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18、アルト王子とアンネリーゼ

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「アルト、の調子はどうだ?」

「えぇ父上、中々良くやってますよ?仮にもわたしの婚約者として側においてるのですから上手くやってもらわないと困りますしね。」

「アルファザードの呪いをあの娘にかけられたのは良かった。まぁ、両親の命がかかってたら必死にもなるよのう。我が息子ながら恐ろしい奴だよお前は。」

「まぁ、本番までにはもう少し使えるようにしますよ。なんせ全てを癒す聖女様ですからね。兵士の士気を高めるには打ってつけです。」

「ファースト家にはもう1人男の子供がいたそうだが不慮の事故で亡くなったと聞いている。その子が生きてたらこの計画は難しかったかもしれん。」

「はい父上。天は我々に見方しているのですよ。次の戦いでは必ずヤプールを取りましょう。その頃には婚約者殿は人前には出られない身体でしょうから私には都合が良いと言うものですよ。では父上、私はこれから美しいアンネリーゼの元へ顔を出すとします。」

「おいアルト、まだこれから聖女様に頑張って貰わなければならないんだから目立つ事はするなよ?」

「もちろんですよ父上。わたしの計画に油断はありません。」


「分かってるか?アンネリーゼに呪いを受けさせたくないからってわざわざファースト家に濡れ衣を着せあの娘に呪いを受けさせているのを忘れるなよ?」

その言葉には答えずアルト王子はにっこり笑った。そして父親である国王に一礼し部屋から出た。そのまま王宮内を歩き隠し通路を通ると、その先に止めてある馬車に乗り込んだ。

もちろん行先は幼馴染でありアルト王子の想い人のリビング伯爵家のひとり娘アンネリーゼの元である。

「私の計画に抜かりはない。ヤプールを手中に納めアンネリーゼと新しい国を作る。」そう呟くと御者に馬車を出すように伝えた。








「アルト王子様。お会いしたかったです。私、すごく寂しかった。」

伯爵家とは名ばかりで、公爵家にも負けず劣らずの豪華な屋敷の一室でアルト王子は意中の相手であるアンネリーゼと熱いひと時を過ごしていた。

お互いに熱を交わした後のピロートークである。

「済まなかったな。これもそなたと一緒になる為なんだ。今は我慢してくれ。」

「私は王子様を信じますわ。それよりケイトは元気にしていますか?ふふっ、学校ではこれでも割と仲が良かったんです。彼女を大切にしてあげて下さいね??」全てを知っているのに話す言葉はいかにも心配している風である。

「当たり前だ。彼女がいなければ私たちは今ごろはこんな風に過ごす事は出来なかった。しかし、聖女伝説のためにファースト家を差し出したきみもなかなかだ。」そう話しアンネリーゼの美しい金髪を一筋すくい口付けを落とした。

「でも、アルト王子様のお母様と国王様もこんな風に結ばれたのでしょ?」

「あぁ、私の母は形式上は後妻だからね。それよりもう一回いいかい?」

「まぁ~~、王子様ったら・・・」

「こんな時は名前で呼べよアンネリーゼ。」

アルトはこれ以上会話を続ける気はなく、腕の中のアンネリーゼを組み伏せ、この時が永遠に続けと言わんばかりに再びかき抱いた。



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