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第8話 街を散策しました。

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部屋はtheシンプルって感じだね。大きい家具はベッドと、机くらいでビジネスホテルみたいな感じ。うん。全然いいね。ベットもいい硬さ。寝転んじゃお!あー疲れたー!今日は1日色々あったな。お腹すいたし、お風呂入りたいけど、このまま寝ちゃいたい。


んん、まぶしい。お腹すいた。あ、結局あのまま寝ちゃったのか。今何時なんだろ。あーお風呂入りたい。そういえばどこにあるんだろ。服も着替えたいし。今日服買いにいこう。とりあえず下でごはん食べながらいろいろ聞こっかな。

朝から賑わってるなー。
「おはようございます。」
「おはようございます。食事ですね。その辺適当に座ってお待ちください。」
「はーい。ありがとうございます。」

さすがに朝からレオン君は手伝ってないんだね。親父さん1人で切り盛りしてるのかな。大変そう。
「はい。お待ちどおさまです。」
「ありがとうございます。」

ワンプレートにベーコンと目玉焼き、パンにバターが乗っててあとはポトフかな。日本とあんまり変わらないみたいで良かった。
「いただきます。」
んん!美味しい。朝から最高だなー。
パンは、外はカリッと、なかはふわふわ。パンの温かさで塗ったそばから溶けていくバター。目玉焼きの黄身を潰すとトロッとした濃厚な卵黄が流れ出してきてベーコンの塩気といいハーモニーホールを奏でてる。幸せだな。そりゃ評判がいいわけだ。

「ごちそうさまでした。」
そろそろお客さんも空いてきたし、話しかけても大丈夫かな。

「すみません。」
「はーい。」
「ご飯、とっても美味しかったです。」
「ありがとうございます。」
「すみません、つかぬことをお聞きしたいのですが、お風呂とかってどこに行けば入れるでしょうか。」
「ああ、すみませんね。風呂はないんですよ。ここいらでは貴族の方くらいしか入りません。部屋にタオルとお湯を持っていきますんで、それで体を拭いてください。」
そっか。お風呂ないのか。ちょっと残念だな。
「そうでしたか。ありがとうございます。」

コンコン
「はーい。あ、レオン君。おはよう。」
「おはようございます。お湯とタオルをお持ちしました。」
「ありがとう。朝から手伝って偉いね。」
「別に。冒険者になるための修行みたいなもんだから。」
「そっか。そうだよね。」
「じゃ、使い終わったらドアの外に出しといてくれたら片付けるから。」
「わかった。ありがとう。あ、そうだ!レオン君!」
「ん?」
「あのさ、ライリー君と、ルイス君とエマちゃんって知ってる?アロイスって言うギルドに所属してて、ちょっとした有名人らしいんだけど。」
冒険者に詳しそうなレオン君なら知ってるんじゃないかと思ってつい聞いちゃった。

「なに言ってんだ?」
「あれ?」
え、なんか、誰それって感じになってる?やっぱ有名じゃないの?

「有名なんてもんじゃない。もう俺にとっては神様みたいなもんだ!本当にあのお三方はカッコいいんだよ!俺の目標さ!」
「あ、そうなんだ。」
なんか急にスイッチが入ったみたいに熱くなったな。
「でもどうして急に聞いたんだ?」

「実は、友達になって。」
「え、誰と?」
「え、ライリー達と?」
「いつ?」
「昨日。」
「どこで?」
「森で」
「なんで?」
「なんで?なんでって言われても流れで?」
「本当に?」
「本当に。」
「サインもらった?」
「いや…」
「なんでだよーー!!」
急に大声っ!ビックリした。
「欲しかった?」
「当たり前だろ!俺もできることならライリーさんに会いたい。」
いつでも会えそうだけどな…いやーでも本当にファンがいるんだね。
「やっぱ、有名なんだ。」
「当たり前だろ!じゃ俺もライリーさん達に会えるように訓練してくるわ!じゃ!」
おお、一気にやる気アップした。


