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第三章 お友だちって、いいものですね!

第43話 ニンジャさんです!

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 ニンジャ、東洋で活動するスパイ系の職業だ。トレジャーハンターとしての腕も備わっている。それが、遠く離れたクテイで雇われているとは。

「ここなんですか?」

 なんと、連れてこられたのは井戸だ。
 しかも、水が涸れていて、使われていない。

「看板があるだろ?」
「ホントだ。イッポンマツって書いてある」

 すぐ脇にある立て看板に、名前が彫られていた。

「あれですね。このロープを伝って、下に降りるんですね。秘密基地みたいに!」
「子どもみたいにハシャイでるな」
「行きますよー、ほっ」

 リッコはロープにしがみつく。
 降りようとした途端、ロープを縛っている骨組みがガクンと下に降りた。

「っわ!」
 落下しそうになり、リッコは変な声を出してロープにしがみつく。

 ゴゴゴ、と音がして、井戸の隣に下り階段が出現した。

「名推理だったな」
「むー」

「むくれてないで、行くぞ。ついてこい」
 ソランジュが先行し、石段を降りていく。

「ま、待ってください」
 リッコも後を追った。

 井戸の下は、洞窟になっている。
 空気もジメッとしていない。明らかに人のいる気配があった。

「こんなところに、地下通路なんてあったんですね?」
「侵入者よけの通路らしい。クテイでも特別なヤツらしか知らん。そんな通路の番人を任されれているんだ。それだけ、イッポンマツは信頼に値する」

 明かりがついている方角へ、ソランジュは進む。
「トラップの類いはないか。さすがに」
 壁をノックしながら、ソランジュは先を行く。
「ここだ」

 網目状の装飾が施された鉄の扉が、目の前に。

「引き戸ですね」

 リッコをどかせ、ソランジュが取っ手に手をかける。

「一本松。真紅の魔女が協力を要請しに来た。入るぞ」

「どうぞニャー」
 やる気のない返答が、引き戸の向こうから返ってきた。

 引き戸を開けると、いかにも東洋風な部屋が広がっている。

 中央で、丸太でできたイスに座り、炭で火を炊いている少女がいた。

 稽古着のような出で立ちで、下はミニスカ黒タイツ。
 鉄と皮で作られた手甲を填めている。
 驚いたのはクツが布製なことだ。
 足の裏を鉄で補強してあるとはいえ、痛くないのだろうか。

「一本松……だよな?」

「いかにも。ワイが『ニンジャギルド 一本松』の二代目、チヨメ・イッポンマツだニャ。ジョブはニンジャニャ。メインジョブは盗賊、サブジョブは狩人ニャ。チョメチョメって呼んでくれてもいいニャ!」
 チヨメが頭巾を脱いだ。ポニーテールの黒髪に、ネコの耳が。

「亜人族の方なんですね」
「はいニャ。獣人《セリアン》族ニャ」

 リッコが聞くと、チヨメはシッポをピョコンと出した。
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