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制覇行進
143 密約始動
しおりを挟むイザベラ女王とヒカリ王女はZ-999号からの説明で、スクリーンに次々と映した地球星の戦争歴史映像を見ていた。
イザベラ女王はいろんな陣形で戦闘を行うことに感激していて、
「われらはすべてが横陣形だが、魚鱗、鶴翼、雁飛行、弓月、矢形、後衛左右、長蛇、方円など面白い戦法だ。
しかしながら、これらは主に平地での戦い方だが、山頂から下る戦法は凄まじい。わが軍には似合う戦法である。
だが、逆の背水の陣など、使いたくない。」
と、槍や刃の戦闘での感想を述べだしたが、火縄銃での長篠戦あたりから顔の表情がこわばりだし、日露戦争の旅順攻防戦にいたっては、
「魔導士軍を率いた、、、?それとも、まさか神々の戦いか?」
と青ざめてしまった。
Z-999号は全く理解出来ないなヒカリ王女とイザベラ女王の言葉を聞き、この後に予定していた海戦や航空戦を観覧したとて消化出来ないし、益にならないとの機械的思考で冷たく判断して上映を打ち切った。
「最後の映像においては、爆発や矢じり弾丸は硝石を加工した火薬を使用していますが、この惑星には硝石はわずかしかありません。ので、その火薬代わりに、爆裂魔法を封じた豊富な魔石を使用しさえすれば、同じ威力かそれ以上の効果があります。」
「爆裂魔法を飛ばしたり、爆裂魔法を封じた爆発力で、鏃だけを飛ばせると?」
「タロー様の故郷では、火薬を用いた武器は大砲と小銃と呼び、以前はそれで戦争をしていました。しかし今現在の化学力では磁力を使い、爆裂弾丸や鉛の矢じりを飛ばすのは、穴の開いた筒を磁力で覆い、磁極の反発で飛ばします。」
「以前ハカタ港町に攻め寄せた、大河向こうのジンギハーン帝国が使用した大筒も同じ物か?」
「ジンギハーン帝国が使用した大筒は、黒煙火薬を使った大砲ですが連続使用耐久力がなく、二度三度の使用で使えなくなります。しかしながら、われらの化学力においては火薬を使わなくても、豊富に産出できる魔石で補えます。」
「その魔道具の耐久数は、どのくらいですか?」
「毎日使い続けても、一年間は使用できます。」
「戦そのものが変わる。」
「戦術は多種多様ですが、基本は先程の陣立ての応用です。敵に対しては遠方からの攻撃が主体で、最後には突撃で敵を壊滅する事が基本です。」
「その戦法を伝授して頂きたい。」
とイザベラ女王がZ-999号に頭を下げると、
「是非に!」
と、ヒカリ王女も大きくうなずいた。
イザベラ女王は同じ様に懇願したヒカリ王女を覗き込み、
「従姉妹殿の戦は、、、終わったのではないか?」
「タロー様の為に、備えたい。」
イザベラ女王は「フフフ。」と鼻で笑いながら、
「タロー殿がどこと戦をすると、お思いですか?」
ヒカリ王女は返答できずに黙り込んでしまった。
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