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1-3 ボクの知っている砂遊びと違う!

第27話 もう一人の魔王 マミちゃん

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 ボクたちのいる場所は、客間だ。ちゃぶ台で、お茶をしている。

「チサちゃん、今から敵が来るんだよね? こんなにのんびりしてていいの?」

 襲撃される側のチサちゃんは、えらくリラックスしていた。

「ダイキ様、構える必要はございません。あくまでも遊び相手ですので」

 セイさんも、落ち着いている。

 まあ、電話で「攻めに来ます」って言ってくる相手だから、そんなに構える必要なんてないか。

 それでも、油断はできないよね。

「ボクはどうすればいい?」

「ちゃんと見ていて」

 そっか、見守っていてくれって意味かな。

「まずルールを覚えて欲しい」

 ああ、そういうことか。

「遊びに来たわ!」

 一人の少女が、栗色の髪を振り乱して、リビングに上がり込んできた。
 傍若無人が歩いているような子である。
 動く度、マントがはためく。

 栗色の髪を持つ少女は、ゴーグルを外した。

 挑戦的な碧眼が、チサちゃんを見据える。
 最も印象的なのは、顔の日焼けした痕が目立つところか。
 着ているワンピースやデニム地のショートパンツからも、日焼けの痕が覗く。


 
 だが、ボクの視線はある状況に釘付けとなった。



 四つん這いになった男性が、少女の馬代わりに歩いているのだ。
 痩せていて、胸板も薄いが、貧相な感じではない。



「あの子は?」
「もう一人の魔王、マミ・ニム様です」


 マミちゃんは、魔王という割に、いでたちはヒーロー・勇者風である。

 この子が、戦争をふっかけに来たってコトかな? 
 それにしては賑やかな子だ。まるで敵意を感じない。

「お待ちしておりました、マミ様」
 セイさんが、二人を迎え入れる。

「どうも。今日もよろしくお願いします」
 マミちゃんの玉座さんが、ボクたちの前まで来て頭を下げる。

「ダイキです。チサちゃんの玉座をやらせてもらっています」
 こんな状態のままですいません、とボクは断りを入れた。

「これはご丁寧に。初めまして、チサ様の玉座様。私はマミ・ニム様の玉座で、ケイスと言います」

 イスと言うより、馬と言った方が正しいのかな。

「アタシはマミ・ニム! よろしくねダイキ!」
 ボクたちと握手しようとして、マミちゃんは引っ込める。
 手が汚れていることに気づいたからだ。

「お手洗い貸してね!」
 行儀良く、マミちゃんはお手洗いを借りて手を洗う。

 ケイスさんも手を洗うが、すぐ手を地に着けたので、また手が汚れてしまった。どうするのだろう?

「マミ様、抱っこをしても?」
「OKよ! お好きになさい!」

 一旦マミちゃんを降ろし、ケイスさんはまた手を洗う。
 マミちゃんを抱き上げ、ボクと握手を交わした。
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