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4-5 風雲魔王城天守閣 魔王と邪神、親子対決!

最終決戦 決着

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 ボクはムダだとわかっていても、邪神戦艦を押し出す。

 無情にも、戦艦は地球を破壊するために前進してきた。

「ムチャですよ。あなたたちの力でわたしは倒せない。こんなケースは、過去に何度もありました。ルチャでさえ、我々にはかなわなかった」
「負けません。ボクは、一人で戦っているわけじゃない」

 ボクには、みんながいる。だから、不思議と負ける気がしない。

「そうだよ!」

 明るいドワーフ娘の声が聞こえてきた。

 ボクたちの隣で、巨大なゴーレムの手が伸びてくる。

 あれだけ重かった戦艦の巨体が、徐々に押し戻されていく。

「オンコ!」

 バカでかいゴーレムを操っているのは、オンコだった。

 このゴーレムは、たしか「オンコが魔王になった世界線」で戦ったゴーレムじゃないか。

「オイラだけじゃないよ!」

 乗っているのは、エィハス、ゼーゼマン、ベルガたちだ。

「アーデルハイドまで」

 みんな、この世界を守るために駆けつけてくれたのか。


――そのとおりだ。


 この声は、ボク? いや違う。彼だ。

「ディエロゴ、キミだね?」


――ああ。ダイキ、決着をつけるんだ。
――負けたら承知しない。


 イクミちゃんの声も、聞こえてきた。


「チサちゃん、終わらせよう」
「うん。ダイキとなら、できる」

 チサちゃんと手をつなぐ。

「おおおおお!」

 チサちゃんとボクが、パワーを全開にした。

 ボクたちとゴーレムが、黒い光に包まれる。ゴーレムよりさらに大きい、ドラゴンの形を取った。邪神戦艦さえ、小さく見えるほどの。地球が、黒いドラゴンの心臓部に収まる。

「アカン、こいつはルチャや! いや、ルチャよりでかい」
「ルチャ……あなたまで手を貸すのですね? そこまで、彼らには。そうですか」

 急激に、邪神戦艦の動きが鈍くなった。

「さよか。今までワシらが倒してきた歴代の魔王まで、あいつらに手を貸してるんや。潮時か」

 邪神ラヴクラホテップも、このドラゴンの正体に気づいたようだ。

 黒竜が、大きく口を開ける。

「ママ、パパ。これが最後の一撃」

 チサちゃんが、杖の先を戦艦へ向けた。

 最大級のブレスが、戦艦を消し飛ばす。

 星よりも大きなブレスによって、巨大戦艦もだんだんと削れていった。

「ああ、負ける。ワシらが。せやけど、これでええんやな?」
「はい。彼らなら、きっと世界を支えられます。我々は、不要なのです。何万年も続いた支配も、ようやく終わります」

 ロイリさんと邪神が、ブレスに飲まれながら消えていく。

「勝った、のか?」
『はい。おめでとうございます』

 頭の中で、ロイリさんの声だけがした。

『これでようやく、我々は役割を終えることができました。これからは、あなたたちの時代。一人で背負い込むのではなく、小さい力が一つに合わさって支え合う時代が来るのです。こんなんはあるでしょうが、あなた方ならきっと』

 ロイリさんの気配が、消えていく。

 何もなくなってしまった世界を目にしながら、ボクは意識を手放した。
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