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制覇行進
72 鹿島を動かす歯車
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鹿島達が教会前に差し掛かると、子供たちが駆け出していた。
鹿島達に気が付いた双子姉妹のハニーネとサーシャ―が、子供達の集団から離れて来た。
「お姉様たち、お勤めご苦労様です。」
と、二人は相変わらずの合唱掛け声である。
「おう、何をやっているのだ?」
「一日一善の小さな親切課題をしてきたので、これから勉強と食事です。」
とやはり二人はハモっている。
「ハニーネとサーシャ―!授業に遅刻するぞ!」
と年長体系の男の子が叫んだ。
「今行きます!」
と、二人はハモり手を挙げて返事した。
「お姉さま、サーシャ―と私は、孤児院に帰ります。」
「お姉さま、ハニーネと私は、孤児院に帰ります。」
と、二人はお辞儀して駆け出していった。
サニーとヒカリ王女は微笑みながら、手を振り見送っていた。
鹿島は遠ざかる姉妹を見送りながら、
「大きなお世話事をしてないだろうな?」
「え~。時々タローは意味不明な言葉が出るが?頭大丈夫?」
「サニー様に頭をたたかれ過ぎたのでは?」
とつい、ヒカリ王女は鹿島がかわいそうとの、普段から感じていたままの本音が出てしまった。
「なに!ヒカリちゃんまで、頭がおかしくなったの?」
ヒカリ王女はサニーの伴侶に対して無防備に庇い立てしたことは、余計なお世話に入る部分だと気が付き、
「冗談です。」
と、慌てて作り笑いをした。
「ま、いいわ、今すごく気分がいいから、許す。」
と、サニーは満面笑顔で言いながら、双子姉妹が手を振り、門に入っていくのに気づいて手を振り返した。
サニーは鹿島と興味を惹かれる人以外の者達には無関心か冷たい対応しかしないが、子供達皆には優しいようである。
鹿島は司祭長シンデレラや修道士達、そして、タイガーや聖騎士隊面々を慰安しようと教会に向かうと、相変わらずの混雑状態であった。
鹿島は最初案内してくれた聖騎士を見つけ出し、
「おい。今日は休みにした方がいいだろう。」
「支部団長も司祭長様にそう言ったのですが、司祭長様は笑っているだけで、並んでいる患者を順次入れるよう指示しました。」
「で、司祭長はどこにいる?」
「重症者治療室です。」
「案内してくれた。」
「はい!」
と若い聖騎士は鹿島達を案内する事は、誉であるかのように胸を張って先導していった。
重症者治療室では、厄介な病人なのか、シンデレラは額に汗を流す流しながらも、懸命に治療手順を唱えていた。
サニーとヒカリ王女はこっそりと、口の中で魔法を唱えるとシンデレラの背中に手をかざした。
シンデレラは急に体か軽くなった事に気づき、後ろを振り返った。
シンデレラは驚きの顔で二人を見比べだしたが、
「あ、痛みが取れて、体が軽くなったわ。」
と美形整った若い婦人が上半身を起こした。
シンデレラは再度患者に向き直して、
「胸のしこりは取り除きましたが、ひと月に一度は検査に来てください。」
「治ったの?もう痛さは起きないの?」
「経過を見ないと、何とも言えません。」
「再発する可能性があると?」
「奥様は若いので、ちっちゃなしこりはすぐに広がり進行が速いのです。」
「でも、胸のしこり病はすぐに死んでしまうと聞いていたのですが、私は長生き出来ますでしょうか?」
「そのための検査を定期的に行います。」
「ここでの治療費は、支払えない人はチンジュ女神様に祈るだけでいいと聞きました。私は払えますが、如何程払えばいいのでしょうか?」
「廊下の奥にチンジュ様の社があります。そこのさい銭箱に感謝の気持ち代を入れてください。」
