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第四章 本格的な宝探しです!
第56話 ソランジュさん、空から美少女が!
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「ほざけ魔女! 魔王様の仇だ、ここで死ね!」
魔族たちが四方から飛びかかってきた。
「リッコ、思い切っていくぞ。キミの本気を見せろ」
「はい!」
血の気が多い魔族を、手加減しておとなしくさせるのは難しい。多少の殺生は覚悟する。
「安心するといい。こいつらは召還されているだけの兵隊だ。実体があると思わせて、アイテムを媒体に実体化しているだけだ。いわば仮初めの命だ」
「それなら、遠慮しません!」
稽古着からフルプレートに武装し、襲ってくる魔族兵に斬りかかった。
動く相手に剣を振るったのは、これが初めてに近い。
だが、うまく戦えている。
相手の魔法も、ヒーターシールドで弾く。
十分戦える。足を引っ張っていない。
斬り捨てた魔族兵が、武器に変化した。
「兵隊がアイテムになりました」
「その意気だ。このままヤツらを魔界へ送り返せ」
魔界から来た魔族兵は、アイテム化する。
冒険者はこれを糧にしている者も多い。
「レアアイテムばかり。冒険者が夢中になるわけだ」
魔族兵たちを撃ち倒しながら、ソランジュは呆れた声で言う。
「忍法・火だるまの術ニャ!」
巻物を咥えたチヨメが、胸の前で印を結ぶ。
チヨメの周囲に、炎の竜巻が巻き起こった。
魔物たちが、炎の渦に飲み込まれて消滅する。
「せい!」
ソランジュが、ステッキを振り回した。
棒状だったステッキが、ムチのように伸びてしなる。
ロープ状に変形したステッキで、ソランジュは下級魔族たちを縛り上げた。
「これは痛いぞ」
電撃の魔法を放ち、縛っていた魔族の集団を一網打尽にする。
「さて、残ったのはお前だけだ。何か言い残すことはないか?」
「ケッ! いい気になるなよ魔女。我が名はグシオン将軍の配――」
名乗る魔族の上空から、フロアの半分を埋め尽くす程の巨体が舞い降りてきた。
下級魔族を、一瞬で踏み潰す。
「味方をペシャンコにしましたよ!」
「あの女からすれば、ただの駒だからね」
天井に差し込む日の光で、ようやくモンスターの輪郭が浮かび上がる。
全体的に筋肉質で、腕が異様に盛り上がっていた。
頭が牛の魔物、ミノタウロスである。
「ええい情けないわね、お前たち!」
その肩に乗っているのは、全身を蒼いドレスに包んだ細身の女性だ。
髪の毛のボリュームが、凄まじい。全身さえ包み込めてしまうのでは。盛りに盛った髪を、ツインテールに結んでいた。
自分の身長よりやや長い杖を持っている。
「このデイナ・タンドック自ら、出向かないといけないなんて!」
なんと少女は、杖の先にある宝石を、ペロペロと舐めだした。
魔族たちが四方から飛びかかってきた。
「リッコ、思い切っていくぞ。キミの本気を見せろ」
「はい!」
血の気が多い魔族を、手加減しておとなしくさせるのは難しい。多少の殺生は覚悟する。
「安心するといい。こいつらは召還されているだけの兵隊だ。実体があると思わせて、アイテムを媒体に実体化しているだけだ。いわば仮初めの命だ」
「それなら、遠慮しません!」
稽古着からフルプレートに武装し、襲ってくる魔族兵に斬りかかった。
動く相手に剣を振るったのは、これが初めてに近い。
だが、うまく戦えている。
相手の魔法も、ヒーターシールドで弾く。
十分戦える。足を引っ張っていない。
斬り捨てた魔族兵が、武器に変化した。
「兵隊がアイテムになりました」
「その意気だ。このままヤツらを魔界へ送り返せ」
魔界から来た魔族兵は、アイテム化する。
冒険者はこれを糧にしている者も多い。
「レアアイテムばかり。冒険者が夢中になるわけだ」
魔族兵たちを撃ち倒しながら、ソランジュは呆れた声で言う。
「忍法・火だるまの術ニャ!」
巻物を咥えたチヨメが、胸の前で印を結ぶ。
チヨメの周囲に、炎の竜巻が巻き起こった。
魔物たちが、炎の渦に飲み込まれて消滅する。
「せい!」
ソランジュが、ステッキを振り回した。
棒状だったステッキが、ムチのように伸びてしなる。
ロープ状に変形したステッキで、ソランジュは下級魔族たちを縛り上げた。
「これは痛いぞ」
電撃の魔法を放ち、縛っていた魔族の集団を一網打尽にする。
「さて、残ったのはお前だけだ。何か言い残すことはないか?」
「ケッ! いい気になるなよ魔女。我が名はグシオン将軍の配――」
名乗る魔族の上空から、フロアの半分を埋め尽くす程の巨体が舞い降りてきた。
下級魔族を、一瞬で踏み潰す。
「味方をペシャンコにしましたよ!」
「あの女からすれば、ただの駒だからね」
天井に差し込む日の光で、ようやくモンスターの輪郭が浮かび上がる。
全体的に筋肉質で、腕が異様に盛り上がっていた。
頭が牛の魔物、ミノタウロスである。
「ええい情けないわね、お前たち!」
その肩に乗っているのは、全身を蒼いドレスに包んだ細身の女性だ。
髪の毛のボリュームが、凄まじい。全身さえ包み込めてしまうのでは。盛りに盛った髪を、ツインテールに結んでいた。
自分の身長よりやや長い杖を持っている。
「このデイナ・タンドック自ら、出向かないといけないなんて!」
なんと少女は、杖の先にある宝石を、ペロペロと舐めだした。
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