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第五章 敵の総大将が動き出しました!
第70話 卑劣な魔族との戦いです!
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「聖剣・呪い断ち!」
複数の冒険者に向けて、リッコは衝撃波を飛ばす。
狙うのは武器や防具だ。威力を弱め、冷帯だけを狙った。
断末魔の叫びを上げて、マジックアイテムに憑依していた霊体が抜け落ちる。
イグルのおかげで、仕事は思いのほか捗った。
超高速で走っているのに、落下するようなこともない。
この一体感は、まるでイグルが身体の一部のよう。
どのような作用なのか分からないが、戦闘に集中できるのはいいことだ。
「あと一人」
このエリア最後のマジックアイテムに、衝撃波を打ち込む。
『ヒャッハーッ!』
だが、突如現れた青い鬼火に妨害される。
「何者です!?」
『ヒャヒャハッ! また会ったな、嬢ちゃん!』
中央に生首のような電撃のカタマリがあり、その周辺を鬼火が囲む。
「あなた、誰ですか?」
『ズコーッ!』
えらくテンションの高いズッコケだ。
『忘れたのか、オレ様を?』
本気で思い出せない。
『オレはグシオン様の配下、ウィル・オ・ウィスプのビビフロンス様よぉ! ハーゲンティに潰された魔族がオレよ!』
「あ、あのときの?」
そう言われ、ようやく思い出した。
グレーターデーモンの下敷きになった魔族だ。
「死んだはずなのに、どうしてこんなところに?」
『元々オレは霊体なのよぉ! つまり、オレは死んでからが本番ってワケ!』
「霊体を操っているのは、あなたですね?」
『その通りだ! 自らバカのすることなんだけどよぉ、しゃーねー。オレ自らが相手になってやるぜ! 霊体どもを暴れさせて、街をぶっ壊してやる!』
ウィスプが高笑いをする。
「あなたの好きには、させません!」
『やってみな嬢ちゃん! ヒャハハーッ!』
「聖剣・呪い断ち!」
衝撃波を、向けて放つ。
「ひいい!」
だが、ビフロンスは操っている冒険者を、衝撃波の前に立たせた。このままでは、冒険者の方を殺してしまう。
「やむを得ません!」
リッコはイグルに加速を頼み、衝撃波を拳で打ち消した。
「直接攻撃です!」
今度はビフロンス相手に、突きを繰り出す。
「うわあああ」
ハンマーを持った冒険者に妨害された。
武器に攻撃して、呪いを解く。
「卑怯です!」
『これが魔族のやり方よぉ!』
「そっちがその気なら、こちらにも考えがあります!」
操られている冒険者の呪いを解除しつつ、リッコはビフロンスを追いかけた。
『素人の浅知恵がなんの役に立つんだぁ?』
やはり気づいていない。
「それ!」
再度、リッコは衝撃波を繰り出す。
『どこを狙ってやがる?』
軽々と、ビフロンスは衝撃波をかわした。予想通りだ。
「後ろをご覧下さい」
ビフロンスを促して、リッコは見せてあげた。
自分が切り裂いたモノを。
『じゅ、十字架ぁ!?』
全長一〇メートル以上の十字架が、ビフロンスに向かって落ちていく。
リッコはビフロンスを、大聖堂まで誘導していたのだ。
さすがのビフロンスも、イグルたちに追い込まれて自分がどこにいるのかまでは把握できていなかったらしい。
「それだけ強いんです。ということは神に背いている度合いが強いということ!」
十字架を両手で掴み、リッコはビフロンスを押しつぶす。
「神の怒りは、さぞ利くでしょうね!」
『ギイイイイ!』
ビフロンスは、悲鳴を上げて消滅した。ビフロンスを下敷きにした十字架が、地面に十文字の穴を開ける。
聖騎士の魔力を、限界まで注いだ十字架だ。二度と再生できないだろう。
複数の冒険者に向けて、リッコは衝撃波を飛ばす。
狙うのは武器や防具だ。威力を弱め、冷帯だけを狙った。
断末魔の叫びを上げて、マジックアイテムに憑依していた霊体が抜け落ちる。
イグルのおかげで、仕事は思いのほか捗った。
超高速で走っているのに、落下するようなこともない。
この一体感は、まるでイグルが身体の一部のよう。
どのような作用なのか分からないが、戦闘に集中できるのはいいことだ。
「あと一人」
このエリア最後のマジックアイテムに、衝撃波を打ち込む。
『ヒャッハーッ!』
だが、突如現れた青い鬼火に妨害される。
「何者です!?」
『ヒャヒャハッ! また会ったな、嬢ちゃん!』
中央に生首のような電撃のカタマリがあり、その周辺を鬼火が囲む。
「あなた、誰ですか?」
『ズコーッ!』
えらくテンションの高いズッコケだ。
『忘れたのか、オレ様を?』
本気で思い出せない。
『オレはグシオン様の配下、ウィル・オ・ウィスプのビビフロンス様よぉ! ハーゲンティに潰された魔族がオレよ!』
「あ、あのときの?」
そう言われ、ようやく思い出した。
グレーターデーモンの下敷きになった魔族だ。
「死んだはずなのに、どうしてこんなところに?」
『元々オレは霊体なのよぉ! つまり、オレは死んでからが本番ってワケ!』
「霊体を操っているのは、あなたですね?」
『その通りだ! 自らバカのすることなんだけどよぉ、しゃーねー。オレ自らが相手になってやるぜ! 霊体どもを暴れさせて、街をぶっ壊してやる!』
ウィスプが高笑いをする。
「あなたの好きには、させません!」
『やってみな嬢ちゃん! ヒャハハーッ!』
「聖剣・呪い断ち!」
衝撃波を、向けて放つ。
「ひいい!」
だが、ビフロンスは操っている冒険者を、衝撃波の前に立たせた。このままでは、冒険者の方を殺してしまう。
「やむを得ません!」
リッコはイグルに加速を頼み、衝撃波を拳で打ち消した。
「直接攻撃です!」
今度はビフロンス相手に、突きを繰り出す。
「うわあああ」
ハンマーを持った冒険者に妨害された。
武器に攻撃して、呪いを解く。
「卑怯です!」
『これが魔族のやり方よぉ!』
「そっちがその気なら、こちらにも考えがあります!」
操られている冒険者の呪いを解除しつつ、リッコはビフロンスを追いかけた。
『素人の浅知恵がなんの役に立つんだぁ?』
やはり気づいていない。
「それ!」
再度、リッコは衝撃波を繰り出す。
『どこを狙ってやがる?』
軽々と、ビフロンスは衝撃波をかわした。予想通りだ。
「後ろをご覧下さい」
ビフロンスを促して、リッコは見せてあげた。
自分が切り裂いたモノを。
『じゅ、十字架ぁ!?』
全長一〇メートル以上の十字架が、ビフロンスに向かって落ちていく。
リッコはビフロンスを、大聖堂まで誘導していたのだ。
さすがのビフロンスも、イグルたちに追い込まれて自分がどこにいるのかまでは把握できていなかったらしい。
「それだけ強いんです。ということは神に背いている度合いが強いということ!」
十字架を両手で掴み、リッコはビフロンスを押しつぶす。
「神の怒りは、さぞ利くでしょうね!」
『ギイイイイ!』
ビフロンスは、悲鳴を上げて消滅した。ビフロンスを下敷きにした十字架が、地面に十文字の穴を開ける。
聖騎士の魔力を、限界まで注いだ十字架だ。二度と再生できないだろう。
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