を知っていると?」
「二度目の再会です。」
「一度目は?何処で?」

「宇宙の成り立ちから説明します。
私が生まれた世界では、物質と呼べるものなどはなく、精霊の源と意識ある私と同じ精神体だけの塊だらけでした。

ある時、真っ黒い穴が何千、何万と開き、邪悪な心の精神体と共に恒星を造り出す大量のガスが噴射されました。

邪悪な心の精神体との争いが起きると、邪悪な心の精神体は何かの爆発を起こし、私が生まれた世界は、一瞬で高温に見舞われたが、精神体の私たちには無駄な爆発でした。

高温に見舞われた世界には、いろんな物質が熱の塊と成り、存在しだしたのです。

真っ黒い穴から絶対零度のガスが噴き出すと、高温に見舞われた世界は徐々に熱の塊と成った物質を凍らせてしまいました。

冷えた物質同士はたがいにくっつき合い固まり始めると、核反応を起こし高温の塊となり、何故か真っ黒い穴に向かって行くと、穴の奥で消滅してしまいました。

凍り付く宇宙から逃れるために、私達も邪悪な心を持つものも、核反応を免れた溶岩の塊である星々に逃げ込みました。

 邪悪な心を持つ精神体は、私達精神体を同化させる行為をやめることなく、攻撃してきましたので、
細胞を持つ生物でいろんな生き物を創り出し、
邪悪な心を持つ精神体からの攻撃を、創り出した生き物に取り込み防ぎました。
邪悪な心を持つ精神体の好むそれらが魔獣や魔物です。」

「恒星をガス状にして吸い込み続けているブラックホールの中央辺りからガスが吹き続けている事は、銀河連合科学者達は確認済みです。

宇宙の物質は過去から未来まで同じ質量でバランスが保たれている状態のはずだが、絶対零度の空間が現れた理由は、何でしょうか?」

「わからない。今はすでに以前の高温空間は存在していないのに、
出てきた目的は不明です。
それにしても、一体だけの意味も分からない。」

「ブラックホールの先には、何者かが居る?」
「効率よく物資を集めている何者かが?」

 ガイア女神は静かに沈黙して、窓の先の空を見つめていたが、
「精霊の源、、、ダークマターを回収するように、
精霊の源を物質化するように、
今は、泡状の表面にブラックホールを配置して精霊の源を囲んでいるが、さらに大掛かりに行うつもりかもしれない?」

「宇宙には、大量の微粒子が存在していることは理解できるが、
それを物質化できるとの理論はまだ証明されてはいない。」

「真空のエネルギーなら理解できるでしょう。
エネルギーなら物質同士を集めて圧縮出来れば、物質化します。」

「絶対零度の空間は、真空のエネルギーを集めて圧縮しだしたと?」
「若しくは、効率よく物資を集めていることに、
何らかの不具合が発生したのか?」

 鹿島は、故郷の地球には、
滅びの予言書が多く存在していることを思い出していた。


 乱文、迷文、変文のお付き合いありがとうございました。
長らくお読みくださった皆さまに感謝いたします。

 ストリー的には、まだ続ける予定でしたが、
次なるストリーは短編小説にしたいと思います。
次も乱文、迷文、変文でしょうが、愛読してください。
 皆様のご健康とご多幸を祈ります。

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