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73救出救護作戦

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 亜人協力国とカントリ国との国境線沿いから十キロメートルの幅で樹木が覆いだした頃、
又もやカントリ国においては、
どこかの領主が反乱を起こして政変が起きたらしい。

 その新しい王は、
カントリ国内のあちらこちらで魔物が出没しだし、
それに伴い病気の気を広めていた。

 新しい王は、
亜人協力国に対して、過去の出来事すべてを水に流して忘れてやるから、
亜人協力国も良心を持ち合わせているのであれば、
魔物退治と万能薬の提供をしてくれるように、
ガイア教会へ口添えを頼んで来た様子である。

 すべての原因は、
無謀にも深い樹海の開墾のために樹海に火をつけて、
魔物をおびき出してしまったのは前指導者であるが、
新しい王は、権力を引き継いだと同時に前指導者の責任をも、
解決せざるを得ない状態を担ってしまい、
しかしながら自国での解決は、無理であると悟ってしまったようである。

 運営委員会としては、
カントリ国からの申し出文面には、生理的に受付できないと無視した。

 カントリ国は、
亜人協力国に無視された事で又もや過去の恨の思いがよみがえったのか、
全く関係のないガイア教会に対して、恨に支配された批判声明を出した。

 その批判声明内容は、
亜人協力国から攻め込まれた時に、
避難民へのガイア教会からの約束された食糧再配給が行われなかったがために、ガイア教会の約束放棄により、
多くの人々が危機的状態に落ちたとの事である。

 もう一つは、
カントリ国が現在魔物からの災害苦境に陥っている原因は、
加護を与えることなく、
搾取するだけの非協力的なガイア教会の無視態度であるとの声明である。

 理不尽と根拠のない声明文字を彫り込んだ石板が、
カントリ国の各教会前に立ち並び始めた。

その為か、教会前では、連日暴動が起き出していた。

 連日暴動だけでなく、
放火された教会では、死傷者も出てしまった教会もあった。

 新しい王は、自分で解決できない事を悟ると、
人気取りの為なのか、誰かに責任転換しなければならないので、
扇動に乗りやすい自国民の恨をあおった。

解決できない原因は、
亜人協力国との交渉においては、互いに和解協力出来るはずなのに、
交渉が進まないのは、
積極的でないガイア教会のせいだと言っている様子である。

それの責任転換に気づく人は少数で、
それを口にする人にも迫害の手が伸びてくるのが、
カントリ国の特徴でもある。

これには、さすがに温情主義テテサ教皇でも怒ってしまった。
テテサ教皇は、
運営委員会に、カントリ国にいる教会関係者各位の救出救護を求めてきた。
テテサ教皇の要請を受けた運営委員会は、
トーマス元帥に救出救護命令を出した。

トーマス元帥は、
運営委員会の命令に対して元陸戦隊全員を集合させた。

救出救護作戦においては、一か所に教会関係者五十人はいるとして、
十二カ所の教会を対象に、救出救護の準備を急いだ。

 輸送艦の奥にしまって置いていた、
一度に千二百人の兵を運べる幅三十メートル長さ五十メートルの上陸艇を使うことにして、
ソシアル航宙技官に運航を依頼した。

 この時から、パトラも操縦技官の資格があると認定されて、
エアークラフトの単独操縦を任された。

一ヶ所での救護時間は、三十分予定の強行作戦である。

 上陸艇側面に配置したレーザー銃座八カ所には、
パトラ配下のレーザー銃隊から選抜して、
着陸後の救出救護隊百名も矢張りパトラ配下のレーザー銃隊から選抜した。

 既に蜜採集作戦において、
降下訓練を終えているエルフ戦士十二名を元陸戦隊に組みこむと、
先発救出救護隊とした。

 救出救護作戦の内容は、
マーガレットとパトラの操縦する二機のエアークラフトには、
先発隊が乗り込んで交互に上陸艇を迎えるために先発し、
上陸艇が着くまで教会関係者を保護する作戦である。

