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未知の生命体との遭遇
166空間予知能力
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流動形状翼の未確認飛行物体は、
惑星遥か上空で周回軌道を始めたが、
生命反応がないとのコーA.Iから報告がなされた。
流動形状翼飛行物体に対しての対応の議論中に、
二度目のカントリ国特使が、
丸太杭打つ現場に一万の兵に守られて七日ぶりに訪れた。
特使も兵たちも頭から耳の裏にかけて、
わずかな鱗先が生えだしていたとの報告もなされた。
今回は要求では無くて要望との事である。
始終低姿勢な態度で食糧も金も要らないから、
呪いの樹海の開墾を行う計画があるので、
労働者の募集を亜人協力国内で行わせてほしいとの事であった。
元々カントリ国は老樹霊からの贈り物として、
猫亜人の為に肥沃な大地となされていたが、
底辺労働を嫌うカントリ国の民は、
国土のほとんどが呪いの樹海と化した時に脱出者の殆どが、
国外で農奴も奴隷も売り払ってしまっていた。
カントリ国の民は常に周りの人を陰謀で蹴落とす特技がずば抜けていて、
根も葉もないうわさを流して卑しめるのが得意な国柄であった。
底辺に落とされた人々は底辺の仕事に就くしかなく、
辛うじて呪いの樹海は持ち主がいなくなっていたので、
ほとんどが耕作者となり、国の食糧を賄っていた。
食糧も金も要らないとの始終低姿勢な態度を、
運営委員会は不審に思うとともに要望さえも拒否した。
運営委員会室に、
テテサ教皇と闇の樹海老樹霊が子供たちを引き連れて現れた。
テテサ教皇と闇の樹海老樹霊はキズナちゃんを囲むように座り、
その後ろには四人の子供を座らせた。
「流動形状翼の飛行物体は、敵ではありませんが、
こちら側の対応に対して、
何らかの人型にはかなりの選択肢があるためにその意図は不明です。」
「敵ではないが、友好的ではないし、敵にもなりえると?」
「です。」
「まだ二つあるでしょう?」
と樹海老樹霊はキズナちゃんに催促した。
「亀の甲形状飛行物体に乗務している生命体は、
爬虫類を連想させる亜人種です。
そして、大いなる敵ですが、対応次第では向こうの要求を騙せます。
お父上様次第ですが。」
「俺次第?」
「竜巻と雷を操った怪物の偽者になって、
爬虫類亜人種と交渉していただきたいのです。」
鹿島はキズナちゃんの提案に親バカなのか、
あきらめ顔して頷いている。
「もう一つは、ゾンビウイルスに犯されたカントリ国の民を決して爬虫類亜人種と接触させない様にしてほしい。
爬虫類亜人種の目的の一つは、竜巻と雷を操った怪物の子孫を使って、
この惑星を支配するのが目的です。」
「爬虫類亜人種の目的がほかにもあると?」
「私たちを餌にする彼らのバカンスです。」
「バカンス?」
「彼らにとっては、私たちは美味しい狩りの獲物です。」
みんなは唖然とした。
「さっき、惑星を支配するのが、目的だと言われましたが?」
「その方が抵抗されることなく、
美味しい獲物を楽に捕食できるでしょう。」
「準備は急ぎましょう。」
生物兵器に生息している本舗宿主とゾンビウイルスは、
銀のイオンと真空状態で死滅させて鹿島に装着させた。
「本来の機能はなくなったが、擬態するのには必要なことです。」
と、レイちゃんは微笑みながら鹿島の装着を手伝っている。
「精霊たちの力を借りて、機能しないか試すのはだめ?」
「お父上様、ぜひ試してください。
すぐやろう、すぐやろう、」
と言って、サトイは鹿島の手を引いて外へ出た。
鹿島は多くの赤い微粒子を集めて、
生物兵器に集合させると雷をイメージした。
「稲妻!」
と叫んだが、何の反応も変化も表れ無かった。
「雷は普通、物理的に何も無い所で発生しないでしょう、
まず積乱雲を発生させてから、雷を呼ぶでしょう。」
と、いつものドヤ顔をサトイは鹿島に向けた。
