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3章 ルルの故郷と恋〜主人公無双が止まらない〜

56.復興

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俺とルルがこの村に来てから、早くも一週間が経った。
村興しは順調に進み、この一週間で村のあちこちから忙しなく動く村民の声が聞こえてくるほどになった。

一番の問題であった食料問題は、街への道が開いたことでほぼほぼ解決した。
近くの小川に設置した罠も多少なりとも食料調達に貢献していた。

さらに、最初に作った道とは反対の方角に位置する街への道も開拓して、街と街を繋いだことで、村が街を行き来する人達の中継地となったため、人の出入りや宿の利用客が増えて収益が出るようになった。
それが村の復興に一役買うことになった。


「村に活気が戻るなんて夢のようだな。本当にありがとう」


「私からもお礼をしたいです。ありがとうございます」


俺が村人がガヤガヤと騒いだりしている光景を眺めているとダンさんとルルが話しかけてきた。


「前も言った通り、ルルの故郷を助けるのは当たり前です。それに実際に復興させたのは村民の働きのおかげです」


そう、実はこの一週間で俺が手を出したのは道づくりと罠の設置場所の手引きだけだ。
それ以外は、どうしても村人達だけでは対処できない事しか手を貸していない。
俺が全部やって俺がいなくなったら元に戻ってしまっては意味がない。
そんな事もあり、ほとんどが村人達の働きが復興させたと言っても過言ではない。


「いや、村民が働けるようになったのはラウトくんのおかげだ。本当に皆が君に感謝している」


「そうですよ!モンスターの撃退も村人だけでは、どうしようもなかったんですから。村の復興はラウトさんのおかげです」


2人からそう言われ、頬をかきながら苦笑いすることになった。


「お礼は受け取りますよ。それでダンさん、俺はそろそろ帰らないといけません。仲間を待たせているので」


「そうか、これくらいで恩が返せるとは思っていないが、この村に来てくれればいつでも宿と食事を提供することを約束しよう」


「ありがとうございます」


「ラウトさん、今日には出発ですか?」


ルルが顔を俯かせてそう尋ねてきた。
村やダンさんと別れるのが寂しいのかもしれない。


「明日の朝でも良いよ」


「本当ですか!?またラウトさんと一緒に寝られますね!2人っきりをもう少し楽しみたかったんです」


俺の心配など杞憂で、ストレートに好意を向けてくるルルに少し心が痛かった。
ルルの気持ちに応えることも、拒否することも出来ない今の状況に心苦しさを覚えるのだった。



翌朝、俺とルルは村を出た。
出入り門でダンさんや大勢の村人に見えなくなるまで手を振られながら。

モンスター退治に見送られた時とは大違いな光景に俺はルルと共にケルビラに向けて転移をしたのだった。
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