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制覇行進
203墓穴を掘る者達
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C-003機は『ヒカリ聖女街』上空に着くと、ヒカリ自治区長ゴールドル邸宅庭にⓅの印を確認し、ゆっくりと降下しだした。
「皇后陛下さま!おかえりなさい。」
と、マリーは片膝ついて挨拶した。
「マリー、もうそのようなあいさつは遠慮願いたい。今は互いに平等なのだ。」
「これは私の心のけじめです。」
「ふ~。もう私達は家族になっているのだぞ。」
と、自ら力を抜く様を態度で示しながら、肩に乗っている銀色妖精ツボミを手のひらにいざない。
「この子の名前はツボミです。私の、今度の新しい家族です。」
「え、え、妖精様が家族ですか?」
「そう、マリーたち家族とおんなじに家族になったのです。ツボミちゃん、家族に挨拶なさい。」
「私、ツボミ、二番目に大事なマリーと認知しました。よろしくお願いします。」
「二番目?」
「そう、私以外皆二番目です。」
「私はマリーと言います。なんでも要求してください。」
「え、いいの?では甘いイチゴのショートケーキがいいな。」
「ケーキ?何でケーキを知っているの?」と、
ヒカリ皇后は不思議に感じた。
「母様の好物なので、私も食べてみたい。」
「確かに私の好物だが、私の思考をいつ読み取ったの。」
「マリーがなんでも要求してください。といった時、母様はイチゴのショートケーキを思い浮かべた。」
「あ、あ、あ、確かに思い浮かべたわ。」
「では皇后陛下様、タロー陛下様、大精霊サニー猊下様、大精霊様達、迎賓室にて昼食の用意がなされています。父上、母上、兄上達が心待ちしていますので、ご案内致します。」
迎賓室では鹿島とヒカリ皇后は隣同士に座り、向かい側には自治区長グレイドル.ゴールドルと、隣りに妻のマンダリーに自治治安部隊長リルドラ. ゴールドルそしてマリー. ゴールドル経済部門長が座っていた。
隣のテーブルにはヒカリ自治区自慢の甘味や、果物が所狭しと積み上げられていた。
が、サニーに精霊たちはテーブルから椅子を離して、銀色妖精ツボミを警戒する様にその一挙一動に見入っていた。
隣のテーブルの異常な雰囲気に気づいたのはマリーであった。
「皇后陛下様。大精霊サニー猊下様と大精霊様達はかなりお淑やかですが、今はこれが普通でしょうか?」と、
マリーは前と違う精霊達の雰囲気を不思議に思った。
ヒカリ皇后はすぐに隣の雰囲気状態に気づき、
「ツボミちゃん、おいで!」と、立ち上がった。
銀色妖精ツボミは相変わらずリス顔の状態で、ケーキ皿を抱え込んでいた。
銀色妖精ツボミはヒカリ皇后の呼び声に気づき、皿を抱えたまま飛翔してきた。
そして、ケーキが所狭しと乗っているケーキ皿をヒカリ皇后に差し出した。
「違う。このケーキはサニー様や大精霊様たちと共用して、互いに分け合うのだ。」
と諭した。
銀色妖精ツボミは口をもぐもぐさせながら、愛々しい表情でケーキを一個づつ目視ししだした。
「大精霊サニー様たちのテーブルに戻して来なさい。」
銀色妖精ツボミは残り少なくなった口内を飲み込むのをためらう様にケーキを見つめたまま、まだもぐもぐを続けていた。
「では一個だけ選んで、あと残りはテーブルに返しなさい。」
銀色妖精ツボミは満面の笑顔で口内物を飲み込むと、イチゴケーキのほおばりを片手で押さえながら、ケーキ皿を元のテーブルに運んだ。
銀色妖精ツボミはイチゴケーキのほおばりを片手で押さえながらも、満面の笑顔でヒカリ皇后の隣に飛翔してきた。
銀色妖精ツボミはヒカリ皇后のテーブルに置いてある、前菜を覗き込んでいた。
「野菜食べる?」
銀色妖精ツボミは急いでイチゴケーキを飲み込むと、苦しそうに喉を抑えだした。
銀色妖精ツボミを見つめていたマリーは慌てて、リンゴジュースをヒカリ皇后に手渡した。
ヒカリ皇后は急いで銀色妖精ツボミをつかみ、リンゴジュースを口元に運んだ。
