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141スパイ養成中野学校

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 一メートル四方の窓から、
色香を照らすように月明かりが差し込む部屋には、
逸物を握り続けていた踊り子は、
今は相手の首に手をまわして口を合わしている。

 踊り子の口に含んだアルコールを香らせた甘い液体は、
相手方に喉ごしのいい感じを与えていた。

 相手方の男装した女の手には、ミントの香る丸薬が握られていて、下腹部の愛撫と共に奥部へと差し入れられた。

 二人の抱擁を部屋の天上影から覗いている、
片つばを飲み込んだサスケが居た。

 踊り子は男装した女の下腹部に顔を向けるそぶりをしたが、
男装した女は踊り子をそのままベッドへ押し倒して、
逆に踊り子の下腹部に顔をうずめた。
「あ、あ~。へん、へんよ、でもいい~。続けて!」
と、踊れ子は悶えだした。

 サスケは静かに男装した女の後ろに立って、
男装した女の肩を軽く叩いた。
「あ~。止めないで!」
と、踊り子の声を合図にサスケは踊り子の下腹部に顔をうずめた。

 踊り子は思考力が無くなっているのか、暗闇のためなのか、
サスケと男装した女が入れ替わっているのに気づかない様子で、
サスケにまたがり、ステージでの腰振りダンスを始めていたが、
いつの間にか自分が楽しみだしていた。

 踊り子はサスケの逸物と角を加工した張り型に、
何度も痙攣しだしていた。

「も~いい。止めて。」
懇願するが、
休むことなくに奥深くに差し込まれるたびに、
身体は理性を超えた快楽を受け入れていた。

 部屋の天井裏に避難していた男装した女にも変化が現れだした様子で、下半身に装着した一物を握りしめていた。

 男装した女も、天井下で繰り広げられている快楽に刺激されたのか、握りしめていた一物を自分に差し込んだ。

「いたい。」
と、うなりながら、あまりの痛さに正気になったようで、

「お前が、初めての相手か。」
と、血と愛液に濡れた一物に呟いた。

 踊り子の口に含んだ甘い液体と、
男装した女が使ったミントの香る丸薬は共に、
人の性欲望と感受性を引き出す妙薬のようであった。

 痙攣の止まらなくなった踊り子をベッドに残して、
サスケと男装した女は部屋を出ていった。

 柳生里から来た一行の宿と、
活動拠点の為に用意された看護学校内の建物内では、
踊り子と自分で一物を刺した男装女性は、
ムネフユとずらりと並んだ男装の麗人達からの尋問を受けている。

「踊り子達はマタ.ハリなる者を加えて、
あと総勢八人に間違いないか?」

「間違いありません。でしょう、ニーチェ。」
と、言って自分で一物を刺した男装女性は、踊り子の肩を抱いた。

 二人の仕草から、二人はいつの間にか、ただならぬ仲のようである。

「二人は、妙薬の使用を控えるならば、
直ぐに里に帰り、好きに暮らせ。」
と、ムネフユは、自分で一物を刺した男装女性とニーチェに言い、
金貨の入った革袋を渡した。

 ムネフユと男装忍びは、
亜人協力国の技術全てが流出したとしか思えない、
総勢三百人の多岐にわたる職人の調べが進み、
技術を流出した者達の名簿が出来上がっていた。

 そして、かなりの治安担当者の名前も出ていた。

 ムネフユと男装女性の調査が進むと、
既に、製鉄高炉に技術と構造は踊り子たちに取得されて、
エンジンの構造と製造技術をも持ち出された後だと運営委員会は知らされた。

 ムネフユと男装女性の活躍?によって、
マタ.ハリなる者の組織の背景がうっすらと浮かんできた。

 マタ.ハリなる者達は金になる情報を仕入れると、
中間業者にそれを売って生計を立ててるらしい。

 買い取る組織は国境なき組織であるようだが、
莫大な利益を得ているようである。

 西大陸では、暗黙の了解を得て活動してはいるが、
最近はドドンパ国からの技術流失が頻繁に起こり、
反国境なき組織に対して、反発心が起きてるようだとの情報も入った。

 国境なき組織の全ての運営者は、
国を持たない流浪の民との事である。

 ただ、流浪の民ではあるが、ドドンパ国の科学分野の論理においては、流浪の民と呼ばれている者達が中心でもあるらしい。

「ムネフユ。国境なき組織に対抗できる、組織をつくれるか?」
「創らなければ、ならないでしょう。」

「では、柳生学校の設立を急いでくれ。」
「正式名称は、看護養成中野分校では如何でしょうか?」

「看護養成中野分校?」
「柳生の名前が付くと、いかにもそれらしいので、
看護学校敷地内の建物を使うので、中の分校からの名前をいただき。呼び名は中野学校でよいかと思います。」

