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第四章 本格的な宝探しです!

第60話 わたし、カギを持っていました!

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「だって、自分だって腐ってもクテイの一族なんでしょ。だったら、自分で開けられるはずじゃないですか。でもそれをしなかった。ってことは、何か事情があったんですよ」
「なるほど。案外、頭が回るんだね」
「案外は余計ですね」

 シングニアは、当時のクテイを統一していた王の弟が独立した国だ。ならば、シングニアの末王女だったタンドック夫人も、クテイの血が流れているはず。

「分からない。セキュリティの問題なのかも知れない。あるいは、誰かの邪魔が入ったか」
「これと、関係ありますか?」


「どうだろうな。そろそろ、主を裏切ったことで、オレ様の顕現が解けてしまう。さらば……」
 ついにハーゲンティが、浄化された。

 残ったのは、右腕だけ。よく見ると、両手持ちの剣である。

「その腕はもらっておけ。いい武器だぞ。試しに振ってみろ」

「やってみます。えいっ。うわ!」
 剣を振ってみると、デーモンが出していた衝撃波を自分も出すことができた。

「おお、凄いです。でも、両手持ちなんですよね」
「これはバスタードソードだ。片手でも扱えるよ」

「でも、今は手持ちの剣もありますし」
 リッコの装備は、片手持ちのロングソードである。これの方が、剣と同時に扱うには便利だ。

「貸してみたまえ」

 バスタードソードとリッコが持っている剣とを、ソランジュが術で融合させる。見た目はバスタードソードのままで、ややサイズが小さくなった。

「ありがとうございます! これで片手でも両手でも扱いやすくなりました!」

 後は、岩盤の封印を解くだけ。

「クテイに連絡を入れないと」

「待ってください」
 リッコが、ソランジュたちを呼び止めた。

「あの、この紋章、どこかで見たことがあると思っていたんですが、持っているお守りとそっくりなんです。これなんですけど」

 持っていた小さな袋を開ける。

「何かあったときに開けろ、と師匠がくれたんですが」

 中には、小さなバッジのような装飾品が。

「ドッコイはそのバッジを、どこで手に入れたと?」

「キエフでわたしを見つけたときに、手に持っていたそうなんです。それをお守りとして、師匠が持たせてくれて。この紋章に似ていませんか?」
「確かに! しかし、これはなんだ?」
「なんでしょうねぇ。うーん」

 悩んでいると、バッジが黄金色の光を放った。

 リッコがビックリして、バッジを落としてしまう。


 バッジは見事なバランスで、紋章の中心で止まった。

「あらら、すいません」
 落ちたバッジを、リッコは拾おうと紋章に手をつく。



 噴火でも起きるのではというレベルの、地震が発生した。

 あまりの揺れに、リッコはその場から逃れようとする。だが、立ち上がれない。


「うわあああ、なんですかこれは!?」
「お宝が、目覚めたニャ!」

 地面に描かれた紫の紋章が光を放ち、地面が削れていく。

「何が起きているのか、サッパリです!」
「私にも分からん! とにかく警戒を怠るな!」
「はい!」

 逃げ出したくても、手が地面に吸い付いている。
 かと思えば、ひとりでに手が持ち上がった。

 そこで、リッコは意識を手放してしまう。
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