銀色妖精ツボミは大きく息を吐き、
「マリーは二番目に大事な人だが、命の恩人ゆえ、筆頭二番。」と、Vサインをした。
マリーは自分の食事を、銀色妖精ツボミに甲斐甲斐しく奉仕しだした。
銀色妖精ツボミは次々と運ばれてくる食事に夢中になり、マリーの前テーブルに尻餅をついて、マリーからの接待給仕に満足笑顔であった。
銀色妖精ツボミの食欲は精霊たちと同じ様に、底なしに思えた。
鹿島達のテーブルでは、銀色妖精ツボミの一挙一動に周りが驚いたり笑いだしたりと賑やかであるが、サニー達のテーブルは静かに皿の山が積みあがっていた。
昼食会が終わり、鹿島やサニー達も同じテーブルに座り、“イガカンジャ団”の壊滅したとの報告と、”コーガカンジャ団“へのこれからの対応を話し合った。
“イガカンジャ団”か”コーガカンジャ団“かは不明だが、すでに三度の襲撃を受け、撃退したとの報告が自治治安部隊長リルドラ. ゴールドルから説明がなされた。
「いや~。髭手袋の威力は住様しい。暗殺団は逃げ回るだけであった。」
「そうよね。私に向かってきた暗殺者なんか、突然現れた槍に戸惑い、何が何だか?との顔をしていたわ。」
ヒカリ皇后はリルドラとマリーの戦闘模様を聞き、
「だから、“イガカンジャ団”は私の髭手袋槍に、対応できたのですね。」と、
森の中での戦闘を回想していた。
「え、暗殺者どもは、髭手袋槍に対応したと?」
「髭手袋槍での攻撃は一直線の攻撃なので、全員に攻撃を見切られた上に、危うくも苦無での反撃に対応できなかったが、辛うじてサニー様に助けられた。」
「だが、壊滅させたと。」
「樹海樹木の木魂の助けと、大精霊様達の魔道具によってせん滅できたのです。」
「魔道具?」
鹿島は静かに、
「いずれ、ヒカリ自治区にも、配給される予定の銃です。」
「ジュー?とは?」
「空気を圧縮した魔石から、鉛弾丸や爆裂弾丸が飛び出す道具です。」
「威力は?」
「ボーボアの鱗甲冑さえも、貫通するでしょう。」
「え~、鱗甲冑は無敵では、なくなると?」
「いずれは楯を破壊する武器が現れ、さらにその武器を防ぐ堅固な楯が出現するのが、世の常である。」
「住様しい、世の流れだ。」
「髭手袋槍が見切られたのなら、世の常との言葉は重いわ。」
「なので、世の常との言葉を忘れないで、今後は慎重に行動してほしい。」
「心得ました。」と、マリーとリルドラ二人は、髭手袋槍に慢心していた心おごりを、恥じるかの様に静かに頭を下げた。
ヒカリ聖女街まで、徒歩で二時間ほどの距離にある衛星集落の一つアマゾネス村があった。
アマゾネス村を囲っている、猛獣や魔獣対策の木製防護柵が確認できる森の中で、四人の男達が話し合っていた。
話の中心にいる男は旅商人風である。
「で、スカシッペ殿、俺たちがあの集落の酒場で酒をあおり、村中でひと悶着起こせばよいのだな。」
「そう、二、三人をたたき切った後、俺が仲裁に入って、騒ぎを鎮める正義の味方役だ。」
「殴られ役は、高くつくぞ。」
「一人金貨一枚だ。」
「で、色男。村の女にいいとこ見せようって~魂胆か?」
「そんなところだ。あまり詳しく話すと、ぼろが出る。詮索しないでくれ。」
「色男、間違いなく金貨三貨幣を払うのだな。」
「事が成就した暁には、間違いなく払う。」
「前金だろうな?」
「前金金貨一枚。事が成就した暁に金貨二枚だ。」
殴られ役三人は元騎士の装いながらも、甲冑の継ぎ部分はだらしなくずれ落ちていて、槍に至っては見た目すぐに気づく位にさび付いていた。
その風貌は落ち武者を通り越して、戦場跡で武具類を拾い集めのではと思えるほどに、威厳など全く感じ無い崩れ様であった。
殴られ役三人は互いに相談し合い、
「では、前金、金貨二貨幣をもらおう。」
「暴れる出来が悪いと、台無しなので、前金は一貨幣だ。」
「間違いなく二、三人をたたき切って、暴れて見せる。」
「村の若い衆が堤防補強工事に駆り出されていると言っても、常時男衆三百人はいるのだ。逆に取り押さえられたら、俺は元の木阿弥だ。」
「俺らは元オハラ王国の近衛騎士団だぞ。」
