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第3段階 part3
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……こんにちは。ユナです。皆さん、少しの間お静かに!ただいま雲隠れ中なんです!見つかるとヤバいから!っと言うのも、昨日クール王子に嘘とかその他もろもろ勘づかれまして……
「面白そう。」
「また明日。」
なんて言われたもので、非常に危険を感じております。朝、学院に登校してから今の今までなんとか交わして来たんだけど……
なんというか……ちょうしつこい!!
ずーっと探し回るんだから!いい加減あきらめてよ。隠れても隠れても、いつの間にか近くに迫ってきてるの!気配もないから冷や汗だらだらで……
そんなわけで『クール王子撃退作戦』実行中なんです!
まず、私に興味をなくしてもらわないと。そう考えてはいるんだけど……アイデアが浮かばない。誤魔化したところであの勘のよさと、魔力感知の手前通じなさそう……
さて、どうしたものか……
「ユーーナ。」
ん?げっ……
「クール王子……何か?」
「探したよーー!なんか逃げてたみたいだけど。ね?」
おうおう……なんか笑顔が怖いぞ。
「それにさぁ。そのクール王子って何?僕にはアレンっていう名前があるんだけど。ところで……クールってどういう意味?」
ここにはそういう言葉ないんだっけ?
「アハハハ……別に?特に意味はないよ……ねぇ。」
「で?」
「…………なんか素っ気なくて、つんとしてるって意味です……」
「ふぅん。僕、君にはそんなじゃないと思うけど?」
いやいや、素っ気ないのはあたりだろ?つんとはしてなくても!
それに、乙女ゲームでのあんたはそうだったんだよ!…いっそそっちのままの方がやりやすかった。どうして?裏設定ばっかり……計画が進まないじゃん!!
「とにかく。クール王子とかじゃなくて。アレンって呼んでよね。……あと、絶対逃がさないから。もう、あきらめたら?」
……は?今なんていった?
「絶対、逃がさない」
そういったの?まさか、まさか?自分のお気に入りオモチャは逃がさない。ゲームキャラ設定あるある展開的な?そうなのか?
いやぁ……乙女ゲームのプレイヤーなら盛り上がるとこだけど。ここまでくるといっそ恐怖だわ……私、今はそんな展開望んでないんです!!全然いらないんです!!ほっといてくれればいいんです!!
「じゃあ、ユナ行こっか。次、屋外授業でしょ?いつまでもそうしてないでさ。あきらめも肝心だよ。ね?」
……私は思った。コイツが私から興味をなくすことはないんじゃないか……と。でも、いや……嫌!!
「もう嫌ぁーー。放してぇーーー!」
「あははは。だめだめ。放したら逃げるでしょ?あきらめなって」
「嫌ぁーー!」
訂正しよう。コイツはクール王子じゃない。腹黒王子である。とんでもないやつに見つかってしまった。私の『スローライフ計画』には絶対いらないやつだ。いては危険なやつだ。
………どうやって抜け出そう……
それから、くる日もくる日もつけ回され。今はもう……なんか……疲れた。コイツを撃退することは変わらないが。とりあえずそれは後に回そう。今、行動してみたところで効果はなさそうだし。……今は……いいや。……疲れた。
私は、もうすぐ始まる次のストーリーに向けて対策を練らないといけないのだ。腹黒王子ことアレンに構っている暇はない。
次のストーリー『学院創立記念パーティー』。なんと、この学院。今年で創立100年という、なんともあるあるな展開になっているのだ。ゲーム会社さまさまである。
「ねぇ。ユナ聞いてる?創立記念パーティーのこと話してるんだけど。」
今日もアレン様にとっつかれ中である。
「ねぇってば。ユナはどうするの?パーティーのペア。」
……そう。当日のパーティーはダンスがあるため。男女ペアで参加がルールで。乙女ゲームでユナはもちろん、婚約者のクリストとペアを組んだ。けど、今回はその前に婚約破棄してクリストにみじんも感情を抱いていないためそれはない。実際、誘われはしたものの丁寧にお断りした。婚約破棄した相手と踊るなんてごめんである。
だから、当日は最初に顔を少し出したら、さっさと帰ろうと思っていた。出席は自由だが、お父様の目もある。顔だけでも出せば欠席扱いにはならないだろう……と。
………その矢先がこれだ。どこから聞きつけてきたんだか。アレンはクリストとの婚約破棄を知っていて。プラス私にペアがいないことを把握済み。……っとに恐ろしい。
「……だからね。ユナ。僕とペア組もう?」
……果たしてこの誘いを断れるのだろうか。
「ねぇ?もしかして誰かもういるの?……いないって聞いてたんだけどなぁ。ねぇ、誰?」
無理だ。コイツの私への執着心を甘く見てはいけない。すでに異常だから。断ったらどうなることやら分かったもんじゃない。クリストに犠牲になってもらってもいいけど……あんまりかな。諦めが肝心……か。
「ねぇ。どうなの?」
「……いないよ。誰も」
「じゃあ、僕と組んでくれる?」
諦めが肝心…はぁ。
「……分かった。いいよ、アレン。」
「よかった!…………いたら絞めちゃおうかと思ったよ。」
…………やっぱりかーー。聞こえてる!聞こえてるって!殺人とかやめてよね!?
私、いったいどうなるの?
