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第六章 最後の闘いです!
第78話 殴られてでも連れて行きますよ!
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「それでは、コジモは? あいつは」
「コジモ姫は、キエフに嫁いた途端で病に倒れ、一日もせずに亡くなりました」
ソランジュは膝を突く。
「そんな。では跡継ぎがいないではないか」
「コジモ姫には妹がいました。ボクは、彼女の孫です。が、この街をこのような荒れ地にしたのは、我が父です」
父の壊した街を救うため、ソランジュに助力を求めたのだ。
「図々しい頼みだとは承知しております。ですが、あなたしかいないのです。コジモ姫と縁のあるあなたにしか」
「私に、コジモの遺志を継げと。無理だよ……。私は、コジモより科学に詳しくない」
及び腰になるソランジュに、リッコは言い放つ。
「怖いんですか、ソランジュさん?」
「なに?」
「怖いんですよね。もし、賢者の石を見つけてしまったら、彼女との思い出が終わってしまうから」
リッコは、放たれたソランジュの拳を受け止めた。
「もう一度言ってみろ、リッコ! どいつもこいつも、コジモの怨霊に取り憑かれて!」
「コジモ王女にしがみついているのは、あなたの方でしょ!?」
本当は、リッコの方が怖い。せっかくできた友だちを、怒らせたのだ。
しかし、ここでソランジュが止まってしまったら、コジモ王女が悲しむと思ったから。
「わたしと友だちになるコトを拒むのも、わたしが定命だから。チヨメさんと別れるのだって辛いんでしょ? 人一倍長生きだから、また失うと思って、心を開けない!」
ソランジュは答えない。
リッコも、正解なんか求めていなかった。
「コジモさんは、あなたを『ソル』って呼んだ理由が分かりますか?」
「一通り語り終わった後は、夜が訪れるという、空しさを語ったんだろ。賢者の石なんて手に入らないから」
「違います! あなたこそ、コジモさんにとって賢者の石だったんです! 太陽でした! あなたがいたから、彼女は癒やされたんでしょ!」
死にゆく運命だったコジモを照らす太陽、それがソランジュだったのだろう。
「もし一人で悩むのがしんどいなら、一緒に悩みます。わたしはバカだけど、一緒に考えるくらいならできます! 友だちだから!」
頼りないかも知れない。しかし、リッコはソランジュの力になりたいのだ。
「恐れないで、ソランジュさん! あなたは前に進むべきです。探しましょう。秘宝を」
ふと、ソランジュの口元が緩む。
「フフ、ホントに強引だな、キミは」
「ソランジュさん?」
「行こう。秘宝は目の前だ」
「はい!」
ようやく、ソランジュが息を吹き返したらしい。
「時間がない。急ぐか」
「コジモ姫は、キエフに嫁いた途端で病に倒れ、一日もせずに亡くなりました」
ソランジュは膝を突く。
「そんな。では跡継ぎがいないではないか」
「コジモ姫には妹がいました。ボクは、彼女の孫です。が、この街をこのような荒れ地にしたのは、我が父です」
父の壊した街を救うため、ソランジュに助力を求めたのだ。
「図々しい頼みだとは承知しております。ですが、あなたしかいないのです。コジモ姫と縁のあるあなたにしか」
「私に、コジモの遺志を継げと。無理だよ……。私は、コジモより科学に詳しくない」
及び腰になるソランジュに、リッコは言い放つ。
「怖いんですか、ソランジュさん?」
「なに?」
「怖いんですよね。もし、賢者の石を見つけてしまったら、彼女との思い出が終わってしまうから」
リッコは、放たれたソランジュの拳を受け止めた。
「もう一度言ってみろ、リッコ! どいつもこいつも、コジモの怨霊に取り憑かれて!」
「コジモ王女にしがみついているのは、あなたの方でしょ!?」
本当は、リッコの方が怖い。せっかくできた友だちを、怒らせたのだ。
しかし、ここでソランジュが止まってしまったら、コジモ王女が悲しむと思ったから。
「わたしと友だちになるコトを拒むのも、わたしが定命だから。チヨメさんと別れるのだって辛いんでしょ? 人一倍長生きだから、また失うと思って、心を開けない!」
ソランジュは答えない。
リッコも、正解なんか求めていなかった。
「コジモさんは、あなたを『ソル』って呼んだ理由が分かりますか?」
「一通り語り終わった後は、夜が訪れるという、空しさを語ったんだろ。賢者の石なんて手に入らないから」
「違います! あなたこそ、コジモさんにとって賢者の石だったんです! 太陽でした! あなたがいたから、彼女は癒やされたんでしょ!」
死にゆく運命だったコジモを照らす太陽、それがソランジュだったのだろう。
「もし一人で悩むのがしんどいなら、一緒に悩みます。わたしはバカだけど、一緒に考えるくらいならできます! 友だちだから!」
頼りないかも知れない。しかし、リッコはソランジュの力になりたいのだ。
「恐れないで、ソランジュさん! あなたは前に進むべきです。探しましょう。秘宝を」
ふと、ソランジュの口元が緩む。
「フフ、ホントに強引だな、キミは」
「ソランジュさん?」
「行こう。秘宝は目の前だ」
「はい!」
ようやく、ソランジュが息を吹き返したらしい。
「時間がない。急ぐか」
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