 上陸艇は、先発隊の確保した教会前広場に強行着陸した後に、
エルフ戦士レーザー銃隊は、教会関係者を教会から上陸艇に乗船させる為に、
魔物の楯を使って救出救護することである。

 迫害の危機にさらされている教会関係者は、待たされて辛いであろうが、
決行時間は、闇の中での行動が相応しいだろうとの事で、
カントリ国全土が低気圧に覆われる予想の、三日後の夜二十時で決まった。

 二日間の予行訓練は、これまでにない過酷で厳しいものであったが、
誰もが使命感を持っているので苦情は出なかった。

 鹿島達の先発隊は、鹿島を入れた元陸戦隊六名とエルフ戦士六名で、
パトラ操縦のエアークラフトでヒット州側の教会に向かった。

 トーマス元帥率いる先発隊は、
元陸戦隊において一人少なく全員で十一名であったが、
経験豊かなマーガレットの操縦するエアークラフトで、
鹿島達の東側隣の教会に向かい、順次ムー州側東を目指す予定である。

 鹿島隊は、コーA.Iからの場所指示で教会前広場に着いたようであるが、
教会周りには熱感知がないのを確認しすると、
雨の降る中のロープ降下であるために、
安全のために吊上げ用ロープをも装着した。

 鹿島隊は、エアークラフト両側から同時降下を行った。

 幸いにも教会前広場は広く、
幅三十メートル長さ五十メートルの強行着陸上陸艇の垂直着陸には、
支障はないようである。

 教会周りには監視人もなく、鹿島隊はスムーズに教会内に入れた。
教会内にいたのは、子供達を含めて四十人ぐらいである。

 鹿島は、教会周りに全員を配置すると、
タブレット画面で教会周りの熱反応を調べた。

タブレット画面には、熱源を感知表示が出ないので、
強行着陸上陸艇に着艦を伝えた。

 強行着陸上陸艇は、すでに上空に控えていたので、
「これから着艦します。」
との返事中に、その巨体を上空真上に現した。

 エルフ戦士は訓練通りに、五十名は楯をかざしてトンネルを作り、
残りの五十名は、周りの警戒と不測の事態に備えながら、
教会に入り保護対象者を全員救出した。
上陸艇は、全員救出後には慌ただしく垂直発艦して、
そのままトーマス元帥隊の確保している教会に向かった。

上陸艇が発艦すると、エアークラフトから直ぐに、
鹿島隊の前に吊り上げロープが垂れてきた。

 鹿島隊は、次の予定教会上に着くと、
教会を取り巻くように三ヶ所の監視所があり、
幸いにも六名だけを感知した。

監視所からし少し離れた所に元陸戦隊全員は降下した。

 元陸戦隊は二人ずつで組み、
レーザー銃にて声を出す暇もなく倒せると判断したならば、
レーザー銃を優先して使い、
ナイフがよいと思ったらナイフ使用を鹿島は個人の判断に委ねた。

 全員が三ヶ所の監視所をレーザー銃にて、静かに六敵を倒したようである。
エルフ戦士達も既に降下を終えて、鹿島の周りに集まってきた。 
鹿島は、タゴールを伴い教会入口に向かい、
ほかの全員は、教会周りの警戒に残した。

 教会に入ると、
既に保護対象の皆は、荷物を手に持てるだけでの準備がなされている。

 鹿島は、教会司祭に声をかけた。

「ここに居る方達で全員ですか?」
「はい。みんな揃っています。お迎え有難うございます。」
「皆さん。楯でトンネルを作ります。頭に注意してください。
子供達は、安全のためにエルフ種族が預かります。混乱なく指示に従ってください。」

 上陸艇から連絡が入り、五分後に着艦出来るとの事である。

 鹿島は、教会に居る子供の数を知らせた。

 上陸艇は、五分丁度の着艦した後に、
子供の数より多い二十二人のエルフ戦士が教会に入ってきた。

「五人多いが?」
「トーマス元帥隊の所で、足の不自由な方が居たので、
それを見越してきました。」
二度目の救出救護も無事に完了して、
三番目の教会に近づくとコーA.Iからの報告が入った。

