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17、うーん!恋バナとカフェと。
しおりを挟む「アニエス殿、そのドレスすごくお似合いです。着て頂けて本当に良かった。」と開口一番、オーロラ王女に誉められました。
どうやってこのドレスを運んだのか?と言うツッコミをやりそびれてしまい、美人に褒められるとなんとなく落とし所に悩んでしまう。
オーロラ王女は両手を合わせ楽しげに「丁度今とても評判の良い観劇がありますの。今日は私の友人としてお付き合い下さいね。」
と優雅に微笑まれた。はぁ、やはり美しいわぁ。
「はい、私で良ければお付き合いさせて頂きます。」と二つ返事で了解する。
その話の流れでアトランティス王宮から馬車に乗り市街地へと入った。
窓から街の様子を眺めていると、オーロラ王女からアトランティス国の歴史をレクチャーしてくれた。やはり歴史は相当古く街並みも保全を心がけているそうだ。
レンブラントだって後進国ではないが、こちらもなかなか発展している。往来には馬車が行き交い、露天が軒を並べる。物資も豊かだ。何より人々に活気がある。
良い国だなぁ。
だがしかし、なぜだ。なぜお前がここにいる。
さも当然!むしろ当たり前と言った雰囲気を醸し出してオスカー団長が私の隣へ座っていた。
馬車から追い出したい。しかしどう考えてもアウェーは私。
くそっ!と思いつつオーロラ王女様と歓談するうちに劇場へ到着した。
観劇内容は悲恋ものか。。。。正直あまり好みではない。トホホ。
でも脚本がとても良く、あまり観劇をしないアニエスでも充分楽しめた。さすが。
途中何度も手を横から握ろうとするオスカー団長には困ったが。いや、その都度手をつねってやったけど。
これはこれで良い経験をさせてもらった。
「アニエス殿、そろそろお茶をなどいかが?珍しい良いお店があるのですのよ。」とお誘いを受けた。
「お受けしたいのは山々ですが、そろそろレンブラントへ帰らないと。」と辞退した。
「まあまあ、お茶の後でも大丈夫ですよ。速馬でレンブラントへ連絡してありますから。」と粘られた。
「本日は王宮にお泊まりになり、明日の早朝に立たれるとよろしいかと。」と何だか最初から脇を固めてあったような雰囲気だ。
隣でさわやかな笑顔のオスカー団長も気に入らない。美形の笑顔ほど胡散臭い物はない。
仕方なく連れられて行ったカフェは東方の文化を取り入れた様式で、苦味のあるお茶と甘い茶菓子の組み合わせが面白かった。
わざわざ店主が出て来てお手前を披露してくれた。また使われている陶器も見たことが無い変わった物だった。
レンブラントでも流行り出したらぜひタチアナやフェリス達と行こう。
結局はお茶にお付き合いし、そのまま王宮へ戻り国王ファミリーと夕食を食べる。と言う何とも落ち着かない体験をした。もちろん味なんてわからないし、食べた気がしない。
アニエスは今後こう言った誘いには2度と乗らん!と硬く決意した。何と言われても絶対断る!
そしてなぜかドヤ顔でここにもいるオスカー団長。周りの皆さんくっつけようとするの辞めて貰えませんかね?
対抗戦、私こいつを殴ったの見てたでしょ?
この夜はオーロラ王女様と一緒のお部屋で休みました。お部屋は16歳の年相応でしたよ。
可愛らしいお部屋でした。恋バナもしました。恋バナなんて私、出来たのね。ふっ。
オーロラ王女は我が国の王子様が好きなんだって。2人いるけどどちら?って聞いたらお兄様の方なんだって。
・・・・頬を赤らめてた。可愛い~。
この夜はたくさん語らい楽しみました。
オーロラ王女の恋が叶うと良いなぁ。
次の日は早朝から馬車を出して頂き、オーロラ王女にお礼を述べ出発し、夕方には無事にレンブラントに到着しました。はぁ、何だか疲れたわ。正直言って、試合よりもこちらの方が疲れたわ。
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