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国興し
36 元の鞘に収まる
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神降臨街ではいろんな教室が開かれ出した。
特にみんなが驚いたのは六歳以上から十歳までは無料義務教育で、その他の希望者も無料で同じ教室ながらも文字と算数の教えを受けることができた。
十歳以上の児童はすでに労働についていて、家族の生活を支えながら技術を取得中であったためであるが、夜間部を設けて、それらの学ぶ意欲のものは年齢を問わず、夜間教室においても無料で受け入れていた。
もう一つの特殊学級は、魔法教室であった。
移住者の中には本人が気づかないが、魔力流腺と魔力貯蔵庫を持っている者が多数いた。
魔力流腺と魔力貯蔵庫を持っている者の特徴は、定期的に高熱が出るので、魔法師の卵は比較的短期間において発見された。
魔法弟子になったシンデレラは、今では立派な治療魔法師になって教鞭を執行していた。
攻撃魔法科と違い、治療魔法師見習の授業は厳しく、魔力が強くても人体構造を理解しないものは、治療魔法をも理解できなかった。魔法力が弱くても、人体構造を理解したものが治療魔法を取得していった。
パトラは絶えず微熱に悩まされていることを治療師となったシンデレラに相談すると、魔力流腺は細く、魔力貯蔵庫は点としか思えないほどだが、魔力貯蔵庫を自分の胸の中に宿していると告げられるとは想像もしていなかった。
パトラもほかの生徒と共にシンデレラの教室にいた。
「パトラさんは、人体構造は完全に覚えてしまったようですが、まだ魔力流腺は細く、魔力貯蔵庫は小さい。多くの経験を積んで、魔力アップに努めなさい。」
「努力します。」
魔法使いになれるかもとの思いで、毎日の治療魔法授業を楽しんでいた。
パトラは鹿島と妖精達の、賄い手伝いの責任者になっていて、家政婦と治療魔法授業の二足わらじをこなしていた。
パトラは思わぬ事件に遭遇した。
パトラは理解しきれない内臓器官の説明を、シンデレラに教えを乞いでいたために居残りになってしまい、鹿島と妖精達の夕飯賄い手伝いが遅れてしまった。
鹿島と妖精達の夕飯はすでに終わっている時間であったが、急ぎ鹿島の部屋に向かった。
食堂室はきれいに片付いていて、食器類もすでに洗い終えられていた。
ただ、鹿島の部屋に食後のアイスコーヒーのポットを運んでいくと、部屋のあちらこちらに鹿島の脱ぎ捨てた衣類が散乱していて、下着さえもが床に落ちていた。
パトラは不意に人の気配を感じて顔を上げると、頭をバスタオルで拭きながら浴室から鹿島が出てきた。
パトラの目は鹿島の胸から下半身へと移動した。
美形の鹿島には憧れと自分を卑下した想いを抱いていたが、胸の動揺は鹿島の下半身から目を逸らす事が出来ずにいた。
鹿島も人の気配に気づいて、バスタオルから顔を出した。
鹿島はパトラに気づき、自分は全裸であったことにも気づいた。
鹿島の思いは、その手の泡マッサージ店に行った経験があり、逸物を見たサービス嬢から、
「普通だよ。」との感想を言いながらもせせら笑った顔を思い出した。
だが今は、A―110号の体に憑依していて、自慢の逸物であった。
鹿島はパトラの目線に気づき、つい、言ってしまった。
「俺の逸物、すごいでしょう。」
パトラは自分の目が、下半身をガン見していた事を気づかれた恥ずかしさから、
「凄いです。」と言って、逃げるように部屋から飛び出ていった。
鹿島は気恥ずかしさを隠すつもりの冗談口が、セクハラ行為であったと気づくと、後悔の懺悔で立ち尽くしてしまった。
パトラが歩いている夕闇が覆いだした神降臨街の市場通りには、肉屋や青物屋に金物店といろんな職種の店が並び、果物屋には色とりどりの果物が並び、加工された果汁やジャムも並んでいる。
どの店も閉店仕舞の忙しそうな雰囲気の様子で、何かが欲しいわけではないが、つい、外の雑踏に溶け込みたい衝動で歩いていた。
神降臨街へ買い出しに来た他領地の商人たちが、閉店仕舞のいろんな店先では、売れ残り物の仕入れ交渉している風景もリラほらとしてしていた。
「パトラ、探したぞ。」
パトラは一瞬鹿島の顔を思い浮かべて笑顔で振り向いた。
鹿島がやはり自分にも幾ばくかの好意を持っていて、迎えに来てくれたと思った気持ちは、元の亭主であった事ですぐに凍り付いた。