昼頃には、
教会広場前に無かった小屋が,いつの間にか建てられているとの事である。

 タブレットパソコンを開くと、
確かに鹿島達が出発する時には無かった小屋ができていて、
タブレットには五人の印が表示されている。

 多くの犠牲者が出るのは予測されていた事で、
避難民の救出救護を優先した。

「コーA.I。俺らが三ヶ所の監視所を制圧すると同時に、
上陸艇の着艦に邪魔になる、広場の監視小屋を監視員共々、
炭も残さないように、監視衛星からのレーザー砲で消してくれ。」
と、鹿島は命じた。

 三ヶ所の監視所を制圧し終えて、
広場に向かうとそこにはすでに小屋はなく、
焦げた跡だけが残っていて、監視小屋と共に監視員をも確認されなかった。

 警戒のために、教会間の秘密の無線を使えるテテサ教皇を間に入れての、打ち合わせ済みである合図でドアをノックした。

 打ち合わせ合図に応えるように、修道女はすぐにドアを開き、
「大丈夫です。お待ちしていました。」
と、頭を下げた。

 頭を下げのも合図の一つで、安全であるとの応答合図に鹿島は安心した。

 中に入るとかなりの負傷者がいて、
担架を必要と思われる五人がいたうえに、子供達は十二人であった。
ほとんどの人は、手荷物無しのてぶらである。

 上陸艇に担架を五つ頼んで、子供達は十二人と伝えたら、
着艦には、まだ七分位掛かりそうだと返事が来た。

 ここまでの時間消費は、五十分位なので、混乱なく進行出来たのは、
避難民とテテサ教皇による、打ち合わせが細かくされていたお陰であろう。

急などしゃ降りの中、
上陸艇から担架を五つ持った二十人以上のエルフ戦士が、
教会内に入って来ると、皆キビキビとした動き方で避難民を誘導している。

 ここまでは順当に避難民の救出救護は行われたが、
次は、厄介なカントリ国都にある教会である。

 エアークラフトの外はかなりの土砂降りであり、
教会周りにいるはずの暴徒は、
雨を逃れるために教会の建物に侵入している可能性も考えられるので、
先ずは、元陸戦隊六名だけで降下して、教会の建物を確保する事にした。

 闇と土砂降りの中、鹿島達は、無事に降下を終えて教会入り口に向かった。
暗視装置越しに教会入り口前を凝視すると、
二十人ほどが雨を避けるようにたむろしている。

 鹿島は尾刃剣を発動させて、
「全員教会入り口に切り込め!」
と無線越しに命令した。

 鹿島達は、たむろしていた暴徒たちには、声を出す暇を与えずに惨殺した。

 鹿島は、エアークラフトに残っているエルフ戦士への降下を指示すると、
直ぐにコーA.Iには、監視衛星の追加とレーザー砲の準備を命じた。

 教会入り口に向かい、打ち合わせ合図であるドアのノックをすると、
ドアの向こう側では、物を壊す音が聞こえてくる。

 鹿島は、ポールとホルヘを呼び、
「ドアを壊す。敵を確認したら、撃て。」

 ドアの錠前辺りにレーザー銃を向けると、
ドアが少し動くと、直ぐに少しだけ開いた隙間から、
「大丈夫です。お待ちしていました。」
と、司祭服装した中年女性は、安全であるとの応答合図である頭を下げた。
 
 一人入れる分だけの隙間が開いたドアから中の入ると、
ドア周りには、椅子とか机の瓦礫だらけであった。
どうやら、防御のためのバリケードを設置してあったようである。

 鹿島達が中に入って驚いたのは、避難民の数の多さである。
どう見ても九十人以上は居るであろう。

鹿島は、司祭服装した中年女性にわけを聞くと、

「ほとんどの人は、
教会に集まりだした暴徒たちを止める為に来てくれた信心深い人々で、
他の何名かは、
暴漢どもに商品全てを略奪された隣国バーミーズ国の商人です。
バーミーズ国の商人は、暴徒たちの暴力から逃れて、
ここに避難してきたのです。」

