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46、嵐の前の静けさ
しおりを挟む「はい、先ほど入った連絡によりますと、暴動は2ヶ所に別れた模様です。今私たちがおりますこの地域は何とか抑えられそうですが、もう一つの地域にはどうも別の組織の介入を認められた。と報告がありました。」
「こちらの人間も何名かそちらに割いていますがまだ連絡が入って来ません。現場はここから北に3キロほど先の地域です。」
「わかりました。連絡の無いその地域が不気味です。ひとまず我々2人が確認に向かいます。」
「アンソニー、フェリス、こちらの方の指示に従いここを頼む。私はアニエスと連絡の取れない地域へ向かう。」
「わかった。アルフォンス気を付けてな。」
「アニエス無茶はダメよ。」
「すいません、馬を2頭お借り出来ますか?」
「はい、ご案内します。こちらです。」
「行くぞ、アニエス。」
「わかりました。」
先ほどのレーガン隊長と地図を借りて道の確認をした。我々が2時間たっても帰って来なかったら様子を見に来て欲しいとも伝えた。
「アルフォンス、ギフト避け付けてる?」と何気なく聞いた。「ギフト能力者が絡んで無いといいけど。」
「あぁ、念の為いつも付けてる。アニエス、君は?」
「言うに及ばす。よ。」とペンダントも見せた。
「ペンダントもあるのか?」
「ふふっ、エミリアさん作。またアルフォンスも作って貰えば?」と他愛もない話をしながら緊張を解いた。
「お二方、馬の準備が整いました。」と声がかけられた。
アルフォンスと馬の方へ歩いていく。2頭ともなかなか見事な馬だ。
2人とも乗馬すると現場へと駆け出した。
しばらく道を駆けているとポツリ、ポツリと自警団の人間が道で倒れているのが見つかった。
馬から降りて確認したが、すでにコト切れていた。
「急ごう、アニエス。」とアルフォンスが言うと再び馬を駆り目的地付近へ急いだ。
目的地に着いたが、ここの町は特に目立った暴動は確認出来なかった。この静けさがとても不気味だ。
お互い馬から降りると、周囲に気を配りながら町の中心部へ進んだ。生活している痕跡があるので住人は近くの町へと非難していると思われる。と言う事はここにもし人がいたら、ここの住人ではない可能性が高い。
「まだ人が居たのか~。これはこれは騎士団の制服じゃないですか~こんな辺鄙な田舎町にようこそ。」と言いながら柱の陰から数名の男たちが出てきた。ぱっと見の風貌は警備隊崩れだ。
「俺、昔っからエリートって嫌いなんだよね~。」とアルフォンスを見ながらいちゃもんつけている。
「こんな男前でエリートでって完璧じゃん!!にーちゃんモテるだろう?ここに、このねーちゃん置いていきなよ。俺たちで可愛がっておくからさ。」と言ってることは悪役そのものだ。
実はアルフォンスって顔の事言われるのがとても嫌いなんだよね。一緒に活動する様になって分かったんだけど、その事に触れられるとほんの少しだけポーカーフェイスが崩れる。
「馬鹿かお前ら。」と一言だけ言った。
これは相当怒っている。
「来いよお前ら。まとめて相手してやるよ。」とアルフォンスも騎士団長の仮面を外し悪い顔になっている。「私が、」と言いかけたが
「これは俺に売られた喧嘩だ。手出しは無用だ。」とこちらを見ずに奴らを睨みつけている。まあ、こう言ってるし久しぶりにアルフォンスの剣を拝ませて貰おう。
戦いが始まった。
相変わらずうまい。相当なものだ。このレベルになってくると無駄な動きが無く剣技が美しいのだ。目の保養になる。
アルフォンスの戦いが圧倒的な力で進み、相手がとうとう最後の一人になった時にそれは起こった。
まさかここでこれを目にするとは思わなかった。
◇◇◇◇◇◇
本日、良い所なのでもう1本行きます。
いよいよ次回最強の男と戦いの火蓋が切って落とされます。お楽しみに。
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