「分かった。中野学校の運営を頼む。」
こうして、
亜人協力国の情報局と諜報部員養成場、中野学校が生まれた。
 
「この者達はどのような処分をしましょうか?」
と、すこし肩を落とし下限にした大蛇丸司令官は、
総勢三百人の職人と治安担当者名簿を片手に、鹿島に尋ねた。

「職人を罰すると、技術の流失が起きるであろう。
また治安担当者を逮捕して罪を問えば、
人材不足が起こる可能性がある。裁量の選択は任せる。」
と、鹿島は大蛇丸司令官の管理に対して、批判を込めた丸投げである。

 頭領ムネフユから調査を粗方終えたと連絡を受けた鹿島は、
柳生の里のみんなを迎賓室に迎えて労いの宴を開いた。

「サスケはどうした?」
「精根尽き果てて、女性の顔を見るのも嫌だと、寝込んでいます。」

「最高の極楽を味わったのに、精根尽きるとは、、、。」
と、鹿島とムネフユの卑猥な会話に、
パトラとマーガレットはドヤ顔を二人に向けた。

「マーガレット。あの報告の中にある、
チップを再度検証する必要があると思うのですが?」
「踊り子たちの、踊りも検証しましょう。」
と、二人は、ひそひそ話を始めた。

 二人の会話を理解できないイアラは、
「マタ.ハリなる者は複葉機をすごく欲しがっていた様子らしかったが、やはり軍用で使う目的だったのかしら?」
と、つぶやくのを鹿島とトーマス元帥はすぐに反応した。

「爆撃!」
「空中戦!」
と、二人は別々の発想を叫んだ。

「そうだよ!複葉機で毒ガス集積場への爆撃と、
気球を撃ち落とすのだ。」
と、鹿島は叫んだ。

 迎賓室は作戦室に代わってしまい、複葉機製作学徒達が呼ばれて、工業製造部責任者アマヤモをも呼び出した。

 迎賓室の並べられた料理を片手に、
複葉機製作学徒達が広げた図面に見入っていた工業製造部責任者アマヤモは、

「羽とエンジン搭載構造部分を、軽くて丈夫な魔物の骨を使えます。エンジン回りと操縦席周りは、魔物の表皮を使った方が経済的ですし、少々の攻撃を防げます。」

「魔物の骨と表皮は処分に困っていたので、一石二鳥だ!」
とパトラはガッツポーズをした。

「魔獣土蜘蛛の糸も大量に収穫出来ているので、
直ぐに大量生産できるでしょう。」
と、マーガレットも賛同した。

 複葉機を戦場に採用することになって一番喜んだのが、
女傑航空隊であった。

その理由は、後ろの狙撃席に、
若いエルフ青年が配置されたからである。

 複葉機の生産が始まったころ、
ドドンパ国との戦場に、三つの脅威が追加されたとの報告がなされた。

 一つはタンクと呼ばれる、
キャタピラーをつけた蒸気機関装甲自動車で、
二つめは恐れていた三八歩兵銃を装備した兵を乗せていた。

 三つ目は猫亜人種らしいが、
豚似コヨーテに乗った森のトラと呼ばれているロンメル将軍である。

 ロンメル将軍の顔は猫顔ながら、
やはり人顔ではなくて虎に近いらしい。

 猫亜人長老の話では、狂暴性の為に、
ガイア様の恩恵を受けてない別種の猫亜人種であるらしい。

 豚似コヨーテは真っ黒ではなくて縞模様の体で、
かなりの攻撃的だとの報告を鹿島達は伝えられた。

 ドドンパ国との戦場に二機のエアークラフトが配置されたが、
戦場が広すぎて気球による毒ガス攻撃に対応出来ないでいた上に、
三つの脅威が追加された事で、防戦一方になりだしていた。

 防護マスクの生産量はかなりの数になったが、
まだ三個師団分だけである。

 第一師団と第二師団に第四師団への防護マスクが配備されたことで、戦場は何とか優勢になりだしたが、
エミュー部隊と騎馬隊では、
ロンメル将軍の豚似コヨーテには対抗できなかった。

 輸送艦に装備されているレーザー砲を、
キャタピラー付きのトラックに載せて運用したが、
湿地帯と森での運用は不向きだと判断されたので、
未だに手持ちのレール砲五十門だけが主力であるために急ぎ無反動砲を必要としていた。

 機動車輌の増産と無反動砲の製造が急ピッチで行われたが為に、

亜人協力国では、いろんな産業が停滞しだしていた。

 亜人協力国では、全員総動員計画がなされたが、
運営委員会において時期早々だと反対された。
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