私の七つの罪について

憤怒 5

あれから数日、弟妹たちは家を出た。まずは３人で暮らすことにしたらしい。大学の学費については両親と連絡をとり、その後は自分たちでどうにかするようだ。私には正直…あんな終わり方で良かったのか解らない。家族という形があんなもので終わるなんて。
弟妹たちがいない分生活費も家事も何もかもが大きく変わった。1人ということはこんなにも楽なんだと思う日々。だけど同時に穴が空いたように寂しくも思う。あの日確かに私は苦しいと行った。でも、今までの日々が苦しみしかなかったかと言うとそうじゃない。確かに楽しい日々もあった。愛してた。
弟妹たちが私に何も言わず、家を出た時…あぁ私のこれまではこんなもんかって思った。あの子たちは私を嫌ってたんだろうなって。そう思った…

人は誰もが愛を求める生き物だと私は思う。私は弟妹たちに愛を求め…弟妹たちは優しい家政婦に愛を求めた。その形は変わっていて私にとってのそれは時には厳しくそして時には優しく…私は体も心も余裕がなかったから…優しさとか弟妹たちに触れ合う時間が多分足りなかった。家政婦は厳しさはなくても…優しさがあったから…それが弟妹たちに響いたんだろう。

愛とは難しい。厳しさも優しさも…その度合いさえ私には分からなかった。両親が愛してくれれば…少しは私もお姉ちゃんらしいことできたかな。ねぇ、みんな…ごめんね。でも…会いたいよ。

これは私の罪の話。その名も「憤怒」。
怒りに身を任せ…ついには家族の形さえ壊したある女の話。私はどこから…どこまで間違ってたんだろう。そしてこれから…何を楽しみに生きて行けば良いのかな…
楽な暮らしは嬉しくもある。だけど…苦しかったあの日々が私にとって1番充実した日々に思えるのはなんでだろう。

ねぇ、誰か教えて…愛って何?