「全員には、避難のことは話してありますか?」

「教会を脱出して、亜人協力国に向かう事になるとの了解は取りました。
全員を亜人協力国に救出救護して頂き、
その後の処置は、テテサ教皇と相談させてください。」

 鹿島は、コーA.Iに上陸艇が着艦する一分前、
雨を避ける為にテントへ避難している暴徒らと共に、
教会前に設置されているテントごと消してしまえと命令して、
ほかの場所に避難している暴徒たちが動き出したら、
それも消し去れと命令した。

 トーマス元帥隊も苦労しているようで、上陸艇はなかなか現れない。

 鹿島達がエアークラフトから降下して三十分後に、
ようやく上陸艇から連絡が入り、五分後には着艦出来るとの事である。

 鹿島達は、教会内にいる避難民に手荷物だけの準備をさせるが、
ほとんどの人は、ここでもてぶらの人が多い。

 着艦一分前に二隻の監視衛星からレーザー砲が発射されて、
教会前広場に上陸艇の着陸場所を確保した。

 雨が小雨になった中での避難民の乗船中に、
三ヶ所で明るい光が確認できたのは、監視衛星からの攻撃であるのだろう。

 更に鹿島たちがエアークラフトに釣り上げられ中にも、
二カ所から光の円が確認できた。

 五度目の救出救護場所の教会は、
暴徒たちによってすでに焼け落ちているのを確認した。

 教会前の広場には、二つのゲルが設置されている。

 ゲルの周りに人影熱源は確認できないので、
暴徒たちはすでに引き上げているようで、そのまま広場に降下した。

 鹿島は、テテサ教皇の依頼で来たことを告げてゲルの中に入ると、
ゲルの中では、かなりのけが人が横たわっているのを確認した。

 入口に近いすぐ脇では、
十歳位の娘は、
火傷と思われる顔から手足までもが包帯だらけの負傷者に夢中なのか、
鹿島に気づくことなく、ぎこちないが包帯を取り換える為に一心不乱である。

鹿島が万能回復薬と共に塗り薬回復薬を、
看護人らしき幼い少女に渡したら、
怖がる幼顔を涙顔にしてそれらを受け取り、
不安そうに周りを見渡した後に頭を下げた。

 鹿島は、頭を下げたままの幼い少女に、
「よく今まで頑張った。もうだいじょうぶです。」
と頭に手を当ててなでると、
少女は、やるせなさと不安をそれまで抑えていたのであろう、

大粒の涙を流しながら声を出して泣き出すと、
鹿島にすがるように抱き着いてきた。
 
少女の泣き声につられる様にゲルの中からは、
あちらこちらですすり泣く声が広がり、
教会を焼かれての三日間は、辛い思いと恐怖からの不安であった中で、
司祭から、救援は必ず来ると聞かされて、
信じて頑張り通した少女たちから、鹿島も貰い泣きしてしまった。

 ゲルの内に居るけが人を安全な所へ避難させて、上陸艇の着地場所を確保したのちに、直ぐに上陸艇は着艦し、全員を無事に収監して浮上した。

 救出救護作戦最後の予定場所上空に着くと、コーA.Iから通信が入り、
教会周りに不穏な雰囲気の十人の男たちが居ると知らせてきた。
 その者たちは武装しており、盗賊団類のようであるらしい。
 確かにカントリ国からの庇護が無くなった状態では、非力な教会は良い鴨であろう。

 武装している盗賊団らしき彼らのいる場所から、鹿島達は、教会建物の反対側に降下して、タゴールとキキロに加えて更にカイラをも加えて、教会内に入ることにした後に、残りは教会入り口の見える場所に忍ばせた。

 教会に迎えられて中に入ると、大人は十人もいないが、幼い子供が多くいて、
二十人以上である。
 子供の多さに驚き訳を聞くと、ここには各地から集められた親のない子を集めた孤児院がありその孤児たちらしい。

