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前半戦2

あれよあれよ

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次の週の半ば、再び清から電話があった。
日曜日、またこちらへ来るらしい。

そして次の日曜日、清が寮の側まで迎えに来た。
相変わらず時間励行だ。

『 真面目な人。 』

と百合子は思った。

そして、今回も清の地元の湖の周りをぐるぐるとドライブする。
他のドライブコース知らないんだろうか?

そして20時には寮へ送って貰う。

そんなこんなで、気がつくと告白され清と付き合っていた。
何故かいつもデートは清の車で地元の湖をぐるぐる周るコースだ。

清は、地元の商業高校を卒業後、父親が経営する会社に勤めていた。
厳格な父親、慎ましい母親、姉、妹の5人家族。

会社自体は戦後の好景気でかなり利益を出していた。

『 そりゃ、そんな給料貰ってないと能なんて出来ないわな。 』

百合子の初対面で印象は遠からず。といった所か。
この時代は、男女交際は婚前交渉は無し。

つまりは清い交際ってやつだ。清だけに。

だから付き合いが半年を過ぎた辺りになるとこうなる。

ある日のデート最中、清に1つのマッチ箱を見せられた。
最初はピンと来なかったが良く見ると、百合子の実家の近くのガソリンスタンドの物だ。

びっくりして清を見るとその流れのまま、プロポーズされた。
百合子が清の地元の人間では無いので、清自身が百合子の人となりと実家の様子を調べに行ったらしい。

夜、仕事終わってから、車を飛ばして百合子の実家には朝早くに着いた。

顔を洗おうと近くの川へ降りたら、何と眼帯を付けた全裸のおっさんが歩いていたと。

あんな怖い思いをしたのは産まれてはじめてだ。

百合子、きみの実家付近は恐ろしい所だ。

清、すごいタイミングだな。

人の全裸拝めるなんて長い時間じゃなかったろうに。
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