「わかった。金貨二貨幣払おう。」
と言って旅商人風男は巾着袋から二金貨を取り出し、三人の中の一人へ渡した。
木立生い茂る森の中では、鋼鉄ワニ族、甲賀忍鋼鉄の又三郎にそっくりな男と、深く頭巾をかぶった二人が、金貨を受け渡している四人を見つめていた。
「これでうまく、治安部隊長リルドラがでぱって来るなら、金貨二枚など安いものだ。」
「突然手から槍が伸びてきたときは、遣られたと覚悟しました。あの時の手助け感謝します。」
「ま、俺でもびっくりしたわ。リルドラさえ打ち取れば、あとは雑魚ばかりだし、後はお前ひとりで片が付くだろう。」
「ま、赤子の手を捻るようなもんさ。」
金貨を受け渡している四人を見つめている男は振り返ることなく、
「又四郎様、よく元近衛騎士のあ奴らを見つけ出しましたね。」
「おびき寄せたのさ。」
「後学の為に、その詳細を教え願いたいです。」
「ヒカリ自治区では、元聖女突撃騎馬隊隊長タワラボシ.ゲンバ率いる十番隊新選組共々、ビクトリー女王国に鞍替えした為、実際、人材が不足していて、元オハラ王国の誰かれなく人材を求めているとの情報を、俺らの仲間が奴らにささやいたのさ。」
「だが、奴らだけ、ヒカリ自治区に、にべなく断られたと?。」
「フフフ、あの三人は忘れている様だが、経済部門長マリーと、過去に因縁事があったのだ。」
「なるほど。で、懐寂しい中で、奴らは金貨を貰えるうえに、むしゃくしゃしての意趣返しのチャンスが訪れたか。参考になりました。」
「ま、奴らも、スカシッペに会うまでは意趣返しなど、思ってもいなかっただろうが、金貨の音で後先考えず、思わず意表返しがしたいと、舞い上がったのだ。」
鹿島達は昼食を終えて、暗殺団撲滅作戦会議に入っていた。
「まず、監視ドローンから、”コーガカンジャ団“の現在地と、今後の予測を推測しよう。」
と、鹿島はタブレットパソコンを開き、壁のスクリーン傍に立った。
地表面映像はゆっくりと森の方へ降りていき、三人の顔をアップした。
「あ、こいつ、甲賀忍鋼鉄のワニ野郎か?」
と、鹿島が驚くと、甲賀忍鋼鉄のワニ野郎の顔に、いくつもの四角いフレームが重なった。
「鋼鉄ワニ族、甲賀忍鋼鉄の又三郎ではありませんが、血のつながりはあると確定します。」と、
タブレットパソコンから声がした。
更に、甲賀忍鋼鉄の又三郎似の目線先には、木製防護柵の木戸に向かう一本道を、三人の落ち武者崩れ風騎士達が歩いていた。
その後ろには商人風の”コーガカンジャ団“男がゆっくりと周りを警戒しながら、三人の落ち武者崩れ風騎士達の後ろから付いて行っていた。
「待って!三人の騎士たちの顔をアップして。」
と、ヒカリ皇后が叫んだ。
三人の騎士たちのアップ顔がスクリーンいっぱいに映し出された。
「やっぱりグローリー男爵の息子ヒローと、インバー準男爵の息子インポイに、ランイン準男爵の息子コーシクで間違いない。マリー。奴らがなぜ、ここの地にいる?」
「おそらく、募集の呼びかけで、現れたのかも?」
「まさか、奴らはここが元ゴールドル伯爵領地だと知らないのか?」
治安部隊長リルドラが、首をかしげながら、
「数日前に、採用担当者の話だと、こ奴らは、採用面接に来た元近衛騎士団所属で元オハラ王国の元貴族の息子たちで、ある程度の学力は認められたが、余りにも横柄な態度だったので不採用にした三人組のようだ。」
と、横からマリーに声掛けした。
「あ、あ、確かのこ奴らは、、元近衛騎士団所属であった。」
「マリー!報復のチャンスだ!」
「皇后陛下様。報復とは何のことでしょうか?」
「私たちが旅立つ前、渡り廊下での侮辱事件を忘れたと?」
「あんなこと気にしていません。今の今まで忘れていました。」
「マリーが忘れても、私は忘れなかった。いま、私には無礼打ちにしてやる力がある。」
「犬が舐めたぐらいの事など、今も何とも思ってません。」
ヒカリ皇后とマリーは真剣な目をしてにらみ合った。
「しかし。」
「皇后陛下さま。」と、マリーは首を横に振った。
「わかった。堪えよう。」