じゃ体でも拭きますか。お湯とタオルもらったけど、拭くだけで汚れ落ちてるのかな?あ、そういえば漫画で読んだぞ。こんなシーン。そうだよ。魔法できれいにできるじゃん!
クリーン!
あぁ、ほんのり温かい。お風呂ほどじゃないけどこれはこれでほっとするな。あ、終わった。綺麗になったのかな?ま、いいか。よし。今日は街を散策して買い物にいこう。

なんかヨーロッパ観光に来たみたい。どの家も煉瓦色の屋根で統一されてる。でもお城はアラビアな感じだったよなー。どこからアラビアでどこからヨーロッパなのか境目を見つけたくなるな。

あっあの通り人通りが多そう。市場とかかな?おお露店がずらっとならんでる。あれ、ここ、昨日通った道かな?こういう雰囲気もいいよね。フルーツとか、スパイスとか、アクセサリーとか、いろいろある。

あ、このブレスレットかわいい。金色の輪にワンポイントで青緑色の石が埋め込まれてる。なんだろ。すごく引かれるな。
「いらっしゃい。よかったら着けてみて。」
見とれてたらお店のおばちゃんに話しかけられちゃった。
「ありがとうございます。」
これ、着けたら余計ほしくなるやつだよ。
「似合ってるよ。それにしても変わった服着てるね。この国ははじめてかい?」
「そうなんですよ。昨日来たばかりで。あの、これいくらですか?」
「銅貨5枚だよ。」
え、安くない?
「買います。」
急にお金を出すとビックリされるから、ポケットから出してる風にしてっと。
「ご贔屓に。」
「あの、この辺に服屋はありますか?やはりこの格好だと何かと目立ってしまうので。」
「確かにね。そうだね、そこの道を右に曲がったところに服屋さんがあるから覗いてみたらどうだい?10代の若い子に人気なお店だよ。」
10代か。私もう24なんだけどな。まあいいか。
「ありがとうございます。行ってみます。」
いやーそれにしてもいい買い物をしてしまった。もう満足。

あ、ここかな?看板に服の絵が描かれてる。
「いらっしゃいませ。」
店員さんはみんな若くて本当に今どきって感じのお店なんだろうな。でも、自分に何が合うかなんてわからないよ。
「こんにちは!すごく個性的な服ですね。すごくおしゃれです。」
髪が長くて、きれいな店員さんだなー。あっ、つい見とれてしまった。
「あ、ありがとうございます。あの、私に似合う服をコーディネートしていただけませんか?靴とバッグ込みで。」
「はい。喜んで。」
「あ、なるべく動きやすい服装でお願いします。」
「お任せください。」
楽しみだな。
「お待たせしたした。こちらへどうぞ。」
「はい。」

ほう。これはどうなんだろ。思ったより落ち着いてて、ズボンだし動きやすくていい感じ。だけど、似合ってるというのか…見慣れなさすぎてわからないよ。ま、郷に入っては郷に従えだよね。一式買っていこう。
「すみません、これ一式下さい。」
「ありがとうございます。ではこちらへ。」
「あ、これ着ていってもいいですか?」
「もちろんです。」
そういえば値段みてなかった。高かったらどうしよう。服屋もピンきりだもんね。ま、でも金貨1枚はあるから大丈夫だと信じよう。
「こちら合計で小金貨2枚になります。」
よかった。でも、服で小金貨2枚ってけっこう高級じゃない?ま、そんなもんかな?全身コーディネートだし。

よし、服は買えたから今日の目的は達成だね。うーん。あとはどうしようかな。魔法とか使って慣れといた方がいいかな?とりあえず宿に帰ろう。

ただいまー。ん?なんか親父さんカウンター席に座って心ここにあらずって感じだけど、どうしたんだろ。
「こんにちは。」
「おお、お帰りなさい。」
「元気が無いみたいですけど何かあったんですか?」
「ああ。レオンがな。」
え、レオン君がどうしたの?
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