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第六章 最後の闘いです!
第83話 化石が、オパール化しています!
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ツタだらけの穴をズンズンと落下していく。
「ソランジュさん!」
「浮遊魔法が間に合わん! 床に激突する!」
ならば、自分がクッションになって助ける。リッコはヒーターシールドを構えた。
だが、床は柔らかい素材でできている。
リッコたちは、かろうじて無事に降りられた。
「ここは、どこでしょうか?」
リッコが歩こうとした瞬間、ソランジュが手首を引く。
「わった!」
あやうく、リッコは谷底に真っ逆さまだった。
「橋か。この地帯だけ、足場が狭いな」
リッコたちが乗っているのは、細い橋の上らしい。
背後には崖があり、洞穴が空いていた。
「寺院の地下に、こんな場所があったとは」
「あっちの洞穴と繋がっているのでしょうか?」
「そのようだな」
中央に小さな島がある。
島には小屋が建っていて、大量の宝箱が置いてあった。
「ソランジュさん見てください。あれがきっと秘宝ですよ!」
放っている気配が違う。
「とにかく進もうか。秘宝を回収する」
あの箱のどれか。あるいはすべてが、秘宝だろう。
「この橋、虹色ですよ! 形は歪なんですけど、色はキレイですね」
橋の周辺が、妙に横へ広がっているのが気になる。
まるで、あばら骨のような。
スタスタと、リッコは橋の向こうにある小島を目指す。
あの小屋を覆う屋根の形が妙だ。
複雑な骨組みによって、橋と繋がっていた。
まるで、何かの腕を思わせる。
橋が、この秘宝を奪おうとしているようにも見えるが。
「こんな地下に虹……まさか、これ全部がキエフオパールか! しかもこの形は、骨じゃないか」
ソランジュが言いかけたとき、複数の靴音が鳴り響いた。
「そう。これは、最古の昔、この地を襲った魔王ベルゼビュート。その化石よ」
向こう岸に現れたのは、タンドック男爵夫人だ。
「ベルゼビュートだって?」
「ご存じなのですか、ソランジュさん」
「アガリアレプトを従えていた魔王だよ」
魔王アガリアレプトの上に、さらに強力な魔王がいたとは。
「みなさん! 無事ですか?」
タンドック夫人の側には、キエフ王子たちが捕らえられている。
捕縛されている中に、ジョーイもいた。
チヨメは見当たらない。
「あなたたちが下手に動かなければ、命は保障するわ。秘宝さえ手に入れば、特に用はないから」
男爵夫人は、コツコツとヒールを鳴らし、近づいてきた。
「この化石、オパール化現象だな」
「そうよ。死んだ母が教えてくれたの。キエフの寺院には、古代にオパール化した魔王が眠っているって」
大げさに、男爵夫人は両手を広げる。
「ソランジュさん!」
「浮遊魔法が間に合わん! 床に激突する!」
ならば、自分がクッションになって助ける。リッコはヒーターシールドを構えた。
だが、床は柔らかい素材でできている。
リッコたちは、かろうじて無事に降りられた。
「ここは、どこでしょうか?」
リッコが歩こうとした瞬間、ソランジュが手首を引く。
「わった!」
あやうく、リッコは谷底に真っ逆さまだった。
「橋か。この地帯だけ、足場が狭いな」
リッコたちが乗っているのは、細い橋の上らしい。
背後には崖があり、洞穴が空いていた。
「寺院の地下に、こんな場所があったとは」
「あっちの洞穴と繋がっているのでしょうか?」
「そのようだな」
中央に小さな島がある。
島には小屋が建っていて、大量の宝箱が置いてあった。
「ソランジュさん見てください。あれがきっと秘宝ですよ!」
放っている気配が違う。
「とにかく進もうか。秘宝を回収する」
あの箱のどれか。あるいはすべてが、秘宝だろう。
「この橋、虹色ですよ! 形は歪なんですけど、色はキレイですね」
橋の周辺が、妙に横へ広がっているのが気になる。
まるで、あばら骨のような。
スタスタと、リッコは橋の向こうにある小島を目指す。
あの小屋を覆う屋根の形が妙だ。
複雑な骨組みによって、橋と繋がっていた。
まるで、何かの腕を思わせる。
橋が、この秘宝を奪おうとしているようにも見えるが。
「こんな地下に虹……まさか、これ全部がキエフオパールか! しかもこの形は、骨じゃないか」
ソランジュが言いかけたとき、複数の靴音が鳴り響いた。
「そう。これは、最古の昔、この地を襲った魔王ベルゼビュート。その化石よ」
向こう岸に現れたのは、タンドック男爵夫人だ。
「ベルゼビュートだって?」
「ご存じなのですか、ソランジュさん」
「アガリアレプトを従えていた魔王だよ」
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「みなさん! 無事ですか?」
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捕縛されている中に、ジョーイもいた。
チヨメは見当たらない。
「あなたたちが下手に動かなければ、命は保障するわ。秘宝さえ手に入れば、特に用はないから」
男爵夫人は、コツコツとヒールを鳴らし、近づいてきた。
「この化石、オパール化現象だな」
「そうよ。死んだ母が教えてくれたの。キエフの寺院には、古代にオパール化した魔王が眠っているって」
大げさに、男爵夫人は両手を広げる。
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