「シーザー!何であなたが、この街にいるの?」
「お前を探しに来たのだ。」
「何の為に?あなたはナントン領主の娘と婚約したらしいのに、今更用事などないでしょう。」
「そんな噂は噓なのだ。良かった。呪いの奴隷首輪が外れているなら、俺と帰ろう。」
「あなた達に嵌められた呪いの奴隷首輪は、一瞬で大精霊様に外して貰ったわよ。」
「あれは、俺も騙されていたのだ。信じてほしい。」
パトラが身構えると、
「旦那の言うことは、本当ですぜ。」
と、シーザーを護衛するように、脇にたたずんでいる体格のいい男が話に割って入った。
「そうなのだ。信じてほしい。今俺らは宿に泊まっている。ここでの会話は不味いだろう。俺らの宿で話がしたい。」
パトラが躊躇していると、さらに体格のいい男が声掛けした。
「話だけでも、聞いてやってほしい。」
と、丁寧に頭を下げた。
パトラは後ろから声掛けしたのが、鹿島だと期待した動揺が収まっていなかったのかついうなずいた。
新築の宿屋はこぎれいな造りで、パトラは元亭主シーザーの後ろからついていき、やはりこぎれいな部屋に案内された。
部屋に入ると、いつの間にか体格のいい男はいなくなっていて、部屋には二人だけであった。
シーザーは謝り言葉を出しながら、パトラを抱き寄せた。
パトラは鹿島との突然の痴態遭遇後であったためか、すでに頭で考えないで女性特有の子宮で考えていた様子であった。
パトラはわずかに抵抗したが、そのままベッドへ押し倒された。
パトラは行為が終わった後では、頭で考えることができたのか、後悔の念にとらわれた。
「なぜ?私の無実を知り得たのですか?」
「お前が不義をしたと証言した男が、領主様の言いつけでうその証言をしたと、話してくれた。」
「領主様は何でそのような事を、証言させたのですか?」
「丁度そのまえに元の執事が首になり、領地の運営と会計士を探していたらしい。その後釜に、白矢で俺を狙ったらしいのだ。」
「では、なぜナントン家の執事が、何用でこの街にいるのですか?」
「だから、お前とやり直そうと思って、護衛を雇いこの街に来たのだ。」
「この街で生活すると?」
「そうだ。だから、お前も協力してほしい。」
と言って、シーザーはパトラを抱き寄せた。
パトラは再び子宮で考えて巡らされる事になった。
特にみんなが驚いたのは六歳以上から十歳までは無料義務教育で、その他の希望者も無料で同じ教室ながらも文字と算数の教えを受けることができた。
十歳以上の児童はすでに労働についていて、家族の生活を支えながら技術を取得中であったためであるが、夜間部を設けて、それらの学ぶ意欲のものは年齢を問わず、夜間教室においても無料で受け入れていた。
もう一つの特殊学級は、魔法教室であった。
移住者の中には本人が気づかないが、魔力流腺と魔力貯蔵庫を持っている者が多数いた。
魔力流腺と魔力貯蔵庫を持っている者の特徴は、定期的に高熱が出るので、魔法師の卵は比較的短期間において発見された。
魔法弟子になったシンデレラは、今では立派な治療魔法師になって教鞭を執行していた。
攻撃魔法科と違い、治療魔法師見習の授業は厳しく、魔力が強くても人体構造を理解しないものは、治療魔法をも理解できなかった。魔法力が弱くても、人体構造を理解したものが治療魔法を取得していった。
パトラは絶えず微熱に悩まされていることを治療師となったシンデレラに相談すると、魔力流腺は細く、魔力貯蔵庫は点としか思えないほどだが、魔力貯蔵庫を自分の胸の中に宿していると告げられるとは想像もしていなかった。
パトラもほかの生徒と共にシンデレラの教室にいた。
「パトラさんは、人体構造は完全に覚えてしまったようですが、まだ魔力流腺は細く、魔力貯蔵庫は小さい。多くの経験を積んで、魔力アップに努めなさい。」
「努力します。」
魔法使いになれるかもとの思いで、毎日の治療魔法授業を楽しんでいた。
パトラは鹿島と妖精達の、賄い手伝いの責任者になっていて、家政婦と治療魔法授業の二足わらじをこなしていた。
パトラは思わぬ事件に遭遇した。
パトラは理解しきれない内臓器官の説明を、シンデレラに教えを乞いでいたために居残りになってしまい、鹿島と妖精達の夕飯賄い手伝いが遅れてしまった。
鹿島と妖精達の夕飯はすでに終わっている時間であったが、急ぎ鹿島の部屋に向かった。