「それでは、病院とすれば、如何程受け取ったのかが不明では?」
「チンジュ女神様だけが、知っていればいいことです。」
美形整った若い婦人は、不思議そうな顔をして首を横に傾けながら、廊下奥に進んで行って神社に向かっていった。
若い婦人が神社に着くと、シンデレラの護衛は二人だけであったが、参拝式を聞いて賽銭箱の前に着くと、ニタリと悪戯する時の顔で革袋のひもを緩めた。
シンデレラの護衛二人がほかの参拝者に説明しているとき、正殿向拝階段の方から金貨を大量に落とす連続音が響いたので振り返ると、若い婦人が革袋にまだ残っていた金貨を振り落とし、最後の金貨が打ち合うのを確認し終えて革袋のひもを結び直した。
若い婦人は思いっきりの力を込めて鈴を鳴らし終え、静かに二礼二拍手一礼を始めただした。
参拝を終えた若い婦人は、意気揚々と正殿を後にして歩き出すと、正面から鹿島達と対面する位置にいた。
鹿島は咄嗟に、若い婦人の通行を邪魔しないように横に足を運んんだ。
若い婦人も咄嗟に、鹿島達の通行を邪魔しないよう、横に足を運んんだ。
鹿島と若い婦人は再度、近距離で対面する羽目になった。
鹿島を見据える若い婦人は顔を緊張させて、立ち止まってしまった。
威嚇されたと感じた鹿島は逃げるように、先頭を歩くシンデレラの後に足早に歩き寄り、通行位置を変えた。
若い婦人は鹿島とすれ違うまで、顔から眼を離さないで見つめ続けていた。
鹿島は若い婦人からの目線を感じながらも、目を合わせることなく無視する様に通り過ぎていった。
「あなたは、随分“自棄のやん八”に成っていますかしら?精霊薬師ババ~の製造した薬が有れば、その気持ちは晴れるのかしら?」
と鹿島の後ろでサニーの声がした。
鹿島が驚いて後ろを振り向き止まると、シンデレラもヒカリ王女もサニーから「自棄のやん八」との、聞き捨てならない言葉が聞こえてきたので立ち止まって振り向いていた。
若い婦人は女神への願いを指摘されて凍り付いた。
若い婦人はサニーの眼をじっと見つめてうなずいた。
「シンデレラ司祭長!この人が、ビクトリー王国中に、精霊薬師ババ~の製造した薬を広めてくれるそうだから、協力していただいたら?」
参拝式を説明していた護衛に耳打ちされているシンデレラは、サニーの声で直ぐ傍に駆け寄ってきた。
「大精霊サニー様の推薦でしたら、喜んで協力商会に指名したいです。担当者に引き合わせます。付いて来てください。」
といって歩き出すと、若い婦人は「大精霊サニー様。」とつぶやくだけで、心ここに在らずといった思考力が停止した表情で、鹿島達の後ろからついてきた。
鹿島の気づかないうちに、鎮守聖国籍者にとっては、すでに鎮守様と大精霊サニーにカシマ王は絶対的な存在になっていた。
故に、シンデレラにとっては、サニーの提案は神の声であった。
そしてその後、鎮守聖国籍者の絶対的な信頼に、他国者であろうと周りの人々も感化されだし、三人は絶対的存在として徐々に広がっていった。
若い婦人や、シンデレラを崇拝する人々は、絶対的存在者を神として信じるようになっていき、聖女や勇者は、三人の絶対的存在から加護を授けられていると認知されていった。
鹿島達が馬の脚でリズムカルに防護壁門を進んでいたころ、マリーの絵図がきっかけとも思えるその後の動き方は思考希望を大きく超えて広がり、大きなうねりとなりだした。
それは、小さな決意歯車のヒカリ王女を見本としてイザベラ王女にホルヘ公爵然り、互いに同じ方向に動きだし、鹿島の歯車を加速しだした。
そしてなお、タイガー然り、シンデレラと周り然り、マリーの家族然りと決意歯車はそれぞれの思案を含んで、すでに鹿島歯車に接続して動き出していた。