鹿島はサトイの毎度のドヤ顔に心が折れたようだが、
すぐに立ち上がり、父親の威厳を示す様に胸をそらすと、
生物兵器を装備した腕を上げた。
「入道雲!」
と、鹿島は入道坊主と盛り上がる雲を合体したイメージを頭に浮かべた。
子供達と鹿島の頭上には、坊主頭の形をしたまっくろいくもが出現して太陽を隠しだすと、雲の中では白い稲妻が何カ所かで起きだした。
「ストップ!」
と言って、レイちゃんが鹿島に蹴りを入れた。
「あたしたちも巻き込む気?」
と、ほほを膨らましてプンプン顔で怒り出した。
「あ忘れていた。ごめんごめん。」
と言って、鹿島は腕を下ろした。
サトイは何らかの測定器を眺めながら、
「若干、ここらの引力がマイナスになったが、正体不明の信号も出た。」
とつぶやいた。
「じゃ~。やっぱり反重力ができるの?私でも空を飛べるかな~。」
と、レイちゃんの顔はいつものように陽気な顔になった。
コーA.Iから、流動形状翼の飛行物体は、
監視衛星と並行しながら惑星を周回しだし、
監視衛星と何らかの接触を試みているとの連絡が来た。
コーA.Iはしばらく沈黙すると、誰からの連絡をも遮断した。
「コーA.I。何が起きた!」
とマーガレットはヒステリックに叫んだが、コーA.Iは全くの反応を示さ無くなった。
コーA.Iの五分間の沈黙が終わり、
「流動形状翼の飛行物体に乗務している、人型組立て機械ロボは、
この惑星座標で発射されたと思われる、
救助信号を解読して、救助に来た様です。」
マーガレットには五分間の沈黙は、一年にも感じていた。
そして、五十発の救助要請弾丸を発射していたことを思い出していた。
「銀河連合製の救助要請弾丸を解読して、救助に来たと?
コーA.I、人型組立て機械ロボと平和的な友好関係を求めて会いたい。段取りしてくれ。」
「場所は?」
「パンパ草原。」
「了解です。交渉時間、また連絡不能になります。」
五秒間で交渉は終わったようで、
「五分後に、パンパ草原に着陸するとのことです。」
鹿島とトーマス元帥に運営委員会の四人は、
パンパ草原に向かうために部屋を駆け出していった。
惑星遥か上空で周回軌道を始めたが、
生命反応がないとのコーA.Iから報告がなされた。
流動形状翼飛行物体に対しての対応の議論中に、
二度目のカントリ国特使が、
丸太杭打つ現場に一万の兵に守られて七日ぶりに訪れた。
特使も兵たちも頭から耳の裏にかけて、
わずかな鱗先が生えだしていたとの報告もなされた。
今回は要求では無くて要望との事である。
始終低姿勢な態度で食糧も金も要らないから、
呪いの樹海の開墾を行う計画があるので、
労働者の募集を亜人協力国内で行わせてほしいとの事であった。
元々カントリ国は老樹霊からの贈り物として、
猫亜人の為に肥沃な大地となされていたが、
底辺労働を嫌うカントリ国の民は、
国土のほとんどが呪いの樹海と化した時に脱出者の殆どが、
国外で農奴も奴隷も売り払ってしまっていた。
カントリ国の民は常に周りの人を陰謀で蹴落とす特技がずば抜けていて、
根も葉もないうわさを流して卑しめるのが得意な国柄であった。
底辺に落とされた人々は底辺の仕事に就くしかなく、
辛うじて呪いの樹海は持ち主がいなくなっていたので、
ほとんどが耕作者となり、国の食糧を賄っていた。
食糧も金も要らないとの始終低姿勢な態度を、
運営委員会は不審に思うとともに要望さえも拒否した。
運営委員会室に、
テテサ教皇と闇の樹海老樹霊が子供たちを引き連れて現れた。
テテサ教皇と闇の樹海老樹霊はキズナちゃんを囲むように座り、
その後ろには四人の子供を座らせた。
「流動形状翼の飛行物体は、敵ではありませんが、
こちら側の対応に対して、
何らかの人型にはかなりの選択肢があるためにその意図は不明です。」
「敵ではないが、友好的ではないし、敵にもなりえると?」
「です。」
「まだ二つあるでしょう?」
と樹海老樹霊はキズナちゃんに催促した。
「亀の甲形状飛行物体に乗務している生命体は、