「今は、力関係が上下したことで、今の優越感だけで満足です。復讐は虚しいとも言いますし。」
ヒカリ皇后は悔し気にうなずいた。
監視ドローンからの映像は森の中の三人と、商人風の男に元近衛騎士三人組を映し出していた。
「では、俺らはそろそろ出発するわ。」
鹿島が立ち上がると、ヒカリ皇后やサニーたち精霊も立ち上がったが、なぜか、治安部隊長リルドラとマリーも立ち上がった。
「いや、ここから先はわれらで十分なので、リルドラ殿とマリー嬢はここで備えていてほしい。」
「ヒカリ自治区の治安はわれらの仕事です。」
「皇后陛下さまが向かうのであれば、護衛は私の義務です。」
鹿島がヒカリ皇后に顔を向けると、
「これは彼らの義務でもある。」と、
鹿島に真剣な顔を向け返した。
鹿島はヒカリ皇后がヒカリ自治区に向かうと決まったその時から、ヒカリ自治区のことは自分たちヒカリ自治区の家族で始末するとの気合を感じていたので、リルドラとマリーの申し出を受け入れた。
元近衛騎士ヒローとインポイにコーシク達はアマゾネス村酒場で一気に酒をあおり、それぞれが片手に酒徳利をもって村広場へとやってきた。
「よう、ブスね~ちゃん。男に飢えてるのなら、俺たちが相手になってもいいぞ。ただ金はかかるがな。」
「ハははあ。俺は遠慮するわ。」
「俺も芋は嫌いだが、ただなら、協力は惜しまない。なんせ、俺は博愛主義だから。」
と、村広場を通り過ぎていく女たちを追いかけだした。
だが女たちも負けてはいなかった。
「私の小指程しかない野郎が、いっちょ前の口を利くんじゃないよ。」
「お前らには、木の穴で十分だろう。」
「クズ野郎たち!さっさとこの村から立ち去れ!出ないとケガするぞ!」と、
天秤棒を持った女傑とも思える恰幅の良い三十代の女が、酔っぱらいたちに怒鳴った。
「お前の腐れアナに、俺の愛槍を差し込んでやろう。」
と言って、錆びだらけの槍を女傑に向けた。
「そんな錆びだらけの槍で、私を刺せると?まだハチの方が怖いくらいだよ。」
と、女傑は天秤棒を槍の代用とばかりに構えた。
元近衛騎士ヒローは女傑の胸を狙って、錆びた槍を突き出した。
天秤棒の穂先回転は、錆びた槍を絡ませた様に弾け飛ばした。
元近衛騎士インポイとコーシクはヒローが形勢不利と判断し、女傑の左右から錆びた槍を突き出した。
元近衛騎士インポイが腰の諸刃直剣を抜いて再び女傑に向かっていった時、周りの群衆から石塊が雨あられと、元近衛騎士達に襲い掛かった。
元近衛騎士達三人はつぶて降る広場から逃げ出そうと、手薄な場所を探しているとき、幼い兄妹を見つけた。
元近衛騎士達三人は群衆の中に飛び込み、幼い兄妹を抱き上げて村酒場へと逃げ込んだ。
”コーガカンジャ団“又四郎は集落の屋根から、邪魔な女傑に向かって苦無を投げようと構えていたが、思わぬ好転に目を細め、
「あいつらやりおったわ。騒ぎお起こして森へ逃げ込ませ、かたずけるつもりであったが、このまま膠着させておくなら、必ずや治安部隊長リルドラがでぱって来る。あとは計画通りに馬鹿どもを森へ逃がして、殺せばいい。
治安部隊長リルドラは森中で、いない馬鹿どもを探し回るだろう。その時がチャンスだ。」
「森の中なら、俺たちの庭だ。必ず仕留めきれるさ。」
「で、どの様に、奴らを森に誘導するのです。」
「スカシッペ。お前が酒場に行ってこれからの算段を、奴らに知らせるのさ。」
「で、その算段とは?」
「簡単さ。集落の連中に、子供の釈放交渉が出来ると言って、酒場に行き、奴らには無事に逃がしてやると伝えろ。」
「先ずは集落の連中に、交渉事が得意だ納得させることか。」
スカシッペはどの様にして集落の連中の信頼を、得られるかを思案しだした。
「村の連中も怪我人がいないことで、子供が釈放されるならば、強行突入しないだろうし、奴らを解放するだろう。だが、治安部隊長リルドラが現れるまで、膠着状態を続けるよう奴らに伝えろ。」
「治安部隊長リルドラは来るだろうか?」
「来させるさ。」
「どの様に?」
「奴らが、採用面接で侮辱されたと主張させ、その事でリルドラの謝罪を要求するのさ。」
