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転生

6 ドレス姿の少女

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 鹿島がドアの無い司令室に駆け込むと、鎮守様はワクワク顔して地球型惑星に見入っていた。

 鹿島に気が付いた鎮守様は、大きく手を上下出せながら、
「タローちゃん、きてきて!すごい量の活性気が充満しているわ。然も強力な強さだわ。
強力な活性気を取りこめたら、私は別天津神(ことあまるかみ)になれるわ。天地開闢(てんちかいびゃく)位、できちゃうよ。」

「別天津神(ことあまるかみ)?天地開闢(てんちかいびゃく)?」
「別天津神とは、日本神話に出てくる神様でしょう。
天地開闢とは、天と地を分けた行いです。ですので、この惑星に降りたい!」
「鎮守様は、もう神様でしょう。」
「子供達が、危険なところに近づかないようにはできるけど、それ以上の加護ができないのよ!
別天津神ぐらいの力があれば、タローちゃんを守れるし、力も与えることが出来ます。」
「成程、その時はよろしくお願いします。処で、知的生命体は居るの?」
「建物群から推測して、かなり高度な知的生命体はいます。」
と、観音菩薩顔してC-001号は説明した。
「資源は?」
「鉄鉱石鉱脈はかなり多いし、鉱物資源惑星です。」
「降下場所は?」
「鉄鉱石が露天掘りできて、化石燃料資源も近場に有り、木材がすぐに切り出せる場所を特定しました。」
「タローちゃんが、王様になれるかも、、、の場所よ。」
と、鎮守様は含み笑い顔をした。

「爆撃機で、特定場所の下見に行ってきます。」
「、、、、、。」
鹿島はサラリと散歩に行く感じで、発着場に向かおうと踵を返したが、二人方の返事がないことで後ろを振り返ると、二人共後ろからついてきていた。
「ここに、誰かが残っていなければ、、、、ならないでしょう。」
二人は返事の代わりに共に微笑みながら、鹿島の両側に並んで歩き出すと、鎮守様は当然と言わんばかりに、鹿島の手を握って歩き出していた。

 鹿島は、二人は常にそばを離れないとの、意識を感じ取ったようすで、納得した様子の顔をしながら、鎮守様の握る手に力を込めて発着場へと向かった。

 鹿島は、発着場の爆撃機を正面から見て驚きの声を上げた。
「何これ?二機の爆撃機をくっつけたの?」
全身真っ白であった機体は、片翼側がモスグリーン色に成っていた。

 片側色違いのうえに寸胴になっただけでなく、C-001号の席であるバックコックピットが無くなっていた。

「A―110号艦長殿、中隊指揮機の整備は終わっています。ただ、かなり損傷が激しかったので、二の機体を合体させました。
二機分の働きができるよう格納庫を広くしましたので、二機分の爆裂弾保有可能なので、二倍の攻撃力があります。」
「ミサイルの数を二倍にすると、攻撃力が二倍になると?その発想と思想回路はどうなっているの?」
「当然、計算からでしょう。」
と、修理ロボットは憤慨した態度の返事を示した。

「で、搭乗口は何処?」
「コックピット後ろ側です。」

 コックピットの後方ドアが開き、機体からタラップが下りてきた。
「帰って来たら、機体を白で統一しろ!」
鹿島は、修理ロボットに向かって怒鳴った。
「彼等は、最小の部品で無駄なく、最大限に元の戦力を維持するように、インプットされていますから。」
と、C-001号は無表情で補足した。
「機体色がちぐはぐなのは、手抜きだろう。」
無駄な返事はしないとの意識なのか、C-001号は応じることなく、黙ってタラップを上がり始めた。
「未だに、疎通がとりにくい奴だ。」
と鹿島は呟きながら、鎮守様の手を引いてタラップを上がっていった。

 コックピット室は大きく変更されていて、四人用のバック席と二人分の操作座席配置は横に列になっていた。

 母艦の発着口から飛び出た爆撃機は、逆噴射しながら大気成層園に突入した。

 朝日の中、爆撃機は防御壁で囲んだ街の家々の上空を、滑走しながら高度を下げていった。

 地表面から百メートルぐらいを滑走していくと、防御壁の内側にさらに城壁と思える中に、中世ヨーロッパの城づくりに似た、尖った屋根群の壮大な白い建物が前方に見えてきた。

 壮大な白い建物のベランダの前は、赤の広場を思わせるだだっ広い庭があった。

 鹿島は、白い建物のベランダで動き回る、白いドレス姿を見初めた。

 鹿島は白いドレス姿に興味を持った様子で、機体の逆噴射を強くして、白い建物のベランダ近くに浮かび停止した。

 突然現れた爆撃機を見た白いドレス姿の少女は凍り付いたように固まっていたが、コックピットの鹿島の目を睨んできた。

 少女の顔は何とか笑顔を取り繕うとしているようだが、顔の筋肉が凍てしまっているのか、泣き出しそうな顔になっていた。

「耳長種族じゃね~。」
と、鹿島は隣の助手席に声がけした。
「綺麗な人。」
と鎮守様は言いながら、ドレス姿の少女に手を振りだした。

 泣き顔していた少女は、鎮守様の手の動きに気が付いた様子で、凍てた顔の筋肉が緩んだのか微笑み豊かな表情となり、手を振り返してきた。
鹿島も少女の手振りに応える様に手を振り返すと、特定場所である目的地に向かってベランダ前から去っていった。
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