爬虫類を連想させる亜人種です。
そして、大いなる敵ですが、対応次第では向こうの要求を騙せます。
お父上様次第ですが。」
「俺次第?」
「竜巻と雷を操った怪物の偽者になって、
爬虫類亜人種と交渉していただきたいのです。」
鹿島はキズナちゃんの提案に親バカなのか、
あきらめ顔して頷いている。
「もう一つは、ゾンビウイルスに犯されたカントリ国の民を決して爬虫類亜人種と接触させない様にしてほしい。
爬虫類亜人種の目的の一つは、竜巻と雷を操った怪物の子孫を使って、
この惑星を支配するのが目的です。」
「爬虫類亜人種の目的がほかにもあると?」
「私たちを餌にする彼らのバカンスです。」
「バカンス?」
「彼らにとっては、私たちは美味しい狩りの獲物です。」
みんなは唖然とした。
「さっき、惑星を支配するのが、目的だと言われましたが?」
「その方が抵抗されることなく、
美味しい獲物を楽に捕食できるでしょう。」
「準備は急ぎましょう。」
生物兵器に生息している本舗宿主とゾンビウイルスは、
銀のイオンと真空状態で死滅させて鹿島に装着させた。
「本来の機能はなくなったが、擬態するのには必要なことです。」
と、レイちゃんは微笑みながら鹿島の装着を手伝っている。
「精霊たちの力を借りて、機能しないか試すのはだめ?」
「お父上様、ぜひ試してください。
すぐやろう、すぐやろう、」
と言って、サトイは鹿島の手を引いて外へ出た。
鹿島は多くの赤い微粒子を集めて、
生物兵器に集合させると雷をイメージした。
「稲妻!」
と叫んだが、何の反応も変化も表れ無かった。
「雷は普通、物理的に何も無い所で発生しないでしょう、
まず積乱雲を発生させてから、雷を呼ぶでしょう。」
と、いつものドヤ顔をサトイは鹿島に向けた。
鹿島はサトイの毎度のドヤ顔に心が折れたようだが、
すぐに立ち上がり、父親の威厳を示す様に胸をそらすと、
生物兵器を装備した腕を上げた。
「入道雲!」
と、鹿島は入道坊主と盛り上がる雲を合体したイメージを頭に浮かべた。
子供達と鹿島の頭上には、坊主頭の形をしたまっくろいくもが出現して太陽を隠しだすと、雲の中では白い稲妻が何カ所かで起きだした。
「ストップ!」
と言って、レイちゃんが鹿島に蹴りを入れた。
「あたしたちも巻き込む気?」
と、ほほを膨らましてプンプン顔で怒り出した。
「あ忘れていた。ごめんごめん。」
と言って、鹿島は腕を下ろした。
サトイは何らかの測定器を眺めながら、
「若干、ここらの引力がマイナスになったが、正体不明の信号も出た。」
とつぶやいた。
「じゃ~。やっぱり反重力ができるの?私でも空を飛べるかな~。」
と、レイちゃんの顔はいつものように陽気な顔になった。
コーA.Iから、流動形状翼の飛行物体は、
監視衛星と並行しながら惑星を周回しだし、
監視衛星と何らかの接触を試みているとの連絡が来た。
コーA.Iはしばらく沈黙すると、誰からの連絡をも遮断した。
「コーA.I。何が起きた!」
とマーガレットはヒステリックに叫んだが、コーA.Iは全くの反応を示さ無くなった。
コーA.Iの五分間の沈黙が終わり、
「流動形状翼の飛行物体に乗務している、人型組立て機械ロボは、
この惑星座標で発射されたと思われる、
救助信号を解読して、救助に来た様です。」
マーガレットには五分間の沈黙は、一年にも感じていた。
そして、五十発の救助要請弾丸を発射していたことを思い出していた。
「銀河連合製の救助要請弾丸を解読して、救助に来たと?
コーA.I、人型組立て機械ロボと平和的な友好関係を求めて会いたい。段取りしてくれ。」
「場所は?」
「パンパ草原。」
「了解です。交渉時間、また連絡不能になります。」
五秒間で交渉は終わったようで、
「五分後に、パンパ草原に着陸するとのことです。」
鹿島とトーマス元帥に運営委員会の四人は、
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