「なるほど。では早速行ってきます。」
と、スカシッペは屋根から飛び降り、酒場前に集まっている群衆の輪に入っていった。
「皇后陛下さま!おかえりなさい。」
と、マリーは片膝ついて挨拶した。
「マリー、もうそのようなあいさつは遠慮願いたい。今は互いに平等なのだ。」
「これは私の心のけじめです。」
「ふ~。もう私達は家族になっているのだぞ。」
と、自ら力を抜く様を態度で示しながら、肩に乗っている銀色妖精ツボミを手のひらにいざない。
「この子の名前はツボミです。私の、今度の新しい家族です。」
「え、え、妖精様が家族ですか?」
「そう、マリーたち家族とおんなじに家族になったのです。ツボミちゃん、家族に挨拶なさい。」
「私、ツボミ、二番目に大事なマリーと認知しました。よろしくお願いします。」
「二番目?」
「そう、私以外皆二番目です。」
「私はマリーと言います。なんでも要求してください。」
「え、いいの?では甘いイチゴのショートケーキがいいな。」
「ケーキ?何でケーキを知っているの?」と、
ヒカリ皇后は不思議に感じた。
「母様の好物なので、私も食べてみたい。」
「確かに私の好物だが、私の思考をいつ読み取ったの。」
「マリーがなんでも要求してください。といった時、母様はイチゴのショートケーキを思い浮かべた。」
「あ、あ、あ、確かに思い浮かべたわ。」
「では皇后陛下様、タロー陛下様、大精霊サニー猊下様、大精霊様達、迎賓室にて昼食の用意がなされています。父上、母上、兄上達が心待ちしていますので、ご案内致します。」
迎賓室では鹿島とヒカリ皇后は隣同士に座り、向かい側には自治区長グレイドル.ゴールドルと、隣りに妻のマンダリーに自治治安部隊長リルドラ. ゴールドルそしてマリー. ゴールドル経済部門長が座っていた。
隣のテーブルにはヒカリ自治区自慢の甘味や、果物が所狭しと積み上げられていた。
が、サニーに精霊たちはテーブルから椅子を離して、銀色妖精ツボミを警戒する様にその一挙一動に見入っていた。
隣のテーブルの異常な雰囲気に気づいたのはマリーであった。
「皇后陛下様。大精霊サニー猊下様と大精霊様達はかなりお淑やかですが、今はこれが普通でしょうか?」と、
マリーは前と違う精霊達の雰囲気を不思議に思った。
ヒカリ皇后はすぐに隣の雰囲気状態に気づき、
「ツボミちゃん、おいで!」と、立ち上がった。
銀色妖精ツボミは相変わらずリス顔の状態で、ケーキ皿を抱え込んでいた。
銀色妖精ツボミはヒカリ皇后の呼び声に気づき、皿を抱えたまま飛翔してきた。
そして、ケーキが所狭しと乗っているケーキ皿をヒカリ皇后に差し出した。
「違う。このケーキはサニー様や大精霊様たちと共用して、互いに分け合うのだ。」
と諭した。
銀色妖精ツボミは口をもぐもぐさせながら、愛々しい表情でケーキを一個づつ目視ししだした。
「大精霊サニー様たちのテーブルに戻して来なさい。」
銀色妖精ツボミは残り少なくなった口内を飲み込むのをためらう様にケーキを見つめたまま、まだもぐもぐを続けていた。
「では一個だけ選んで、あと残りはテーブルに返しなさい。」
銀色妖精ツボミは満面の笑顔で口内物を飲み込むと、イチゴケーキのほおばりを片手で押さえながら、ケーキ皿を元のテーブルに運んだ。
銀色妖精ツボミはイチゴケーキのほおばりを片手で押さえながらも、満面の笑顔でヒカリ皇后の隣に飛翔してきた。
銀色妖精ツボミはヒカリ皇后のテーブルに置いてある、前菜を覗き込んでいた。
「野菜食べる?」
銀色妖精ツボミは急いでイチゴケーキを飲み込むと、苦しそうに喉を抑えだした。
銀色妖精ツボミを見つめていたマリーは慌てて、リンゴジュースをヒカリ皇后に手渡した。
ヒカリ皇后は急いで銀色妖精ツボミをつかみ、リンゴジュースを口元に運んだ。
銀色妖精ツボミは大きく息を吐き、
「マリーは二番目に大事な人だが、命の恩人ゆえ、筆頭二番。」と、Vサインをした。
マリーは自分の食事を、銀色妖精ツボミに甲斐甲斐しく奉仕しだした。