ただ周りの人々を守るとしか思っていない鹿島には、周りの人々の小さな歯車同士がつながり、想像さえしていない大きな歯車が動きだしていたなどとはまだ気づいていなかった。
鹿島達に気が付いた双子姉妹のハニーネとサーシャ―が、子供達の集団から離れて来た。
「お姉様たち、お勤めご苦労様です。」
と、二人は相変わらずの合唱掛け声である。
「おう、何をやっているのだ?」
「一日一善の小さな親切課題をしてきたので、これから勉強と食事です。」
とやはり二人はハモっている。
「ハニーネとサーシャ―!授業に遅刻するぞ!」
と年長体系の男の子が叫んだ。
「今行きます!」
と、二人はハモり手を挙げて返事した。
「お姉さま、サーシャ―と私は、孤児院に帰ります。」
「お姉さま、ハニーネと私は、孤児院に帰ります。」
と、二人はお辞儀して駆け出していった。
サニーとヒカリ王女は微笑みながら、手を振り見送っていた。
鹿島は遠ざかる姉妹を見送りながら、
「大きなお世話事をしてないだろうな?」
「え~。時々タローは意味不明な言葉が出るが?頭大丈夫?」
「サニー様に頭をたたかれ過ぎたのでは?」
とつい、ヒカリ王女は鹿島がかわいそうとの、普段から感じていたままの本音が出てしまった。
「なに!ヒカリちゃんまで、頭がおかしくなったの?」
ヒカリ王女はサニーの伴侶に対して無防備に庇い立てしたことは、余計なお世話に入る部分だと気が付き、
「冗談です。」
と、慌てて作り笑いをした。
「ま、いいわ、今すごく気分がいいから、許す。」
と、サニーは満面笑顔で言いながら、双子姉妹が手を振り、門に入っていくのに気づいて手を振り返した。
サニーは鹿島と興味を惹かれる人以外の者達には無関心か冷たい対応しかしないが、子供達皆には優しいようである。
鹿島は司祭長シンデレラや修道士達、そして、タイガーや聖騎士隊面々を慰安しようと教会に向かうと、相変わらずの混雑状態であった。
鹿島は最初案内してくれた聖騎士を見つけ出し、
「おい。今日は休みにした方がいいだろう。」
「支部団長も司祭長様にそう言ったのですが、司祭長様は笑っているだけで、並んでいる患者を順次入れるよう指示しました。」
「で、司祭長はどこにいる?」
「重症者治療室です。」
「案内してくれた。」
「はい!」
と若い聖騎士は鹿島達を案内する事は、誉であるかのように胸を張って先導していった。
重症者治療室では、厄介な病人なのか、シンデレラは額に汗を流す流しながらも、懸命に治療手順を唱えていた。
サニーとヒカリ王女はこっそりと、口の中で魔法を唱えるとシンデレラの背中に手をかざした。
シンデレラは急に体か軽くなった事に気づき、後ろを振り返った。
シンデレラは驚きの顔で二人を見比べだしたが、
「あ、痛みが取れて、体が軽くなったわ。」
と美形整った若い婦人が上半身を起こした。
シンデレラは再度患者に向き直して、
「胸のしこりは取り除きましたが、ひと月に一度は検査に来てください。」
「治ったの?もう痛さは起きないの?」
「経過を見ないと、何とも言えません。」
「再発する可能性があると?」
「奥様は若いので、ちっちゃなしこりはすぐに広がり進行が速いのです。」
「でも、胸のしこり病はすぐに死んでしまうと聞いていたのですが、私は長生き出来ますでしょうか?」
「そのための検査を定期的に行います。」
「ここでの治療費は、支払えない人はチンジュ女神様に祈るだけでいいと聞きました。私は払えますが、如何程払えばいいのでしょうか?」
「廊下の奥にチンジュ様の社があります。そこのさい銭箱に感謝の気持ち代を入れてください。」
「それでは、病院とすれば、如何程受け取ったのかが不明では?」
「チンジュ女神様だけが、知っていればいいことです。」
美形整った若い婦人は、不思議そうな顔をして首を横に傾けながら、廊下奥に進んで行って神社に向かっていった。
