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6、騎士団へ

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後日、騎士団の刻印の入った手紙が来た。

入団式を経て正式に一員になる。
学校は残念ながら退学になる。別にいいや、特に思い入れも無かったし。

当日はなぜか王宮のホールに呼び出されていた。報道関係者や王宮のスタッフが集まって来ている。

女性初のトップ入団という事で、王から直接表彰された。この事は国を挙げて報道され、新聞の一面を飾った。アニエス自身も話がここまで大きくなるとは夢にも思わなかったので、少々驚いた。

後、騎士団組織の編成も女性騎士団の創設により変更される事になった。

総騎士団長
ウィリアム=バインダール

騎士団長として
アルフォンス=オーチャード

女性騎士団長として
ルイス=イェーガー

風の便りにピエールは辺境へ回されたようだ。ザマアミロ。

私は実家から出て寮へ入った。女子寮とは言うのは名ばかりで、僅か数名だった。

そして、寮で新しい制服を支給され、袖を通してみた。黒を基調としたカッコいい制服だ。それと合わせて練習着なども支給してもらった。剣も支給してもらったが使うかどうか目下悩んでいる。

鏡を見ながらうん、まあまあね。とボヤいた。長い髪は後ろで束ねてまとめておく。
団服を身につけるだけで、何だか一人前の大人になった気がする。今晩、女性騎士団の顔合わせをするそうだ。

私達の任務は基本的に貴族の防衛。

男性騎士団との合同任務。街中のパトロールにも狩り出される。その辺りは男性騎士団と変わらない。それを訓練しながらこなしていく。

騎士団長に就任されたルイス殿はあの選抜試験の時にボディーチェックをしてくれた方だ。

基本的に訓練は男性と同じだ。ただ女性の方が人数が少ないので勤務をしながら交代で訓練に入る。

そのスケジュールは、本意ではないのだがアルフォンスの奴が組んでいる。

女性騎士団の始めの2年が寮生活と言うのもこう言ったところからだ。
訓練と業務の板挟み。慣れるまでがちょっとかかるかも知れない。

団服のまま寮を出て騎士団の詰所へ向かう。

詰所の入り口で、「すいません、これから騎士団の顔合わせなので。」と詰所の警備に伝え、指定された部屋のドアを開けると先にルイス団長が来ていた。

ルイス団長はにっこり笑うと
「アニエス、ようこそ女性騎士団へ。」と握手を求められた。

アニエスはルイス団長と握手をしながら
「これから宜しくお願いします。」と軽く会釈をした。

それから後2人の女性が来た。1人は一緒のグループ予選だった人だ。もう1人はちょっとわからないが美人だと思った。

「とりあえず自己紹介するわね。私はルイス=イェーガー27歳よ。宜しくね。18歳から騎士団にいるわ。わからない事が有れば何でも聞いてね。」と話し始めたのでその後の流れを引き取り、
「アニエス=レーニン20歳です。宜しくお願いします。」と一礼した。

それに続いたのはグループ予選で同じだった人だ。

「フェリス=モンドール、私も20歳です。宜しくお願いします。」と同じように礼をしていた。

最後は先ほどの美人だ。近くで見ると、目が覚めるような綺麗な人だった。

「タチアナ=オーチャード22歳です。」

ルイス団長が、「ちなみにタチアナのお兄様が我がレンブラント騎士団のアルフォンス団長よ。」と話した。

うん、やはり美形には美形の兄妹がいるのね。納得。

「今後は、訓練を受けながら任務をこなしていく事になります。女性騎士団はまだ人数が少ないので2人1組で交代で訓練に行ってもらう事にします。」と新人3人を見ながらルイス団長が話された。

私の初めての訓練は明後日になった。
私ともう1人はフェリスになった。

改めて、「アニエス殿これから宜しくお願いします。あのグループ予選と決勝トーナメントはお見事でした。感動致しました。」と感想を頂いた。

「ありがとう。これからお互い頑張りましょう。」と無難に答えておいた。


そして初めての合同訓練の日、私とフェリスは思いっきり浮いていた。

まぁ、一筋縄では行かないのは織り込み済みだけど。となりのフェリスが固まっている。当たり前だが野郎、野郎、男共だ。

「今日はこちらからは2名の参加です。宜しくお願いします。」とその場にいた全員に挨拶をした。

合同訓練と言っても近衛兵団なので、20名ほどか?あと数名いるはずだが警ら中か?と考え事をしていたら目の前が暗くなった。

「其方がアニエス殿か?」と目の前の大男に聞かれた。「はい、ご挨拶が遅れ失礼しました。ウィリアム総騎士団長様ご就任おめでとうございます。これから宜しくお願いします。」と敬礼をした。

「息子から話は聞いている。楽しみにしてるよ。」とアニエスの頭をポンポンとなで立ち去っていった。

周りを見渡すと数名見知ったメンバーがいる。選抜の時のメンバーだ。

そう思っていたら「アニエス殿~久しぶり~。」と間の抜けた声がした。

「???どちら様?」と言うと「一緒に決勝トーナメント戦った仲じゃん~。」と言い出した。

あっ、総騎士団長の息子だ。
相変わらず軽い。
隣に決勝戦で戦った人を連れてる。

「僕の事はある程度知ってると思うけど、自己紹介しとくね。」

「僕の名前はアンソニーだ。アンソニー=バインダール宜しくね。」
と明るく挨拶された。
「私はアニエスと言います。アニエス=レーニンです。私の方こそ宜しくお願いします。」
と必殺挨拶返し?だ。

「私にも紹介させてくれないか?」と隣の人(失礼だわ。私)も話しかけて来た。

「私の名はケリー、ケリー=スピンドルだ。決勝戦の時は世話になった。これから宜しく頼むよ。」

「こちらこそ。宜しくお願いします。」
となごやか?ムードの中アンソニーが

「もし、稽古相手決まってないなら、俺と組まない?」と誘って来た。

思わず隣のフェリスを見た時に、すかさず
ケリーが「では、そちらの方宜しければ私とお願い出来ませんか?」と、誘ってくれていたので、フェリスに「では後ほど。」と告げアンソニーとその場を離れた。

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