食堂室はきれいに片付いていて、食器類もすでに洗い終えられていた。
ただ、鹿島の部屋に食後のアイスコーヒーのポットを運んでいくと、部屋のあちらこちらに鹿島の脱ぎ捨てた衣類が散乱していて、下着さえもが床に落ちていた。
パトラは不意に人の気配を感じて顔を上げると、頭をバスタオルで拭きながら浴室から鹿島が出てきた。
パトラの目は鹿島の胸から下半身へと移動した。
美形の鹿島には憧れと自分を卑下した想いを抱いていたが、胸の動揺は鹿島の下半身から目を逸らす事が出来ずにいた。
鹿島も人の気配に気づいて、バスタオルから顔を出した。
鹿島はパトラに気づき、自分は全裸であったことにも気づいた。
鹿島の思いは、その手の泡マッサージ店に行った経験があり、逸物を見たサービス嬢から、
「普通だよ。」との感想を言いながらもせせら笑った顔を思い出した。
だが今は、A―110号の体に憑依していて、自慢の逸物であった。
鹿島はパトラの目線に気づき、つい、言ってしまった。
「俺の逸物、すごいでしょう。」
パトラは自分の目が、下半身をガン見していた事を気づかれた恥ずかしさから、
「凄いです。」と言って、逃げるように部屋から飛び出ていった。
鹿島は気恥ずかしさを隠すつもりの冗談口が、セクハラ行為であったと気づくと、後悔の懺悔で立ち尽くしてしまった。
パトラが歩いている夕闇が覆いだした神降臨街の市場通りには、肉屋や青物屋に金物店といろんな職種の店が並び、果物屋には色とりどりの果物が並び、加工された果汁やジャムも並んでいる。
どの店も閉店仕舞の忙しそうな雰囲気の様子で、何かが欲しいわけではないが、つい、外の雑踏に溶け込みたい衝動で歩いていた。
神降臨街へ買い出しに来た他領地の商人たちが、閉店仕舞のいろんな店先では、売れ残り物の仕入れ交渉している風景もリラほらとしてしていた。
「パトラ、探したぞ。」
パトラは一瞬鹿島の顔を思い浮かべて笑顔で振り向いた。
鹿島がやはり自分にも幾ばくかの好意を持っていて、迎えに来てくれたと思った気持ちは、元の亭主であった事ですぐに凍り付いた。
「シーザー!何であなたが、この街にいるの?」
「お前を探しに来たのだ。」
「何の為に?あなたはナントン領主の娘と婚約したらしいのに、今更用事などないでしょう。」
「そんな噂は噓なのだ。良かった。呪いの奴隷首輪が外れているなら、俺と帰ろう。」
「あなた達に嵌められた呪いの奴隷首輪は、一瞬で大精霊様に外して貰ったわよ。」
「あれは、俺も騙されていたのだ。信じてほしい。」
パトラが身構えると、
「旦那の言うことは、本当ですぜ。」
と、シーザーを護衛するように、脇にたたずんでいる体格のいい男が話に割って入った。
「そうなのだ。信じてほしい。今俺らは宿に泊まっている。ここでの会話は不味いだろう。俺らの宿で話がしたい。」
パトラが躊躇していると、さらに体格のいい男が声掛けした。
「話だけでも、聞いてやってほしい。」
と、丁寧に頭を下げた。
パトラは後ろから声掛けしたのが、鹿島だと期待した動揺が収まっていなかったのかついうなずいた。
新築の宿屋はこぎれいな造りで、パトラは元亭主シーザーの後ろからついていき、やはりこぎれいな部屋に案内された。
部屋に入ると、いつの間にか体格のいい男はいなくなっていて、部屋には二人だけであった。
シーザーは謝り言葉を出しながら、パトラを抱き寄せた。
パトラは鹿島との突然の痴態遭遇後であったためか、すでに頭で考えないで女性特有の子宮で考えていた様子であった。
パトラはわずかに抵抗したが、そのままベッドへ押し倒された。
パトラは行為が終わった後では、頭で考えることができたのか、後悔の念にとらわれた。
「なぜ?私の無実を知り得たのですか?」
「お前が不義をしたと証言した男が、領主様の言いつけでうその証言をしたと、話してくれた。」
「領主様は何でそのような事を、証言させたのですか?」
「丁度そのまえに元の執事が首になり、領地の運営と会計士を探していたらしい。その後釜に、白矢で俺を狙ったらしいのだ。」
「では、なぜナントン家の執事が、何用でこの街にいるのですか?」
「だから、お前とやり直そうと思って、護衛を雇いこの街に来たのだ。」
「この街で生活すると?」
「そうだ。だから、お前も協力してほしい。」
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