銀色妖精ツボミは次々と運ばれてくる食事に夢中になり、マリーの前テーブルに尻餅をついて、マリーからの接待給仕に満足笑顔であった。
銀色妖精ツボミの食欲は精霊たちと同じ様に、底なしに思えた。
鹿島達のテーブルでは、銀色妖精ツボミの一挙一動に周りが驚いたり笑いだしたりと賑やかであるが、サニー達のテーブルは静かに皿の山が積みあがっていた。
昼食会が終わり、鹿島やサニー達も同じテーブルに座り、“イガカンジャ団”の壊滅したとの報告と、”コーガカンジャ団“へのこれからの対応を話し合った。
“イガカンジャ団”か”コーガカンジャ団“かは不明だが、すでに三度の襲撃を受け、撃退したとの報告が自治治安部隊長リルドラ. ゴールドルから説明がなされた。
「いや~。髭手袋の威力は住様しい。暗殺団は逃げ回るだけであった。」
「そうよね。私に向かってきた暗殺者なんか、突然現れた槍に戸惑い、何が何だか?との顔をしていたわ。」
ヒカリ皇后はリルドラとマリーの戦闘模様を聞き、
「だから、“イガカンジャ団”は私の髭手袋槍に、対応できたのですね。」と、
森の中での戦闘を回想していた。
「え、暗殺者どもは、髭手袋槍に対応したと?」
「髭手袋槍での攻撃は一直線の攻撃なので、全員に攻撃を見切られた上に、危うくも苦無での反撃に対応できなかったが、辛うじてサニー様に助けられた。」
「だが、壊滅させたと。」
「樹海樹木の木魂の助けと、大精霊様達の魔道具によってせん滅できたのです。」
「魔道具?」
鹿島は静かに、
「いずれ、ヒカリ自治区にも、配給される予定の銃です。」
「ジュー?とは?」
「空気を圧縮した魔石から、鉛弾丸や爆裂弾丸が飛び出す道具です。」
「威力は?」
「ボーボアの鱗甲冑さえも、貫通するでしょう。」
「え~、鱗甲冑は無敵では、なくなると?」
「いずれは楯を破壊する武器が現れ、さらにその武器を防ぐ堅固な楯が出現するのが、世の常である。」
「住様しい、世の流れだ。」
「髭手袋槍が見切られたのなら、世の常との言葉は重いわ。」
「なので、世の常との言葉を忘れないで、今後は慎重に行動してほしい。」
「心得ました。」と、マリーとリルドラ二人は、髭手袋槍に慢心していた心おごりを、恥じるかの様に静かに頭を下げた。
ヒカリ聖女街まで、徒歩で二時間ほどの距離にある衛星集落の一つアマゾネス村があった。
アマゾネス村を囲っている、猛獣や魔獣対策の木製防護柵が確認できる森の中で、四人の男達が話し合っていた。
話の中心にいる男は旅商人風である。
「で、スカシッペ殿、俺たちがあの集落の酒場で酒をあおり、村中でひと悶着起こせばよいのだな。」
「そう、二、三人をたたき切った後、俺が仲裁に入って、騒ぎを鎮める正義の味方役だ。」
「殴られ役は、高くつくぞ。」
「一人金貨一枚だ。」
「で、色男。村の女にいいとこ見せようって~魂胆か?」
「そんなところだ。あまり詳しく話すと、ぼろが出る。詮索しないでくれ。」
「色男、間違いなく金貨三貨幣を払うのだな。」
「事が成就した暁には、間違いなく払う。」
「前金だろうな?」
「前金金貨一枚。事が成就した暁に金貨二枚だ。」
殴られ役三人は元騎士の装いながらも、甲冑の継ぎ部分はだらしなくずれ落ちていて、槍に至っては見た目すぐに気づく位にさび付いていた。
その風貌は落ち武者を通り越して、戦場跡で武具類を拾い集めのではと思えるほどに、威厳など全く感じ無い崩れ様であった。
殴られ役三人は互いに相談し合い、
「では、前金、金貨二貨幣をもらおう。」
「暴れる出来が悪いと、台無しなので、前金は一貨幣だ。」
「間違いなく二、三人をたたき切って、暴れて見せる。」
「村の若い衆が堤防補強工事に駆り出されていると言っても、常時男衆三百人はいるのだ。逆に取り押さえられたら、俺は元の木阿弥だ。」
「俺らは元オハラ王国の近衛騎士団だぞ。」
「わかった。金貨二貨幣払おう。」
と言って旅商人風男は巾着袋から二金貨を取り出し、三人の中の一人へ渡した。
木立生い茂る森の中では、鋼鉄ワニ族、甲賀忍鋼鉄の又三郎にそっくりな男と、深く頭巾をかぶった二人が、金貨を受け渡している四人を見つめていた。