若い婦人が神社に着くと、シンデレラの護衛は二人だけであったが、参拝式を聞いて賽銭箱の前に着くと、ニタリと悪戯する時の顔で革袋のひもを緩めた。
シンデレラの護衛二人がほかの参拝者に説明しているとき、正殿向拝階段の方から金貨を大量に落とす連続音が響いたので振り返ると、若い婦人が革袋にまだ残っていた金貨を振り落とし、最後の金貨が打ち合うのを確認し終えて革袋のひもを結び直した。
若い婦人は思いっきりの力を込めて鈴を鳴らし終え、静かに二礼二拍手一礼を始めただした。
参拝を終えた若い婦人は、意気揚々と正殿を後にして歩き出すと、正面から鹿島達と対面する位置にいた。
鹿島は咄嗟に、若い婦人の通行を邪魔しないように横に足を運んんだ。
若い婦人も咄嗟に、鹿島達の通行を邪魔しないよう、横に足を運んんだ。
鹿島と若い婦人は再度、近距離で対面する羽目になった。
鹿島を見据える若い婦人は顔を緊張させて、立ち止まってしまった。
威嚇されたと感じた鹿島は逃げるように、先頭を歩くシンデレラの後に足早に歩き寄り、通行位置を変えた。
若い婦人は鹿島とすれ違うまで、顔から眼を離さないで見つめ続けていた。
鹿島は若い婦人からの目線を感じながらも、目を合わせることなく無視する様に通り過ぎていった。
「あなたは、随分“自棄のやん八”に成っていますかしら?精霊薬師ババ~の製造した薬が有れば、その気持ちは晴れるのかしら?」
と鹿島の後ろでサニーの声がした。
鹿島が驚いて後ろを振り向き止まると、シンデレラもヒカリ王女もサニーから「自棄のやん八」との、聞き捨てならない言葉が聞こえてきたので立ち止まって振り向いていた。
若い婦人は女神への願いを指摘されて凍り付いた。
若い婦人はサニーの眼をじっと見つめてうなずいた。
「シンデレラ司祭長!この人が、ビクトリー王国中に、精霊薬師ババ~の製造した薬を広めてくれるそうだから、協力していただいたら?」
参拝式を説明していた護衛に耳打ちされているシンデレラは、サニーの声で直ぐ傍に駆け寄ってきた。
「大精霊サニー様の推薦でしたら、喜んで協力商会に指名したいです。担当者に引き合わせます。付いて来てください。」
といって歩き出すと、若い婦人は「大精霊サニー様。」とつぶやくだけで、心ここに在らずといった思考力が停止した表情で、鹿島達の後ろからついてきた。
鹿島の気づかないうちに、鎮守聖国籍者にとっては、すでに鎮守様と大精霊サニーにカシマ王は絶対的な存在になっていた。
故に、シンデレラにとっては、サニーの提案は神の声であった。
そしてその後、鎮守聖国籍者の絶対的な信頼に、他国者であろうと周りの人々も感化されだし、三人は絶対的存在として徐々に広がっていった。
若い婦人や、シンデレラを崇拝する人々は、絶対的存在者を神として信じるようになっていき、聖女や勇者は、三人の絶対的存在から加護を授けられていると認知されていった。
鹿島達が馬の脚でリズムカルに防護壁門を進んでいたころ、マリーの絵図がきっかけとも思えるその後の動き方は思考希望を大きく超えて広がり、大きなうねりとなりだした。
それは、小さな決意歯車のヒカリ王女を見本としてイザベラ王女にホルヘ公爵然り、互いに同じ方向に動きだし、鹿島の歯車を加速しだした。
そしてなお、タイガー然り、シンデレラと周り然り、マリーの家族然りと決意歯車はそれぞれの思案を含んで、すでに鹿島歯車に接続して動き出していた。
ただ周りの人々を守るとしか思っていない鹿島には、周りの人々の小さな歯車同士がつながり、想像さえしていない大きな歯車が動きだしていたなどとはまだ気づいていなかった。
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