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2、ムカつく男の子

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「本日はわざわざお越しいただきありがとうございます。」と国立カーティス魔法学園の学園長と呼ばれる方がブルックリンにお辞儀をしていた。頭の毛がすこーし少ない。ピカっと光っていてブルックリンは思わず頭頂部分に落書きをしたくなってしまい苦笑いした。





 後日、またまた学校のホバーを借りてこの国立カーティス魔法学園へやって来たブルックリン。今回は学園に着くなり学園長の部屋へ案内された。そしてそこに案内されたのはブルックリンだけで無かった。

 もう1人男の子が居たのだった。ブルックリンは無視するのも何だし~、と一応会釈した。

 学園長室へ案内された時は既にこの男の子は席に着いていて、後からやって来たブルックリンを見ても顔色ひとつ変えず一瞥しただけだった。真っ黒の髪の毛を持つ目の綺麗な男の子だったがこの子の態度が最悪だった。

(何よこの子。私は会釈したんだから少しぐらい返してくれても良いんじゃ無い?)と少しだけブルックリンは拗ねた。

「2人とも揃ったね。ではそろそろなぜ2人が呼ばれたか話しましょうか?」と学園長が2人に声をかけた。

「実は先日この間の特待生試験の結果が出たんだけど、本校始まって以来の珍事が起きたんですよ。・・・・私も長年この学園に居ますがこんな事は初めてですよ。」と少し苦笑いしている。

「はっきり言って首位が2人出たんです。そう君たちは満点で同点だったんです。」と学園長は私たちを交互に見ながら話した。

 隣にいた男の子はその話に特に驚いた様子もなく「では私は辞退します。特に経済的に困って受けたのでは無かったので。」とあっさりそう話すと「失礼します。」とさっさと学園長室から出て行ったのだ。

 (・・・・なんだアレは!ありがたいがちょっとむかつくぞ!!)

 思わずブルックリンも立ち上がり「学園長、私は特待生を受けます。お願いします。ちょっと出て来ます。直ぐに戻ります。」と学園長室を飛び出すとさっきの男の子の後ろ姿を走って追いかけた。

 その子に追い付くとその子の肩を叩き「ちょっとアンタ。本当にアレでいいの?」と声を掛けた。その子はゆっくりと振り返るとニコリともせずに

「あぁ、君か。さっきの話なら別に気にしなくて良いよ。俺は1番じゃ無かったらもう興味無いから。」とそう言い放つとさっさと帰って行った。複雑な思いでその後ろ姿を見送ったブルックリン。

「学園長、先ほどはすいませんでした。」と急いで学園長室に戻るとブルックリンは1番にお詫びをした。

「大丈夫!ではこれから特待生の手続きを進めましょう。もう彼の事は気にしなくて良いですよ。」と学園長はにこにこ笑って話した。

 学園長が「アメリア先生~。」と職員室の方へ声を掛けると「はい。」と学園長室に入って来たのは60歳ぐらいの女性の先生だった。

「こんにちは、ブルックリンさん。私はアメリアよ。私がこれから特待生の説明をしますね。場所を変えましょう。こちらへ。」と別室へ案内された。

 ブルックリンはアメリア先生から学校内の取り決めや特待生の資格の剥奪などの説明を受けてこの日は帰った。

 その時の話によると、後日また特待生試験とは別に入学試験は受けなければならないらしく、特待生試験に受かったからって遊んでたらダメよ!と注意を受けた。

 特待生試験は特待生試験だからね?との事だ。
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