「これでうまく、治安部隊長リルドラがでぱって来るなら、金貨二枚など安いものだ。」
「突然手から槍が伸びてきたときは、遣られたと覚悟しました。あの時の手助け感謝します。」
「ま、俺でもびっくりしたわ。リルドラさえ打ち取れば、あとは雑魚ばかりだし、後はお前ひとりで片が付くだろう。」
「ま、赤子の手を捻るようなもんさ。」
金貨を受け渡している四人を見つめている男は振り返ることなく、
「又四郎様、よく元近衛騎士のあ奴らを見つけ出しましたね。」
「おびき寄せたのさ。」
「後学の為に、その詳細を教え願いたいです。」
「ヒカリ自治区では、元聖女突撃騎馬隊隊長タワラボシ.ゲンバ率いる十番隊新選組共々、ビクトリー女王国に鞍替えした為、実際、人材が不足していて、元オハラ王国の誰かれなく人材を求めているとの情報を、俺らの仲間が奴らにささやいたのさ。」
「だが、奴らだけ、ヒカリ自治区に、にべなく断られたと?。」
「フフフ、あの三人は忘れている様だが、経済部門長マリーと、過去に因縁事があったのだ。」
「なるほど。で、懐寂しい中で、奴らは金貨を貰えるうえに、むしゃくしゃしての意趣返しのチャンスが訪れたか。参考になりました。」
「ま、奴らも、スカシッペに会うまでは意趣返しなど、思ってもいなかっただろうが、金貨の音で後先考えず、思わず意表返しがしたいと、舞い上がったのだ。」
鹿島達は昼食を終えて、暗殺団撲滅作戦会議に入っていた。
「まず、監視ドローンから、”コーガカンジャ団“の現在地と、今後の予測を推測しよう。」
と、鹿島はタブレットパソコンを開き、壁のスクリーン傍に立った。
地表面映像はゆっくりと森の方へ降りていき、三人の顔をアップした。
「あ、こいつ、甲賀忍鋼鉄のワニ野郎か?」
と、鹿島が驚くと、甲賀忍鋼鉄のワニ野郎の顔に、いくつもの四角いフレームが重なった。
「鋼鉄ワニ族、甲賀忍鋼鉄の又三郎ではありませんが、血のつながりはあると確定します。」と、
タブレットパソコンから声がした。
更に、甲賀忍鋼鉄の又三郎似の目線先には、木製防護柵の木戸に向かう一本道を、三人の落ち武者崩れ風騎士達が歩いていた。
その後ろには商人風の”コーガカンジャ団“男がゆっくりと周りを警戒しながら、三人の落ち武者崩れ風騎士達の後ろから付いて行っていた。
「待って!三人の騎士たちの顔をアップして。」
と、ヒカリ皇后が叫んだ。
三人の騎士たちのアップ顔がスクリーンいっぱいに映し出された。
「やっぱりグローリー男爵の息子ヒローと、インバー準男爵の息子インポイに、ランイン準男爵の息子コーシクで間違いない。マリー。奴らがなぜ、ここの地にいる?」
「おそらく、募集の呼びかけで、現れたのかも?」
「まさか、奴らはここが元ゴールドル伯爵領地だと知らないのか?」
治安部隊長リルドラが、首をかしげながら、
「数日前に、採用担当者の話だと、こ奴らは、採用面接に来た元近衛騎士団所属で元オハラ王国の元貴族の息子たちで、ある程度の学力は認められたが、余りにも横柄な態度だったので不採用にした三人組のようだ。」
と、横からマリーに声掛けした。
「あ、あ、確かのこ奴らは、、元近衛騎士団所属であった。」
「マリー!報復のチャンスだ!」
「皇后陛下様。報復とは何のことでしょうか?」
「私たちが旅立つ前、渡り廊下での侮辱事件を忘れたと?」
「あんなこと気にしていません。今の今まで忘れていました。」
「マリーが忘れても、私は忘れなかった。いま、私には無礼打ちにしてやる力がある。」
「犬が舐めたぐらいの事など、今も何とも思ってません。」
ヒカリ皇后とマリーは真剣な目をしてにらみ合った。
「しかし。」
「皇后陛下さま。」と、マリーは首を横に振った。
「わかった。堪えよう。」
「今は、力関係が上下したことで、今の優越感だけで満足です。復讐は虚しいとも言いますし。」
ヒカリ皇后は悔し気にうなずいた。
監視ドローンからの映像は森の中の三人と、商人風の男に元近衛騎士三人組を映し出していた。
「では、俺らはそろそろ出発するわ。」