私の『スローライフ計画』第3段階達成ならず……なんだかヤバい方向に進んでいる気が……これはもう……しょうがない。
『スローライフ計画』第4段階、第3段階と同時進行で開幕である!こうなりゃあ、もうやっちゃえっ
あぁ……なんだか大変なことに…どうしよう
「面白そう。」
「また明日。」
なんて言われたもので、非常に危険を感じております。朝、学院に登校してから今の今までなんとか交わして来たんだけど……
なんというか……ちょうしつこい!!
ずーっと探し回るんだから!いい加減あきらめてよ。隠れても隠れても、いつの間にか近くに迫ってきてるの!気配もないから冷や汗だらだらで……
そんなわけで『クール王子撃退作戦』実行中なんです!
まず、私に興味をなくしてもらわないと。そう考えてはいるんだけど……アイデアが浮かばない。誤魔化したところであの勘のよさと、魔力感知の手前通じなさそう……
さて、どうしたものか……
「ユーーナ。」
ん?げっ……
「クール王子……何か?」
「探したよーー!なんか逃げてたみたいだけど。ね?」
おうおう……なんか笑顔が怖いぞ。
「それにさぁ。そのクール王子って何?僕にはアレンっていう名前があるんだけど。ところで……クールってどういう意味?」
ここにはそういう言葉ないんだっけ?
「アハハハ……別に?特に意味はないよ……ねぇ。」
「で?」
「…………なんか素っ気なくて、つんとしてるって意味です……」
「ふぅん。僕、君にはそんなじゃないと思うけど?」
いやいや、素っ気ないのはあたりだろ?つんとはしてなくても!
それに、乙女ゲームでのあんたはそうだったんだよ!…いっそそっちのままの方がやりやすかった。どうして?裏設定ばっかり……計画が進まないじゃん!!
「とにかく。クール王子とかじゃなくて。アレンって呼んでよね。……あと、絶対逃がさないから。もう、あきらめたら?」
……は?今なんていった?
「絶対、逃がさない」
そういったの?まさか、まさか?自分のお気に入りオモチャは逃がさない。ゲームキャラ設定あるある展開的な?そうなのか?
いやぁ……乙女ゲームのプレイヤーなら盛り上がるとこだけど。ここまでくるといっそ恐怖だわ……私、今はそんな展開望んでないんです!!全然いらないんです!!ほっといてくれればいいんです!!
「じゃあ、ユナ行こっか。次、屋外授業でしょ?いつまでもそうしてないでさ。あきらめも肝心だよ。ね?」
……私は思った。コイツが私から興味をなくすことはないんじゃないか……と。でも、いや……嫌!!
「もう嫌ぁーー。放してぇーーー!」
「あははは。だめだめ。放したら逃げるでしょ?あきらめなって」
「嫌ぁーー!」
訂正しよう。コイツはクール王子じゃない。腹黒王子である。とんでもないやつに見つかってしまった。私の『スローライフ計画』には絶対いらないやつだ。いては危険なやつだ。
………どうやって抜け出そう……
それから、くる日もくる日もつけ回され。今はもう……なんか……疲れた。コイツを撃退することは変わらないが。とりあえずそれは後に回そう。今、行動してみたところで効果はなさそうだし。……今は……いいや。……疲れた。
私は、もうすぐ始まる次のストーリーに向けて対策を練らないといけないのだ。腹黒王子ことアレンに構っている暇はない。
次のストーリー『学院創立記念パーティー』。なんと、この学院。今年で創立100年という、なんともあるあるな展開になっているのだ。ゲーム会社さまさまである。
「ねぇ。ユナ聞いてる?創立記念パーティーのこと話してるんだけど。」
今日もアレン様にとっつかれ中である。
「ねぇってば。ユナはどうするの?パーティーのペア。」
……そう。当日のパーティーはダンスがあるため。男女ペアで参加がルールで。乙女ゲームでユナはもちろん、婚約者のクリストとペアを組んだ。けど、今回はその前に婚約破棄してクリストにみじんも感情を抱いていないためそれはない。実際、誘われはしたものの丁寧にお断りした。婚約破棄した相手と踊るなんてごめんである。
だから、当日は最初に顔を少し出したら、さっさと帰ろうと思っていた。出席は自由だが、お父様の目もある。顔だけでも出せば欠席扱いにはならないだろう……と。
………その矢先がこれだ。どこから聞きつけてきたんだか。アレンはクリストとの婚約破棄を知っていて。プラス私にペアがいないことを把握済み。……っとに恐ろしい。
「……だからね。ユナ。僕とペア組もう?」
……果たしてこの誘いを断れるのだろうか。
「ねぇ?もしかして誰かもういるの?……いないって聞いてたんだけどなぁ。ねぇ、誰?」
無理だ。コイツの私への執着心を甘く見てはいけない。すでに異常だから。断ったらどうなることやら分かったもんじゃない。クリストに犠牲になってもらってもいいけど……あんまりかな。諦めが肝心……か。
「ねぇ。どうなの?」
「……いないよ。誰も」
「じゃあ、僕と組んでくれる?」
諦めが肝心…はぁ。
「……分かった。いいよ、アレン。」
「よかった!…………いたら絞めちゃおうかと思ったよ。」
…………やっぱりかーー。聞こえてる!聞こえてるって!殺人とかやめてよね!?
私、いったいどうなるの?
私の『スローライフ計画』第3段階達成ならず……なんだかヤバい方向に進んでいる気が……これはもう……しょうがない。
『スローライフ計画』第4段階、第3段階と同時進行で開幕である!こうなりゃあ、もうやっちゃえっ
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