 此れから起きるかもしれない、武装している盗賊団らしき彼らとの惨事を司祭に説明して、その光景を子供達に見られるのは、良くないだろうと伝えた。

 司祭と修道女たちが子供達を別部屋に移動中、教会入り口扉を壊す音が響いて、手には鉄のハンマーを持った男と共に、松明と剣を手に持った武装した男たちが乱入してきた。

 子供達は、まだ別の部屋に移動しきれてないので、鹿島達からの反撃は行わなかった。
「お!護衛がいたのか?悪いことは言わぬ。大人しくしていろ。」
「お前たちこそ、大人しく出ていけ!」
と鹿島は叫んだ。

 鹿島は、みんなが別部屋に避難したのを確認すると、
「切り伏せろ。」と発した。

鹿島の声に反応したタゴールとキキロやカイラは、十人の武装者に向かい、
たちまちに六人を倒した。

突然の不意打ちに驚いた残りの四人は、教会から飛び出したが、
抵抗する間もなく、隠れていたポールとホルヘにより切り伏せられた。
切り伏せられた遺体は、子供の目に晒されないように直ぐに片付けられた。

盗賊団類は、悪いタイミングで、鹿島達の不機嫌な時に現れたものである。

子供達を迎えに行くと、皆は一塊になり震えている。
「お待たせしました。片づきましたので、亜人協力国に向かいましょう。」
「ありがとうございます。ほんとに来ていただけたのでございますね。
ガイア様とテテサ教皇に感謝します。」

 鹿島達の救出救護担当場所は、全員を救護救出出来たが、
跡見の悪い無駄な殺傷ではなかったかとも思えた。

 鹿島は、トーマスと連絡すると、トーマスからの返事は、
「教会周りは、魔獣や猛獣が出没する場所なので、夜になると、人は出歩かないらしい。」

 周りは安全とのことだが、魔獣や猛獣が出るならば、
危険地帯であると判断して応援に向かった。

雨も上がり、トーマス元帥隊の担当教会上空に着くと、
既に救出は終わったようで、上陸艇は離陸しだしていたが、
ダーホーと豚似コヨーテのオンパレードで、トーマス等は、
その群れの中で、
八つ当たり気味に所かまわずに身二つにしている。

 コーA.Iからの連絡で、魔物までもが近づいてきている様子なので、
鹿島達がエアークラフト上から援護の準備をしだしたが、
マーガレット操縦のエアークラフトは、
トーマス等を乗せるために魔獣の群れの中に強行着陸すると、
直ぐに離陸した。

パトラ操縦のエアークラフトは、
トーマス元帥隊の乗ったエアークラフトと並びながら、神降臨街を目指した。

鹿島は、老樹霊二人による国境沿いの種蒔き結果を知りたくなり、
パトラの居る操縦室に向かった。

「老樹霊二人による、種蒔き結果を知りたいので、サーチライトで樹海を照らしてほしい。」
「いいわよ。隣に座って。私のことを忘れていなかったようね。」
と言ったのは、鹿島がここに来たいが為の理由付けだと、
勘違いしているようである。

「忘れるわけがないだろう。パトラのそばに座りたくて来ました。」
と、言わされた。

 国境沿いの樹海は、まだ樹海と呼ぶには早く、
まだ低木だけのようであるが、土壌がよいのか確実に森林地帯である。

 神降臨街に着くと、
保護された全員は、
上陸艇救護班等と共に大ホールにて食事と休息中であるらしいので、
鹿島はエアークラフト班と食事に向かった。

 鹿島は、
マーガレットとパトラにトーマス元帥等と共に大ホールに入ると、
テテサ教皇と十二人の司祭服装が同席している、
ホールの中央辺りの席に鹿島達も向かった。

 鹿島達に気づいた司祭は、直ぐに立ち上がって会釈すると、
他の司祭とテテサ教皇も、救出隊に気が付いて皆立ち上がった。

「閣下自ら救出救護して頂き、ありがとうございました。
亜人協力国の守り人たちにも、感謝します。」
「みんながきちんと、お待ちくださっていたので、混乱なく、短時間で帰れたのは、皆様のお陰です。」

 救出隊は、司祭達の不安と緊張していた顔が少しは晴れたようなので、
安心して軽く挨拶したのちに,
バイキング式に並べられている料理テーブルに向かった。

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