鹿島が立ち上がると、ヒカリ皇后やサニーたち精霊も立ち上がったが、なぜか、治安部隊長リルドラとマリーも立ち上がった。
「いや、ここから先はわれらで十分なので、リルドラ殿とマリー嬢はここで備えていてほしい。」
「ヒカリ自治区の治安はわれらの仕事です。」
「皇后陛下さまが向かうのであれば、護衛は私の義務です。」
鹿島がヒカリ皇后に顔を向けると、
「これは彼らの義務でもある。」と、
鹿島に真剣な顔を向け返した。
鹿島はヒカリ皇后がヒカリ自治区に向かうと決まったその時から、ヒカリ自治区のことは自分たちヒカリ自治区の家族で始末するとの気合を感じていたので、リルドラとマリーの申し出を受け入れた。
元近衛騎士ヒローとインポイにコーシク達はアマゾネス村酒場で一気に酒をあおり、それぞれが片手に酒徳利をもって村広場へとやってきた。
「よう、ブスね~ちゃん。男に飢えてるのなら、俺たちが相手になってもいいぞ。ただ金はかかるがな。」
「ハははあ。俺は遠慮するわ。」
「俺も芋は嫌いだが、ただなら、協力は惜しまない。なんせ、俺は博愛主義だから。」
と、村広場を通り過ぎていく女たちを追いかけだした。
だが女たちも負けてはいなかった。
「私の小指程しかない野郎が、いっちょ前の口を利くんじゃないよ。」
「お前らには、木の穴で十分だろう。」
「クズ野郎たち!さっさとこの村から立ち去れ!出ないとケガするぞ!」と、
天秤棒を持った女傑とも思える恰幅の良い三十代の女が、酔っぱらいたちに怒鳴った。
「お前の腐れアナに、俺の愛槍を差し込んでやろう。」
と言って、錆びだらけの槍を女傑に向けた。
「そんな錆びだらけの槍で、私を刺せると?まだハチの方が怖いくらいだよ。」
と、女傑は天秤棒を槍の代用とばかりに構えた。
元近衛騎士ヒローは女傑の胸を狙って、錆びた槍を突き出した。
天秤棒の穂先回転は、錆びた槍を絡ませた様に弾け飛ばした。
元近衛騎士インポイとコーシクはヒローが形勢不利と判断し、女傑の左右から錆びた槍を突き出した。
元近衛騎士インポイが腰の諸刃直剣を抜いて再び女傑に向かっていった時、周りの群衆から石塊が雨あられと、元近衛騎士達に襲い掛かった。
元近衛騎士達三人はつぶて降る広場から逃げ出そうと、手薄な場所を探しているとき、幼い兄妹を見つけた。
元近衛騎士達三人は群衆の中に飛び込み、幼い兄妹を抱き上げて村酒場へと逃げ込んだ。
”コーガカンジャ団“又四郎は集落の屋根から、邪魔な女傑に向かって苦無を投げようと構えていたが、思わぬ好転に目を細め、
「あいつらやりおったわ。騒ぎお起こして森へ逃げ込ませ、かたずけるつもりであったが、このまま膠着させておくなら、必ずや治安部隊長リルドラがでぱって来る。あとは計画通りに馬鹿どもを森へ逃がして、殺せばいい。
治安部隊長リルドラは森中で、いない馬鹿どもを探し回るだろう。その時がチャンスだ。」
「森の中なら、俺たちの庭だ。必ず仕留めきれるさ。」
「で、どの様に、奴らを森に誘導するのです。」
「スカシッペ。お前が酒場に行ってこれからの算段を、奴らに知らせるのさ。」
「で、その算段とは?」
「簡単さ。集落の連中に、子供の釈放交渉が出来ると言って、酒場に行き、奴らには無事に逃がしてやると伝えろ。」
「先ずは集落の連中に、交渉事が得意だ納得させることか。」
スカシッペはどの様にして集落の連中の信頼を、得られるかを思案しだした。
「村の連中も怪我人がいないことで、子供が釈放されるならば、強行突入しないだろうし、奴らを解放するだろう。だが、治安部隊長リルドラが現れるまで、膠着状態を続けるよう奴らに伝えろ。」
「治安部隊長リルドラは来るだろうか?」
「来させるさ。」
「どの様に?」
「奴らが、採用面接で侮辱されたと主張させ、その事でリルドラの謝罪を要求するのさ。」
「なるほど。では早速行ってきます。」
と、スカシッペは屋根から飛び降り、酒場前に集まっている群衆の輪に入っていった。
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